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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 現在地 涅槃
  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2014年07月12日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月12日

石持浅海「御子を抱く」読了。平和な新興住宅地に、ある人物を師と仰ぐ集団の「門下生」たちが住んでいた。彼らは師亡き後も結束を保っていたが、一人の研究者の死をきっかけに、目覚めぬ師の遺児「御子」を巡る熾烈な争奪戦の火蓋が切って落とされる。そしてそれはやがて連続殺人を引き起こして――。

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posted at 08:41:32

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月12日

石持作品中最長の本作は「月の扉」の「師匠」を思わせるカリスマに心酔する人々の間で起こる連続殺人物。といっても殺されるのはたった(?)二人で頁数の約半分は舞台や人間関係の説明に費やされている。そのため些かダレる部分もなくはないが、それが後々犯人の動機にきちんと活かされている点は○。

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posted at 08:41:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月12日

見せ方的には「煽動者」に近いものがあるが、本作の方が丁寧に描写している分、説得力がある。ただその長さに見合ったネタなのかと言われると疑問であり、また犯人が発覚するのも意外性を狙ったのかもしれないが、少々唐突な気がする。

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posted at 08:42:19

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月12日

なお動機を説明する際、探偵役が「人格を疑われる話」と前置きしている分、本作はこれまでの作品に比べて読者に配慮している(?)と言えるかもしれない。

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posted at 08:44:33

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月12日

深谷忠記「遺産相続の死角 東京~札幌殺人ライン」読了。函館・赤レンガ倉庫郡近くの海でスタンガンを押し当てられ溺死させられた水産会社社長・一ノ瀬祐二は、かねてから遺産相続で兄・和雄と揉めていた。やがて札幌で第二の殺人が起き、和雄の妻から助けを求められた壮と美緒は真相解明に乗り出す。

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posted at 19:48:17

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月12日

黒江壮と笹谷美緒の素人探偵コンビが活躍するシリーズの三十六作目。本作の見所はタイトルにもある死角に潜んだ犯人をどう引き摺り出すかにある。このタイプの作品は往々にしてアンフェアすれすれになりがちな上に読者を納得させることが極めて難しいが、本作もまたその点で作者の苦労の跡が窺える。

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posted at 19:48:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月12日

例えばあるものを元にした演繹的推理はそれなりに説得力があるし、読み返してみると最低限の伏線も張ってはいる。しかし一方で読者の知識に依存する部分もあるのが気になるが、それについてはもう仕方がないと割り切ってしまった方がいいだろう。少なくとも自分は作者の試みだけは評価したいと思う。

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posted at 19:49:01

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月12日

舞阪洸「彫刻の家の殺人」読了。実践ミステリ倶楽部部長・有栖の誘いにより伊豆半島の南〈彫刻の家〉と呼ばれる館のパーティーに出席することになった夏比古、薫子、天由美の三人。だがまたしても起こる不可能犯罪。ビールを飲めば飲むほど推理が冴える天由美の出した結論は……。

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posted at 19:49:37

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月12日

御手洗学園高等部実践ミステリ倶楽部シリーズの二作目。メインの仕掛けはある古典的トリックの応用でその大胆な使い方が評価できるものの、いかんせん話が無駄に長すぎる。館の見取り図や読者への挑戦状を盛り込むなど作者の意気込みが伝わってくるだけに、もう少ししっかりと作り込んでほしかった。

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posted at 19:49:54

2014年07月15日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月15日

天祢涼「もう教祖しかない!」読了。人との『縁』の大切さを説き、銀来団地で急速に広がりを見せる新宗教〈ゆかり〉の教祖・藤原禅祐。その〈ゆかり〉に生前契約葬儀の顧客を奪われることを恐れた会社から教団潰しを命じられた早乙女六三志。それぞれの思惑から両者は信者数バトルをすることに――。

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posted at 22:59:03

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月15日

昨年末「本格ミステリー・ワールド2014」での深水黎一郎との対談で「伏線と驚きさえあれば本格が書ける」と語っていた作者だが、本作はその持論を具体的に示してみせた作品と言えるだろう。

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posted at 22:59:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月15日

基本的には「葬式組曲」から派生したような設定を使ったエンタメ性の高いコンゲーム小説だが、終盤になると一転、怒濤の伏線回収と巧みなミスディレクションに裏打ちされた意外な真相で魅せてくれる。

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posted at 22:59:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月15日

前作の「セシューズ・ハイ」もそうだったが本作もまた、見た目に誤魔化されることなく是非読んでほしい快作である、

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posted at 22:59:53

2014年07月16日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月16日

笹沢左保「空白の起点」読了。保険調査員の新田が出張から帰る電車の中で出逢った若い女は「真鶴の海岸付近で男が崖から突き落とされたのを窓から目撃した」と主張した。それから間もなくしてその証言通りに男の墜死体が発見されるが、驚いたことに死者は女の父親だった。果たしてこれは偶然なのか?

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posted at 22:33:24

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月16日

まず何といっても、運命的ともいうべき序盤の目撃シーンが素晴らしい。そして、この運命的というキーワードが作品全体を見事に象徴しており、物語の展開からトリック、構図に至るまでその要素を見出だすことができるだろう。

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posted at 22:33:34

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月16日

個人的に一番驚いたのが動機で、ラブロマンス的演出によって意外性と悲劇性を両立させている点が実に秀逸。唯一、第二の事件のトリックがあからさまな伏線のせいで見えやすいきらいがあるものの、それを差し引いても徹底したロマンに裏打ちされた物語と仕掛けが堪能できる秀作である。

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posted at 22:35:20

2014年07月17日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月17日

遠藤武文「フラッシュモブ 警察庁情報分析支援第二室〈裏店〉」読了。求婚パーティでの殺人、誰もいない櫓から射殺された男、人殺しに息子を盗られると主張する女、事故死と思われた老婆の死に隠された秘密、雪の山荘での連続殺人。世にも無礼な変人警視正・安孫子弘の前に五つの犯罪が立ちはだかる。

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posted at 23:40:32

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月17日

無礼というよりむしろ○チガイといった方が正しい安孫子警視正が探偵役を務めるシリーズの第二短編集。本作はシリーズ中最も本格ミステリ寄りの内容になっているのが特徴で、これまでは噴飯ものの解決が殆どだったのに対し本作では意外にも(!)きちんと着地しているものもあることにまず驚かされる。

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posted at 23:41:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月17日

とはいえダイイング・メッセージがただの駄洒落だったり、真相がバレバレだったり、犯人としての根拠が弱かったり、謎解きに説得力がなかったり、特殊知識に依存し過ぎだったりと不満もかなり多いが、それでもベストを選ぶなら雪の山荘と密室という本格の王道に挑んだ「密室の熊」になるだろう。

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posted at 23:41:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月17日

都合二つ出てくる密室のうち個人的に面白かったのは第一の密室で、氷柱という要素を取り入れているのもさることながら、それに死者が変装していた理由を巧く結び付けている点が○。ただその一方で犯人の決め手となるものにどことなくダメミス臭を感じてしまうのはご愛嬌(爆)。

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posted at 23:41:55

2014年07月18日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月18日

法条遥「忘却のレーテ」読了。全てを忘れさせる記憶消去薬「レーテ」実用化に向けて開発者指揮のもと、閉鎖施設で一週間にわたる実験が始まった。殺し屋、天才科学者、スパイ……様々な人物の思惑が交錯する中、起きる殺人。だがそれすらも忘却の彼方に消えていく。一体ここでは何が起こっているのか?

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posted at 21:46:04

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月18日

エピローグから始まりプロローグで終わる変わった構成のホワットダニット物。とはいえ「何が起きているのか?」に関してはあるキーワードが執拗に描写されるせいで察しがつきやすいし、ネタ自体の意外性もあまり感じない。そのため読み進むにつれ曖昧模糊な物語が却って煩わしく思えてしまうのが難。

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posted at 21:46:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月18日

こういう展開で引っ張るなら、最後にもっと強烈なネタを用意してほしかった。

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posted at 21:46:47

2014年07月19日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月19日

石井敏弘「業火」読了。若きピアノ教師・美袋由紀子はある日、鎌倉で一年前に交通事故で亡くなった夫に似た美少年・氷川橡と出会い、次第に心を惹かれていく。一方、都内にある産婦人科の病院で医師が殺され、現場には不気味な『運命の輪』のタロットカードが置かれていた。

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posted at 17:57:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月19日

タロットカードに纏わる謎の連続殺人に美しき未亡人と美少年の恋愛を絡めた力作。但しフーダニットを期待すると犯人はバレバレだし、途中に出てくるアリバイトリックにしても前例がある上にあまり上手く機能しているとは言い難い。

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posted at 17:57:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月19日

しかしながら作者が最もやりたかったと思われるメインのネタに関してはなかなかよく描けており、恋愛小説としての巧さがそのまま仕掛けに直結している構造はかなり好み。個人的にはもう少し重さがあってもよかったのではと思わなくはないが、この辺は賛否分かれるかもしれない。

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posted at 17:58:06

2014年07月23日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月23日

石持浅海「相互確証破壊」読了。修羅場を避ける保険を理由に不倫現場を毎回撮影する本当の意味に迫る表題作、ヒッチハイクをしていると語る女に隠された秘密「カントリー・ロード」、情事の度に男装させる彼氏の真意「男の子みたいに」など前戯から始まる伏線、絶頂で閃く名推理が堪能できる六編収録。

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posted at 21:32:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月23日

エロと本格ミステリの融合を目指した異色の短編集。とはいえ本来、欲望の赴くままに突っ走るエロと理性的な本格は水と油にも等しく、故に官能シーンは多めなのに登場人物たちが行為の最中でも冷静に推理を進めているという構図は端から見るとかなりシュール(爆)。

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posted at 21:33:26

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月23日

そのシュールさを面白いと捉えるか否かで評価は変わってくると思う。個人的に良かったのは引き籠もりの兄が狙撃されて殺された事件の真相を妹が推理する「三百メートル先から」と「カントリー・ロード」で、前者は殺害方法に着目したロジックの積み重ねからこの作者らしい物騒な真相に結び付くのが○。

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posted at 21:33:51

麻里邑圭人 @mysteryEQ

14年7月23日

ただその反面エロがミステリ部分と直結していないのが残念だが、ラストがシーンとして面白すぎるのでよしとしたい(爆)。一方後者は、真相自体は大したものではないが、探偵役が何故真相に至ったのか、その気付きが実に素晴らしいw こういうネタこそが本作の醍醐味と思う次第である。

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posted at 21:34:11

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