麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年03月31日(木)
特に後者は冒険活劇の中にさらりと盛り込まれたひっくり返しが○。その他だとお馴染みの仁木兄妹が耳の不自由な老人に嫌疑がかけられた盗難事件を解決する「みどりの香炉」が真犯人を追い詰めるまでの過程もさることながら後年に発表された作者の某短編を彷彿とさせるタイトルにニヤリとさせられる。
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posted at 19:25:21
作者のジュブナイルミステリを集めた作品集の第一弾。全体的にネタは他愛ないものばかりだが、子供向けでもフェアプレイ精神を忘れないのはさすが。収録作で目を惹くのはやはり表題作と「消えたおじさん」の長編二作で、どちらも冒険活劇要素がふんだんに盛り込まれていてテンポ良く読ませてくれる。
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posted at 19:24:41
仁木悦子「仁木悦子少年小説コレクション1 灰色の手帳」読了。強盗傷害事件の犯人として疑われた兄の無実を証明するため小学生の弟が刑事の娘と共に奮闘する表題作、行方不明になった仲良しのおじさんを探して少年が命がけの冒険をする「消えたおじさん」の二長編など八編に随筆二十編を併せて収録。
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posted at 19:23:48
あと個人的にはアリバイトリックよりもむしろ終盤の犯人を特定するロジックの方にキレがあるように感じた。派手さはないが、事件を通して垣間見える人間の本性が印象深い良作である。
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posted at 11:23:02
仁木兄妹シリーズの長編三作目。真相だけ取り出せば差ほど意外性はないものの、執拗なまでのミスディレクションによって容易に真相に到達できないようにしているのはさすが。また終盤の急展開には驚かされるが、それがあるからこそ際立ってくるタイトルの意味が○。
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posted at 11:22:52
仁木悦子「刺のある樹」読了。推理マニアの仁木雄太郎、悦子兄妹の下宿先にある日一人の紳士が相談に訪れた。このところ不可解な出来事に次々と見舞われ、命を狙われているのではないかと脅えているらしい。兄妹が調査に乗り出した矢先、紳士の妻が何者かに扼殺されるという事件が起きて……。
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posted at 11:22:39
2016年03月30日(水)
その一方で残念なのは物語的に盛り上がりそうなイベント(英雄だった主人公が罠に嵌められる過程と、ヒロインと主人公が国を脱出するまでの過程)が二つも端折られてしまっていることで、頁数の関係もあるのだろうが、さすがに勿体ないと言わざるを得ない。
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posted at 20:35:26
ラノベミステリの書き手として知られる作者が手掛けるファンタジー戦記物。一見すると全くミステリとは縁がない作品のように思えるが、作者の得意とするロジック展開は主人公が駆使する様々な策に活かされている(特にヒロインが助けにくることをどのようにして主人公が予想したのかという点が○)。
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posted at 20:35:05
田代裕彦「廃皇子と獣姫の軍旗」読了。《黒狐》と怖れられるアルガント帝国の皇太子ウィルフレドは獣の半身を持つ亜人族との一戦に勝利、《獣姫》ククルを捕縛し帰国する。しかし凱旋した彼に偽嫡の嫌疑がかかり喝采から一転、罪人となってしまう。そんな彼を救い出したのはあの《獣姫》ククルだった。
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posted at 20:34:37
2016年03月29日(火)
またフーダニットとしての伏線もかなり念入りに張られており、特に第二の殺人の動機となったある台詞には唸らされた。「猫は知っていた」や「冷えきった街」といった代表作に隠れがちだが、本作もまた読み逃せない秀作である。
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posted at 23:16:56
謎解きに入る前にその事実が明かされた時のやられた感はなかなかのもので、それを成立させるためのダメ押しとばかりに書かれたある身体的特徴には、ここまでやるかと思わず笑ってしまった。
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posted at 23:16:46
仁木兄妹シリーズの長編二作目。本作でまず目を惹くのは仁木作品でも上位に入る緻密な構成と騙りの妙でありその完成度は「二つの陰画」に匹敵する。但し騙りの性質は全く異なるもので「二つの陰画」が裏の裏まで読んだ周到な仕掛けであるのに対し本作は気付いたら罠に嵌まっているさりげなさが心憎い。
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posted at 23:16:26
仁木悦子「林の中の家」読了。欧州旅行中の水原夫妻から邸の留守を頼まれている探偵マニアの仁木兄妹の許にある夜、怪電話がかかってきて女の悲鳴と共に切れた。「林の中の……」という電話の声を頼りに兄妹が探し当てたその家には、血に染まった女の死体が……。
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posted at 23:16:12
2016年03月28日(月)
加えて後半になればなるほど、よほど急いで書いたのか文章がアレになっていくのが凄く気になった。とまれ面白かった二編に言及しておくと、一編目「一つ目小僧ノ巻」は単純な事件と見せかけて、カメラを活かした気付きから予想外の犯人を引っ張り出してくる点が秀逸。
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posted at 21:17:47
以前、作者は未来からやってきた探偵が現代で活躍する作品を書いているが、本作は逆に現代のアイテムが過去にいき、探偵役の捜査の助けになっているのが面白い。但し収録作四編中良かったのは前半の二編までで、三編目からネタが尽きたのかあからさまにクオリティが落ちるのが残念。
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posted at 21:17:15
森川智喜「トリモノート」読了。インスタントカメラ、指紋検出、ルミノール反応、ビデオカメラ……十八世紀のお侍さんの国を舞台に、齢十六のお星と幼馴染みの舟彦がひょんなことから手に入れた現代の技術を使って難事件に挑む連作ミステリ。
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posted at 21:16:44
2016年03月27日(日)
殺し屋のハンスに六花の勇者になることを引き受けさせるためにはどうしたらいいかという命題に対し密偵が出す答えはそれまで描いてきた日常シーンに裏打ちされた逆説としてなかなか面白いものがある。それ以外だと「鼠は見ている」の本編からは想像がつかないモーラの意外な一面がちょっと面白かった。
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posted at 16:38:20
六花の勇者本編の前日譚にあたる短編五編と掌編七編を収録した作品集。収録作のほとんどは本編のようなミステリ要素は一切ないファン向けのサイドストーリーばかりだが、その中で唯一ハンスの謎めいた殺し屋稼業を描いた「密偵と猫」は広義のミステリとしても読むことができるだろう。
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posted at 16:38:05
山形石雄「六花の勇者archive1」読了。ハンスの謎めいた殺し屋稼業、万天神殿でのモーラやチャモたちの日常、ナッシェタニアに恋人を作るよう画策されるゴルドフの青春、凶魔として生きるフレミーの家族への想い、少年時代のアドレットの夢……これは、勇者以前の物語。
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posted at 16:37:56
2016年03月26日(土)
その駆け引きは些か安直だし、度々説明が入る教団の実態もテンプレかつ時々妙にセコくなるので、読めば読むほど凄いのか凄くないのかわからなくなってくる。トドメは終盤の展開で、これには思わず呆れてしまった。
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posted at 15:26:04
完全なる蛇足。前作は倒叙ミステリ要素のある良い青春小説で書きたいことが一貫していた印象だったのに対し本作は正直何がやりたいのかさっぱり分からない。具体的に言うと本作は施設を抜け出した主人公の逃避行をメインに主人公側と教団側の駆け引きが描かれるのだが、何というか全体的に内容が薄い。
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posted at 15:24:55
るーすぼーい「白蝶記2」読了。施設からの脱走後、旭は謎の少女・朱里と金城という男の二人と行動を共にすることになる。一方、教団幹部たちは時任に旭を連れ戻すように指示する。教団による包囲網が狭まる中、旭はようやく目的地である川幌市へと辿り着くが……。
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posted at 15:24:26
ちなみに本作にはお馴染みの(?)震災要素はないものの、代わりにひきこもり問題が盛り込まれており、それがミステリ部分としっかり結び付いているのはさすが。個人的には「殉霊」が好きな人にお勧めしたい社会派本格の佳作である。
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posted at 11:55:24
ミステリとしてみると仕掛けはどれも定番のものながら、それを巧く組み合わせることで意外性を演出している。むしろ本作の一番の見所は事件の構図であり、探偵役の言う美術構造的推理法によって見えてくる歪んだ愛の形が忘れ難い印象を残す。
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posted at 11:54:49
前作「肺魚楼の夜」以来8年ぶりの本作はバルタン星人などの生みの親である孤高の天才芸術家・成田亨の作品をモチーフにした館ミステリ。探偵役もそれに合わせて成田ファンの黒衣の原型師を起用しているが、そのキャラ設定はどこか御手洗風味の京極堂を思わせる。
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posted at 11:54:31
谺健二「ケムール・ミステリー」読了。石膏風呂での溺死、指輪を握りしめた焼死体、車によって首を切断された死体……ケムール人を生み出した孤高の天才作家に魅せられた男が建てた異形の館で不可解な密室死が続発する。生前人目を避けるようにケムール人のお面を被っていた彼らの身に何が起きたのか。
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posted at 11:54:14