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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 現在地 涅槃
  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2017年02月19日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月19日

竹本健治「緑衣の牙」読了。北海道函館近郊の星辰女子学園で二年生の朝倉麻耶が水死体で発見された。麻耶の死んだ沼の岩場には『罪は血で贖へ』という不吉な赤い文字が……。それから一ヶ月後、新たな女子生徒が三階にある寮の窓から転落死を遂げるが目撃されたはずの犯人の姿は綺麗に消え失せていた。

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posted at 20:42:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月19日

牧場智久と武藤類子のコンビが活躍するシリーズの一作。ミッション系の女子高が舞台のミステリというと綾辻行人「緋色の囁き」や黒崎緑「聖なる死の塔」のようにゴシック色が濃厚な作品が多いが、本作もまたその系統が好きな人には堪らない雰囲気の作品に仕上がっている。

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posted at 20:43:07

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月19日

ミステリの見所としては犯人消失のトリックと動機で、前者は人物像からの気付きが、後者はこの設定ならではの説得力が○。雰囲気作りとトリックが有機的に結び付いた良作である。

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posted at 20:43:48

2017年02月21日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月21日

乾くるみ「物件探偵」読了。利回り12%の老朽マンション、ひとりでに録画がスタートする怪現象アパート、新幹線の座席が残置された部屋……物件の気持ちがわかるという神出鬼没の物件探偵・不動尊子が六つのアヤシイ物件の謎を解き明かす。

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posted at 00:33:46

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月21日

不動産に纏わる謎を扱った連作ミステリ。不動産という一見ミステリとは縁がなさそうな題材とミステリの定番トリックを組み合わせて意外性を出そうとする試みは興味深いと思うものの、正直巧く噛み合っているかと言われると微妙なところと言わざるを得ない。

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posted at 00:35:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月21日

とはいえ希に巧く噛み合った時の驚きはなかなかのものであり、その好例である「小岩20分一棟売りアパートの謎」は事件に巻き込まれた当事者だからこそ気付かないという盲点をついた構図が実に秀逸。個人的にはこの短編を読めただけでも収穫だった。

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posted at 00:36:00

2017年02月23日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月23日

綾辻行人「人間じゃない 綾辻行人未収録作品集」読了。ありえない角度に折れ曲がった背中。歪に捩れた胴体。折れて捩れて殆どちぎれかけた両手両足。手足同様にちぎれかけた頭部……完全な密室で発見された由伊の死体は人ならぬものの怪力で破壊されたようにしか見えなかった――表題作含む五編収録。

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posted at 22:27:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月23日

作者がこれまでに発表してきた作品と何らかの形でリンクする中短編を集めた作品集。個人的には「フリークス」の番外編にあたる表題作がベストの出来で、当初は漫画用に考案された一発ネタを巧く活かし、ミステリからホラーへの境界線を軽々と飛び越してみせる。

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posted at 22:27:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月23日

次点は「どんどん橋、落ちた」の番外編「洗礼」で、ダイイイング・メッセージをメインに扱いつつも、一筋縄ではいかないフーダニットに仕上がっているのが○。だがそれ以上にミス研の犯人当てとして書かれたという設定とそこかしこに漂う青臭さがもたらす、しんみりとしたラストが印象的である。

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posted at 22:28:31

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月23日

その他「人形館の殺人」の後日譚である「赤いマント」は都市伝説を扱っている点もさることながら、作中で展開される館シリーズの某作品を思わせるロジックにニヤリとさせられる。総じて作者のファンであればあるほど楽しめる作品集である。

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posted at 22:28:50

2017年02月25日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月25日

初野晴「ひとり吹奏楽部」読了。飼い犬が吠えたり唸ったりする理由、一万円を受け取ったまま帰ってこないお店のお婆さん、親友がバイト先で見せる不可解な行動、一人で吹奏楽部を存続させた人物の正体……清水南高校吹奏楽部に集まった個性的なメンバーの知られざる青春と日常の謎を描いた短編集。

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posted at 17:59:08

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月25日

ハルチカシリーズの番外編的短編集。主役以外の吹奏楽部メンバーにスポットを当てるというのが本作のコンセプトであるためか、残念ながらシリーズの主役である春太と千夏の二人は出てこないものの、それでも二人のことが話の中で語られるだけで強烈な存在感があるのはさすがと言ったところだろう。

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posted at 17:59:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月25日

ミステリとしてみるとネタ自体はどれも小粒なものだが、時にさりげない技巧でドキリとさせてくれるのがいい。特にそれが顕著なのは「風変わりな再会の集い」で、これ以上ない形で一言で示される真相が実にスマート。また「巡るピクトグラム」のこのキャラだからこそできるちょっとした騙しも○。

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posted at 18:00:38

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月25日

そして本作のトリを飾る表題作に至っては、それまでのエピソードの積み重ねがあるからこそ活きてくる内容とラスト一行で綺麗に収束させる点が圧巻の一言に尽きる。完全にシリーズ読者向けの内容だが、小粒なネタを物語として巧く昇華させた作品である。

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posted at 18:01:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

17年2月25日

あと「ひとり吹奏楽部」、相変わらずギャグのキレが良かった。個人的なお気に入りは「難しいんだよ、あいつは。俺とはじめて会ったとき、恥ずかしがって『ドグラ・マグラ』の本で顔を隠していたような女だったから。意味ねーよって感じで」。

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posted at 18:01:17

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