麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年09月27日(水)
尤も犯人の正体に関してはある偽装工作のおかげで見えやすいきらいはあるものの、そこで終わることなく更にその先に見立てを活かしたフーダニットを用意した点は○。加えて人を人とも思わない(誉め言葉)あるトリックが好印象であり総じてシリーズの一作目としては申し分ない良作と言っていいだろう。
タグ:
posted at 22:47:55
死人の唇をした無感情の使用人が探偵役の長編ミステリ。本作の見所は何と言っても見立てにとことん拘った内容であり、見立て物ならではのお約束は勿論のこと、そこから更に一歩踏み込んで犯人の見立ての意図を先読みし犯行を阻止しようという探偵側とその裏をかいて挑発する犯人側の攻防が実に秀逸。
タグ:
posted at 22:46:53
月原渉「使用人探偵シズカ 横濱異人館殺人事件」読了。嵐に閉ざされた異人館で「名残の会」と称する奇妙な宴が始まった。館の主は謎めいた絵を所蔵する氷神公一。招かれたのは画家に縁のある六人の男女。やがて次々と縊り殺されていく招待客たち。そして絵の下層には、何故か死んだ者が描かれていた。
タグ:
posted at 22:46:37
とはいえ版元の都合で盛り込まれたと思われるSF設定を巧くミステリとして活かしている点はさすがと言ったところであり、逆転裁判を知らないミステリ読者にも問題なくお勧めできる作品である。
タグ:
posted at 01:03:27
そのため本来なら逆転裁判ファンにとって熱いはずのシチュエーションもいまいち盛り上がりに欠けるのが残念。一方ミステリとしてみると有栖川有栖の某作を彷彿とさせる異形の論理は面白いが、それ以外のネタは些か小粒感が否めず物足りなさを覚える。
タグ:
posted at 01:03:11
ゲーム「逆転裁判」シリーズの十五周年記念企画として書かれたオリジナルノベライズ作品。もともと法廷ミステリを得意とする作者だけに今回のノベライズは適任かと思いきや、どうも二次創作は苦手なのかキャラの書き方が終始こなれていない印象が付きまとう。
タグ:
posted at 01:02:46
円居挽「逆転裁判 時間旅行者の逆転」読了。2016年10月、弁護士・成歩堂龍一の助手・真宵が連れてきた依頼人・尾根紡優子は2001年に起きた事件から逃れるためタイムトラベルしたと告げる。やがて明らかになる優子が被告とされた15年前の密室殺人。時空を超え、成歩堂が手にする真実とは?
タグ:
posted at 01:02:25
2017年09月25日(月)
動物の特徴と言えば犯人を捕まえる場面でも存分に活かされており、意外性を期待するとやや物足りないかもしれないが、堅実な論理と説得力の高い真相で魅せてくれる良作である。
タグ:
posted at 23:40:38
名探偵チビーシリーズの二作目。前作同様、ジュブナイルものにしては珍しい読者への挑戦付きの良くできたパズラーで、動物の特徴を活かした犯行計画もさることながら、タイトルにもなっている魅力的な謎が別の側面から鮮やかに解かれる点が秀逸。
タグ:
posted at 23:40:01
新庄節美「名探偵チビー 虹色プールの謎」読了。市民プールがある夜、虹色に染められた。誰が何のために? 一方パックン夫人の邸宅では同じ夜に宝石盗難事件が起きていた。名探偵の子ネズミ・チビーと助手の子ネコ・ニャットは威張り屋のケッコー警部に邪魔されながらも二つの事件の謎を追っていく。
タグ:
posted at 23:39:06
2017年09月20日(水)
尤も詰め込まれたトリックの中には巧く機能していないものもあるが、これだけの量のトリックを三百頁ほどの頁数で破綻なく成立させている手腕には思わず唸らされる。またお馴染みのネタを隠し通すハッタリの巧さもあり、全編通して読者を徹底的に騙してやるという作者の気迫が伝わってくる傑作である。
タグ:
posted at 00:56:10
デビュー作「ジェリーフィッシュは凍らない」に続くシリーズの二作目。手記と主人公コンビの捜査が交互に描かれる構成は前作と同様だが、次々と畳み掛ける謎の魅力と詰め込まれたトリックの量は前作を遥かに上回っていると言っていいだろう。
タグ:
posted at 00:55:57
市川憂人「ブルーローズは眠らない」読了。両親の虐待に耐えかね逃亡した少年が保護された屋敷で見た化け物の影と連続殺人。一方、不可能と言われた青いバラを作出した人物が二人も現れた矢先に、バラの蔓で覆われた密室状態の温室で切断された首と血文字、縛られた生存者が発見されて――。
タグ:
posted at 00:55:22
2017年09月18日(月)
ジュブナイルテイストの本作は少年が顕微鏡で覗き見たミクロ的幻想譚から一転、マクロ的オチへと繋がっていく課程が秀逸。スプラッター要素を求めるとやや物足りないかもしれないが、それを差し引けばお馴染みの要素がふんだんに盛り込まれているので、作者のファンなら問題なく楽しめる作品集である。
タグ:
posted at 17:10:36
作者が90年代前半に雑誌に発表した単行本未収録短編15編を集めた四部構成のホラー短編集。ホラーと一言で言っても収録作はクトゥルー物、怪奇幻想物、怪談物、ホラー映画オマージュと幅広く、個人的にはどれも楽しめたが、その中でも特に一作推すとしたら、やはり「恐竜のいる風景」だろう。
タグ:
posted at 17:09:44
友成純一「蔵の中の鬼女」読了。狂女として蔵の中に閉じ込められているはずの大地主の子供が包丁片手に小学校へとやってきた。その哀しい理由とは? 故郷、筑豊を舞台とした作品を始め、悪夢・幻夢の世界、怪談の遺伝子、映画へのオマージュなど友成純一のエッセンスが凝縮された15作品を収録。
タグ:
posted at 17:09:28
「この世界の片隅に」観了。すずという一人の女性の視点から描かれる戦時下の日常物というべき内容で、直接的な死の描写よりも日常の中にさりげなく織り込まれる死の描写の方が強烈な印象を残す。そんな中でも強く生きようとするすずの姿が実に鮮烈であり、観終わった後に確実に何かが残る作品である。
タグ:
posted at 02:57:42
2017年09月16日(土)
そのドロドロ具合はインパクト抜群な反面、動機に比重を置きすぎたせいか本格ミステリというより伝奇ミステリ的評価になってしまうのは好みが分かれるところだろう。とはいえ最後に明かされる仕掛けに関しては巧く機能していたと思う。
タグ:
posted at 22:04:36
作者のデビュー作「Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件」に続く桜木シリーズの二作目。嵐の孤島で起こる不可解な連続殺人というと本格物らしいトリックやロジックを期待したくなるが、どちらかというと本作の見所は京極夏彦の某作を彷彿とさせるエログロナンセンスなドロドロの動機だろう。
タグ:
posted at 22:04:03
矢樹純「がらくた少女と人喰い煙突」読了。強迫性貯蔵症という、がらくた集めが生きがいの少女・陶子の前に現れた心理カウンセラーの桜木。だが彼も「普通ではない衝動」を抱える人間であった。陶子の治療で訪れた狗島で起こる凄惨な首なし殺人事件。事件の解明と共に明かされる島の哀しい歴史とは?
タグ:
posted at 22:03:42
これまでのシリーズ二作品はまだミステリ的な伏線がキッチリと張られている印象があったが、本作に関しては意外性だけで読者が解けるようには全く作られていないのが難。とはいえ途中の客たちの問題を解決していく部分は日常の謎物連作として読めばそれなりに楽しい作品である。
タグ:
posted at 08:32:23
敏腕刑事・新田浩介とホテルウーマン・山岸尚美の異色コンビが活躍するシリーズの三作目。一作目の「マスカレード・ホテル」同様、メインの殺人事件を追いつつホテルの客たちから持ち込まれた厄介な依頼を解決していく展開はなかなか読ませるものの、最後に明かされる肝心の真相がいただけない。
タグ:
posted at 08:32:06
東野圭吾「マスカレード・ナイト」読了。警視庁に届いた一通の密告状。それによると練馬のマンシマスカレード・ホテルョンで若い女性が殺害された事件の犯人がホテル・コルテシア東京のカウントダウンパーティに姿を現すのだという。あのホテルウーマンと刑事のコンビ、再び――。
タグ:
posted at 08:31:32
2017年09月12日(火)
これが最初から本格ミステリと謳っていたのであればそれでいいかもしれない。しかしながら社会派であればホワイダニットが明かされてからの展開は明らかに浮いており、テーマが完全にぶれてしまったと言わざるを得ない。できれば最後までぶれることなく社会派と本格が融合した作品を書いてほしかった。
タグ:
posted at 22:07:59
メフィスト賞作家が描く社会派青春ミステリ――それが本作の謳い文句だが、個人的には些か納得しかねる。確かに途中まではホワイダニットをメインとした社会派青春ミステリとして進行するもののホワイダニットが明らかになった瞬間、社会派青春ミステリの皮を被った本格ミステリに変貌してしまうのだ。
タグ:
posted at 22:07:29
天祢涼「希望が死んだ夜に」読了。神奈川県川崎市で14歳の女子中学生・冬野ネガが同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたものの「あんたたちにはわかんない」と動機は全く語らない。何故のぞみは殺されたのか。
タグ:
posted at 22:06:57
次点は海の家で会った女性をイケメン英会話講師が捜す理由に迫る第四話で謎解きよりもプロットの転がし方に見るべき所がある。他にも密室とダイイング・メッセージを扱った第二話は手掛かりの出し方もさることながらトリックメインと思わせてフーダニット部分もきっちりフォローしている点が良かった。
タグ:
posted at 00:01:05
シリーズ前作に引き続き、本作もまた見所のある短編が多いのが嬉しい。全四話の収録作のうちベストは転落死した社長令嬢の部屋から消えたハイヒールの謎を扱った第一話で、作者が得意とする事件を別の角度から見せることで不可解な謎を演出する技巧が実に秀逸。
タグ:
posted at 00:00:53
東川篤哉「ライオンは仔猫に夢中 平塚おんな探偵の事件簿3」読了。転落死した社長令嬢の部屋から消えたハイヒール、密室で殺された女子大生が残したVサイン、命を狙われる鸚鵡、海の家で会った女性をイケメン英会話講師が捜す理由……四つの難事件がライオン探偵と美貌(自称)の助手に降りかかる。
タグ:
posted at 00:00:34
2017年09月09日(土)
とはいえ収録作のうち平凡な親子三人が突如殺し合うスプラッターホラー「霊吸い」では犯人当てならぬ忌物当てというなかなか興味深い趣向が盛り込まれており、今後の展開次第ではミステリとしても面白くなりそうな可能性を秘めているシリーズだと思う。
タグ:
posted at 19:07:29
忌物をテーマにした怪談を扱った連作ホラーミステリシリーズの一作目。メインキャラに関して言えばキャラクター性も強く、そういう意味では「死相学探偵」シリーズを彷彿とさせるが、「死相学探偵」シリーズに比べると本作のミステリ度はそれほど高くない。
タグ:
posted at 19:06:20
三津田信三「忌物堂鬼談」読了。得体の知れぬ何かに脅える中学生の由羽希は救いを求め一人遺仏寺を訪れる。そこで由羽希は、美形の住職・天山天空から所有しているだけで祟られる代物――忌物に纏わる怪異譚に毎夜、耳を傾け、謎を解かされる羽目になるのだが……。
タグ:
posted at 19:05:52
ちなみに数少ない本格物三編の感想はというと法月は謎と構図の面白さはあるが捻りすぎて切れ味は鈍い。有栖川は特筆すべき所はないがワンアイディアをベースに無難な犯人当てに仕上げている。麻耶は一応捻った犯人当てにはなっているが本編よりもラストのメルカトルの台詞の方が印象に残った(爆)。
タグ:
posted at 18:24:49
新本格30周年を記念して企画されたミステリ・アンソロジー。しかしながら胸を張って本格と言えるものは法月、有栖川、麻耶の三編だけで、中にはミステリですらないものもある。正直新本格を冠しているのだから全編、本格物で勝負してほしかった。
タグ:
posted at 18:24:36
綾辻行人他「7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー」読了。「名探偵」をテーマにした新本格ミステリ第一世代の作家(綾辻行人、歌野晶午、法月綸太郎、有栖川有栖、我孫子武丸、山口雅也、麻耶雄嵩)による書き下ろしミステリ短編七編収録。
タグ:
posted at 18:24:16