麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年10月25日(水)
終盤の畳み掛けるような展開は読ませるしミスディレクションも巧くやっているとは思う。しかしながら、やはり個人的にはもう少し奇抜なネタであっと言わせてほしかった。
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posted at 21:58:47
タイトルにある通り双生児を巡るサスペンス物。真相だけ見ればビックリするほど手垢のついたネタだが、それを誰もがニュースで見たことのある様々な時事ネタを織り混ぜながらここまでトリッキーに仕上げている点はさすがと言ったところか。
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posted at 21:58:35
折原一「双生児」読了。ある日、安奈は自分にそっくりな女性を町で見かけた。後日、探し人のチラシが届き、そこには安奈と瓜二つの顔が描かれていた……。一方、謎の人物〈足長仮面〉の援助を受けて養護施設で育ったさつきの許に不穏なチラシが届く。そこにはさつきと瓜二つの顔が描かれていた……。
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posted at 21:57:47
2017年10月23日(月)
収録作はどれも濃厚な物語世界で甲乙つけがたいが、強いて言えばミステリ的伏線の面白さがある「みどりの吐息」や、あるものを使った殺人計画に奇想が見出だせる「花うつけ」あたりが良かった(あと構成という点では最後に救いのある「湿原の女神」を持ってきた点も○)。
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posted at 22:43:06
怪談アンソロジーなどに掲載された五編に書下ろしの四編を新たに加えた怪奇幻想短編集。これまでこの作者の作品は長編しか読んだことがなかったが、怪談短編でデビューしただけあって、やはり短編の方が読み応えがあるように感じた。
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posted at 22:42:44
宇佐美まこと「角の生えた帽子」読了。運命の残酷さ、悲劇を描いた「悪魔の帽子」、植物に取りつかれた男を描いた「花うつけ」、主人公が犬嫌いになった理由が明かされる衝撃のラスト「犬嫌い」、松山が舞台の正統派ゴーストストーリーの「城山界隈奇譚」など、謎と恐怖の物語全九編を収録。
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posted at 22:42:19
探偵役が自分の過去と対峙する第三話「キマイラの短い夢」も物語の掉尾を飾るに相応しいもので、前作が気に入った読者なら問題なく楽しめる良作と言っていいだろう。
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posted at 10:42:08
ミステリとしては全編謎解きが浮き彫りになる登場人物の暗部が秀逸だが、中でも特に推すとするならやはり第二話の「手紙」だろう。奇妙な手紙を巡る多重推理形式の本作は、説得力のある三つの推理にそれぞれ残る矛盾がある気付きと結び付いて明らかになる真相と反転する人物像の後味の悪さが実に絶妙。
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posted at 10:41:51
海新高校ジャーナリズム研究会――通称ジャナ研に所属する工藤啓介が日常の謎を解き明かす連作ミステリシリーズの二作目。前作では明かされなかった啓介の過去――『キマイラの短い夢』事件に触れた本作は前作に比べて一話少なくなっているものの、その分テーマがより明確になっているのは○。
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posted at 10:41:39
酒井田寛太郎「ジャナ研の憂鬱な事件簿2」読了。警備体制が完璧だったはずのライブ会場へ侵入したストーカー、自慢の姉の許に届いた奇妙な手紙の意図、そして演劇『キマイラの短い夢』を巡る騒動に隠されたもう一つの真相……ジャナ研所属の工藤啓介が新たに遭遇した三つの事件の真相とは?
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posted at 10:41:33
2017年10月21日(土)
加えて時代設定と連続殺人であることを活かした犯人の隠蔽法も○。但し最後に起こる事件に関しては作中で語られる「謎は引っ張れるだけ引っ張って、最後の最後に解き明かすのが探偵小説の醍醐味」というのに同意するとしても少々引っ張りすぎだと思う。
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posted at 18:04:18
終戦前夜の疎開地を舞台に少年少女たちが連続殺人の謎を追う、どこか梶龍雄を彷彿とさせる青春本格ミステリ。時代ミステリを得意とする作者らしく戦時下の空気感を巧く描き出しており、それがきちんと本作のホワイダニットと結び付いている点が素晴らしい。
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posted at 18:04:00
岡田秀文「白霧学舎 探偵小説倶楽部」読了。昭和20年、東京から疎開してきた美作宗八郎はひょんなことから白霧学舎「探偵小説倶楽部」の面々と共にこの一帯を騒がせている、局部を切り取られる連続殺人事件の真相究明をすることになる。そんな中、友人の林屋健太が変死体となって発見されて――。
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posted at 18:03:40
2017年10月20日(金)
だがその一方でこの仕掛けと作中で扱われる謎のちぐはぐ感はいかんともしがたく、中には空を飛ぶ男に纏わるせっかく面白そうなトリックもあったのにそのちぐはぐ感のせいで不発気味に終わってしまっているのが残念。プロット物としてみるかトリック物としてみるかで評価が大分変わってくる作品である。
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posted at 22:11:51
とはいえ仕掛けが全くないわけではなく、プロットの捻りに定評がある作者らしく思いもよらない方向から読者をあっと驚かせてくれる。最初は何が起こったのか分かりづらいだろうが、徐々に仕掛けの全貌が分かってくると作者の策士ぶりに思わず唸らされるに違いない。
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posted at 22:11:32
人が消えると噂される館で次々と起こる不可解な消失劇を描いた作者初のクローズドサークル物。一見すると不可能犯罪に真っ向から挑んだ作品のように思えるが、そちらを期待すると大いにがっかりすることだろう。
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posted at 22:11:15
深木章子「消人屋敷の殺人」読了。包囲された館から一族が忽然と姿を消した――そんな奇怪な伝承に彩られた岬の突端の武家屋敷・日影荘。ここに隠遁する覆面作家を訪ねた女性編集者が失踪し三ヵ月後、謎の招待状によって五人の関係者が集められた。折しも嵐の襲来で孤立する館で新たな消失事件が……。
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posted at 22:10:38
2017年10月19日(木)
またシリーズの見所の一つである仮説のビルド&スクラップに関してはワトソン役である純子のトンデモ推理に拍車がかかっており、読んでいる途中何度も笑わせてもらったw ある意味、本作のまだ見ぬ密室トリックを追求する姿勢は21世紀本格に通じるものがあるかもしれない。
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posted at 23:52:22
その複数のトリックが具体的には何なのかはここでは伏せるが、緻密にして複雑な仕掛けと大胆なミスディレクション、そしてそれをやってのけた犯人を追い詰める皮肉かつ鮮やかなオチには脱帽と言わざるを得ない。
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posted at 23:52:02
しかしながらその作り込みは半端ではなく正直ここまで徹底的にやってくれると圧巻の一言に尽きる。中でも凄まじいのは長編と言っても差し支えのない長さの表題作で作中のミステリ作家が語る「これから(のトリック)は、複数のトリックのコンビネーションで勝負」というのを見事に実践してみせている。
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posted at 23:51:43
防犯探偵シリーズの四作目となる連作ミステリ。今時珍しい密室トリックに拘った内容は前作「鍵のかかった部屋」と同様だが、本作では更にそれを追求した結果、かなりの特殊知識が要求されるトリックばかりになっているのは賛否が大きく分かれるところだろう。
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posted at 23:51:04
貴志祐介「ミステリークロック」読了。世界でも希少な時計が集められた山荘の晩餐会。主催者の女流作家の怪死は「完璧な事故」で終わるはずだった。そう、居合わせた防犯コンサルタント・榎本径が異議を唱えなければ……。表題作含む、斜め上を行くトリックに彩られた四つの事件を収録。
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posted at 23:50:38
2017年10月18日(水)
そんな本作のミステリとしての見所はというと連続する不可能犯罪からトリックが凄い作品なのかと思いがちだが、読み終わってみると意外にも(?)ロジカルな犯人当てだったことに驚かされる。勿論個々のトリックもよく練られているが、それ以上に密室への拘りが犯人の正体に直結している点が秀逸。
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posted at 22:10:40
加えてワールドワイドに展開する事件のスケールの大きさや数学ネタを活かした不可能犯罪の演出は正にこの作者ならではのものであり、作者のファンはもとより作者のファンでなくてもついついページをめくらずにはいられない面白さがある。
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posted at 22:10:06
本格ミステリ漫画「Q.E.D. 証明終了」の作者による長編ミステリ小説シリーズ第二弾。作者の漫画をそのまま小説化したようなテンポの良い物語は前作と同様だが、今回は事件を一つに絞ったことによりテーマが一段と明確になり、ミステリとしての完成度も格段に上がっているのが好印象。
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posted at 22:09:44
加藤元浩「捕まえたもん勝ち!2 量子人間からの手紙」読了。元アイドルの捜査一課刑事・七夕菊乃と天才にして壊滅的な変人刑事・アンコウこと深海安公。二人が挑むのは、密閉された倉庫や監視カメラの密林をすりぬけて殺人を犯す「量子人間」事件――FBIもお手上げの連続不可能殺人だった。
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posted at 22:09:17
2017年10月17日(火)
また物語が進むにつれて明かされていく一族の暗部に関しては作者らしい漫画的発想や麻耶っぽさ(?)が所々に感じられるのが何とも微笑ましい。総じて本作は御家騒動という本格ミステリではお馴染みのテーマを作者らしいエンタメに昇華させた作品と言えるだろう。
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posted at 23:15:30
御家騒動に纏わるホワイダニットに比重を置いた全四話構成の連作ミステリ。一応各話ごとに本格ミステリ的見所が用意されてはいるものの、あくまでそれらは「的」なもの――要素でしかなく、最終的には作者が得意とするコンゲームに収束していく点が面白い。
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posted at 23:14:23
円居挽「誰が死んでも同じこと」読了。一大コンツェルンの中枢・河帝商事の創業者一族が相次いで殺された。相続争いと思いきや、事は一筋縄ではいかないようで……。警察庁から派遣されたキャリア捜査官・十常寺迅は河帝商事の内部事情をよく知る秘書の灰原円と共に一族の暗部に踏み込んでいく。
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posted at 23:14:04
一方「白いカラス」は作者が得意としているコンゲーム的展開からの鮮やかな反転と共に明らかになるタイトルの意味が素晴らしい。そしてそのタイトルの意味がひいては燈馬と可奈の関係性をも浮き彫りにする結末には思わず胸が熱くなってしまった。総じて二編とも傑作と言っていいだろう。
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posted at 09:15:21
「海辺の目撃者」は殺人事件の目撃者から見た一人称視点という趣向の時点で何かあると思う人がいるかもしれないが、その上でアレ系とはまた違う盲点の突き方が秀逸。そしてそれ以上に見えているのに見えていないもう一つの盲点――大胆な死体の隠し場所が良かった。
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posted at 09:15:10
加藤元浩「Q.E.D.iff」8巻読了。瀬戸内海の小島で起きた殺人事件を目撃者から見た一人称視点で描く「海辺の目撃者」、燈馬と大喧嘩した可奈が単独で「故人の愛人と弁護士がお金を隠しているのでは?」と考えた遺族たちと共に弁護士を罠にかける計画を立てる「白いカラス」を収録。
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posted at 09:14:54