麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年10月31日(木)
その二編目「まちがえられなかった男」に限って言えば一見とりとめもなく語られていた人間関係と無差別連続殺人事件が繋がることで見えてくる強烈な悪意と皮肉なオチが○。とはいえあくまで作者のファン以外にはお勧めできない、悪い意味で作者らしさが出てしまった作品である。
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posted at 20:23:30
全体的にその特殊設定を活かすにはページ数が足りず、どちらかと言うとこの作者らしいグチャグチャに入り乱れたジェンダー設定とドン引きするセックス描写の方が印象に残る。むしろ一番出来が良いのがジェンダーやセックス、特殊設定が殆ど出てこない二編目なのは皮肉と言わざるを得ない。
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posted at 20:23:17
ある特殊設定が関わる五つの事件を描いた連作ミステリ。帯には「本年度の“特殊設定”ミステリー、ナンバー1!」と書かれているが、その特殊設定を巧く活用できているかと問われると正直微妙なところだろう。
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西澤保彦「沈黙の目撃者」読了。世話になった先輩の絞殺死体を前にして彼は首をひねる。なぜここにビールのロング缶とビアマグが置いてあるんだ? 先輩は確か下戸だったはずなのに――ビールグラス、マグカップ、タンブラー。見慣れぬコップに端を発する五つの不思議な事件とは?
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posted at 20:22:54
2019年10月27日(日)
加えて意外なところから明らかになる犯人の業と舞台設定がリンクし、神の裁きさながらの結末に辿り着く計算されたプロットには脱帽と言わざるを得ない。本作はサスペンスとパズラーの配分が絶妙な、全盛期クイーンらしい傑作である。
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posted at 17:57:34
だがそれ以上に秀逸なのは変則的とも言えるダイイング・メッセージの使い方であり、ダイイング・メッセージに様々な意味を持たせることで二転三転する展開もさることながら、一方で強烈なミスディレクションにもなっている点が素晴らしい。
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国名シリーズの一作。山火事のクローズド・サークルという異色の舞台設定がまず目を惹くが、ただ逃げられないだけではなく刻一刻と迫ってくる山火事が物語に適度に緊迫感を与えているのがいい。またこの状況を巧く手がかりに盛り込んでいるのも○。
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posted at 17:57:13
エラリー・クイーン「シャム双生児の秘密」再読了。山火事に追われたクイーン父子は山頂の一軒家に辿りつき、そこで不気味な一夜を過ごした。その翌日、火事の恐怖に輪をかけるように邸の主人が何者かの銃弾に倒れるという惨劇が起きる。死者の手には千切れたトランプのスペードの六が握られていた。
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posted at 17:56:57
2019年10月26日(土)
劇場版「Thunderbolt Fantasy 西幽玹歌」観了。二期に繋がる物語。最初は歌に違和感ありまくりだったのに終わってみれば「これじゃなきゃダメだ」に変わっているのが恐ろしいw スーパー残酷チャンバラ劇に後半は変身ヒーロー物のノリも加わり控えめに言って最高だった(あと釘宮皇女サマ超可愛い)。
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posted at 20:48:23
2019年10月24日(木)
この設定を巧みに活かしたという点では「双子は入れ替わる」が、狂気の石持節全開という点では「猪狩り」がベストだが、トリを飾る「靴と手袋」では設定を活かした意外な真相だけではなくW殺し屋兼探偵役にしっかり見せ場を用意しつつシリーズの今後に期待を持たせる結末になっているのが素晴らしい。
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posted at 21:07:44
殺し屋が日常の謎を解く連作ミステリシリーズの二作目。前作は設定の割りにそれほど突き抜けていない印象を受けたが、本作では一転、この設定を巧みに活かした意外な真相は勿論のこと、作者らしい狂気すら感じる歪んだ倫理感、更に新たな殺し屋もまた探偵役(!)として活躍するところが実に楽しい。
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posted at 21:07:36
石持浅海「殺し屋、続けてます。」読了。ビジネスとして殺しを請け負う男・富澤は今日も標的の奇妙な行動が気になる。何者かを待ち続ける女子大生、入れ替わる双子の店員、浮気相手の前で結婚指輪を見せつける男、殺害対象が死者という不可解な依頼、そして新たな殺し屋が出現して――。
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2019年10月23日(水)
天樹征丸/さとうふみや「金田一37歳の事件簿」5巻読了。京都美人華道家殺人事件完結。首切りの動機こそ平凡だが、リベンジポルノの使い方や犯人の手掛かり、そして首の隠し場所など全体的に漫画であることを活かした演出が秀逸な佳作だった(あと枯山水ならではの心理的トリックも○)。
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2019年10月22日(火)
「かの名作を〈本歌取り〉して、まさかこんな結末を着けるとは。本格ミステリは、なんて美しく共鳴し、響き続けるのだろう。」とは本作に寄せられた有栖川有栖の推薦文だが、本作はその言葉に偽りない本格の美しさを体現してみせた傑作である。
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posted at 14:04:45
その美しさと完成度を形成しているもので言えば、単純ながらもよく練られた殺人トリックと犯人を絞り込むロジックも秀逸だが、何より衝撃的なのは殺人の動機であり、それが丹念に描かれた複雑な人間パズルと相俟って犯行のロジックに凄まじい説得力を与えている。
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posted at 14:04:35
美人三姉妹が俳句の見立てによって次々と殺されていく「獄門島」を彷彿とさせる本格ミステリ。尤も探偵の捜査が主軸だった「獄門島」に対し、本作では警察の捜査がメインで探偵役が活躍するのはほぼ終盤という違いはあれど、本作が「獄門島」に匹敵する美しさと完成度を兼ね備えているのは間違いない。
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posted at 14:04:16
平石貴樹「潮首岬に郭公の鳴く」読了。函館で有名な岩倉家の美人三姉妹の三女が行方不明になった。海岸で見つかった遺留品の中には血糊のついた鷹のブロンズ像。やがて三女の遺体が見つかっても犯人の手掛かりはないまま事件は新たな展開をみせる。あたかも芭蕉の残した俳句になぞらえるように――。
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posted at 14:04:00
2019年10月17日(木)
感動は落差という言葉があるが本作こそそれに相応しい傑作と言っていいだろう。一方「メモリ」は作者が得意とするコンゲーム物で複雑な構図を漫画であることを活かしたドタバタ劇で分かりやすく見せつつも「Q.E.D.」らしい痛快かつしみじみとした結末が印象的。
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posted at 09:39:11
特筆すべきはやはり「1億円と旅する男」で記憶喪失の男が何者なのかという謎に過去に起きた殺人事件の顛末を絡めながら迫っていく展開は王道ながらそこからの二段構えの真相が実に悪魔的。1億円の意味もさることながら浦島太郎という誰もが知る御伽噺のエッセンスが真相を一層強烈なものにしている。
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posted at 09:38:59
加藤元浩「Q.E.D.iff ―証明終了―」14巻読了。徘徊しているところを保護された記憶喪失の老人は1億円を所持していた。はたして彼の正体は? 「1億円と旅する男」、燈馬の亡くなった研究仲間が遺したあるデータを巡って暗躍する各国と燈馬が騙し合いを繰り広げる「メモリ」の二編収録。
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posted at 09:38:43
2019年10月14日(月)
収録作のうち良かったものを挙げるとするなら、柄刀一「天地の魔鏡」と秋梨惟喬「鞍馬異聞――もろこし外伝」で、前者は大胆な犯行が、後者は歴史ミステリらしい首切りの動機が○。
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posted at 22:48:23
但し書き手によってキャラやコンセプトに明らかなズレがあり、最後に何とか辻褄を合わせようとしてはいるものの、それでも完全に違和感が拭いきれていないのが難。また大仰な設定のわりにミステリ的仕掛けとしてあまり巧く活かされているとは言い難いのも気になる。
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posted at 22:48:15
刀にセーラー服といういかにもな出で立ちの美少女が七つの時代を渡り歩く、一昔前のソノラマ文庫とかで出てそうな異色の歴史ミステリアンソロジー。執筆陣は芦辺拓、獅子宮敏彦、山田彩人、秋梨惟喬、高井忍、安萬純一、柄刀一で、これまでに歴史ミステリを手掛けたことのある作家が大半を占めている。
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posted at 22:48:06
芦辺拓編著「ヤオと七つの時空の謎」読了。歴史を映す〈鏡〉が崩壊した時、世界は狂い始めた。ただ一人異変を免れた本好きの少女ヤオは飛び散った〈鏡〉のかけらを集め平穏を取り戻すべく時空の旅に出発する。飛鳥、平安、鎌倉、戦国、江戸、明治……様々な時代を巡ってヤオが遭遇する七つの謎とは?
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posted at 22:47:52
2019年10月11日(金)
欲を言えばなぜ二重生活を送ることになったのか、もっと被害者のキャラを掘り下げてほしかったが、奇妙なシチェーションを活かした論理パズルという点では極めて高いレベルで成功している傑作である。
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posted at 15:53:36
尤も決定的な手掛かりがかなり後半にならないと出てこないのには若干不満はあるものの、そこから緻密なロジックによって犯人の条件が次々と判明していく展開はやはり圧巻であり、特にロジックによって反転する犯人像とある証拠品に纏わる伏線が素晴らしい。
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posted at 15:53:25
二重生活を送っていた男が殺された事件を巡る、読者への挑戦付きのフーダニット物。殺人事件は一件のみとはいえ、二重生活を送っていた男が「どちらの人格として殺されたのか?」という謎は魅力的だしクイーン作品ではお馴染みの裁判パートを盛り込みつつ二転三転するプロットは実に読み応えがある。
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posted at 15:53:12
エラリー・クイーン「中途の家」読了。弁護士ビル・エンジェルがその家で見たものは胸を刺されて死にかけた義弟ジョゼフの無残な姿だった。それから間もなく被害者がニューヨークとフィラデルフィアにそれぞれの妻を持つ重婚者だったことが明らかになる。果たして彼はどちらの人格として殺されたのか?
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posted at 15:52:43