麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年12月30日(月)
「ヘレデイタリー継承」観了。死んだ祖母が家族に遺したものは一体何なのか? 予備知識なしに観た方が楽しめる作品で純然たるホラーではあるものの○○テーマのミステリとしても評価することはできるだろう。ちなみに終盤の怒濤の展開には変な笑いが出たw
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2019年12月28日(土)
その一方で物語のテーマとして描かれるのは家族、友人など身の回りの人間との関係性であり、それらが事件の展開と有機的に繋がっているのも○。エピローグでのちょっとした伏線回収と結末も巧く、総じて良い学園ミステリの見本とも言える作品である。
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また本作は何気にどんでん返しがかなり盛り込まれており、中には想定内のものもあるが最終的に提示される真相は「そこを伏線として持ってくるのか!」という驚きに満ちたものになっている。
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『バッドエンドを探せ』と題された謎のノベルゲームを巡る学園ミステリ。序盤こそゆるふわ学園物的なノリだったのが問題のノベルゲームをプレイするようになるにつれ一転して不穏な雰囲気が濃厚になるそのギャップ感と、次々と明らかにされていく登場人物たちに隠された意外な事実がいい。
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三田千恵「天才少女Aと告白するノベルゲーム」読了。大好きなフリーゲーム制作者Aに会うため桜山学園ゲーム制作部に入った水谷湊。しかしAと思われる部長の菖蒲は不登校になっていた。落胆する湊のもとに菖蒲と部員のトラブルが綴られたノベルゲームが送られてくる。一体誰が、何のために?
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2019年12月25日(水)
トリックらしいトリックこそないものの、細部まで計算されたプロットとジュブナイル物らしい生き生きとしたキャラクター、そして本格ミステリとしての意外性が渾然一体となった佳作と言っていいだろう。
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タイムリミットが近づくにつれ事態が収束するどころかより混迷を極めていくハラハラドキドキ感もさることながら、本作が特に秀逸なのは何と言っても被害者が殺された動機と犯人の決め手となる伏線がこれ以上ないくらい密接に繋がっている点であり、更にその効果を高めている終盤の展開も実に巧い。
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「おちこぼれ探偵塾」「ハムレットの内申書」と同じく、かつてソノラマ文庫から出ていたジュブナイルミステリ。前二作と比べるとプロットに無駄がなく、加えて四日間のうちに潔白を証明しないと甲子園出場辞退が決まってしまうというタイムリミットサスペンス要素が物語を大いに盛り上げてくれる。
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深谷忠記「甲子園殺人事件」読了。倉田高校二年・桂木葉子の父親は24年前エースとして甲子園に出場。そして今、母校の監督として再びその土を踏もうとしていた。だが野球部員が暴行事件に巻き込まれ、出場停止の瀬戸際に。葉子は真相究明に乗り出したが、その矢先、事件の鍵を握る男が殺されて――。
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2019年12月24日(火)
そしてそう書くと今回はこういうパターンの話かなと予想する人もいるかもしれないが、恐らくその予想はいい意味で裏切られることだろう。本作の仕掛けは前作同様、ミステリのお約束を逆手に取ったものであり、シリーズ読者でミステリ好きならば、してやられた感と同時に思わず笑ってしまうに違いない。
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死相学探偵シリーズの七作目。今回は超能力研究所で起こる連続死事件の謎に加えて、遂に一連の事件の黒幕である黒術師の右腕と対決するという、シリーズもいよいよ佳境に入ったことを予感させる趣向も用意されている。
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三津田信三「九孔の罠」読了。超能力者を極秘で養成するダークマター研究所の「年長組」の一人・沙紅螺が帰宅中、不気味な黒い影に追われる事件が発生。依頼を受けた俊一郎は黒術師に唆された研究所関係者の仕業と考え黒捜課の曲矢刑事らと警戒態勢を敷くが、それを嘲笑うかのように第一の犠牲者が――。
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2019年12月22日(日)
ミステリとしてみると事件の真相よりもある人物に隠された秘密の方がびっくりさせられるものの、終盤の二転三転するサスペンス展開は○。またハムレットである必要性がそれほどないのがやや気になるが、読んでいる間の楽しさで言えば間違いなく前作よりも上だろう。
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「おちこぼれ探偵塾」に続くジュブナイルミステリシリーズの二作目。前作よりも事件の見せ方がこなれており、次々と起こる連続殺人の被害者たちを繋ぐミッシング・リンクと怪文書の謎に加えて青春小説らしいイベントをそこかしこに盛り込むことでエンタメ性もぐっと上がっているのがいい。
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深谷忠記「ハムレットの内申書」読了。河端中学の女番長サミーこと寺尾沙美が絞殺され、その二日後にサミーの暴走族仲間の串野も撲殺された。串野と殺される直前まで一緒だった丹羽学園の山崎は危うく犯人にされそうになる。更に市民文化祭で行われた『ハムレット』の舞台でも事件が起きて――。
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2019年12月21日(土)
一方ミステリとしてみると冒頭の密室からの消失は魅力的だが、必然性に乏しいのが難。また犯人こそ意外性はあるが伏線はというとどうとでも取れるものが多く、更に決定的な証拠に至っては後出しなのが気になる。とはいえジュブナイル物だからと手を抜いている感じが一切しないのは好印象な作品である。
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かつてソノラマ文庫から出ていた、作者のジュブナイルミステリシリーズの一作目。偏差値殺人事件というサブタイトルからも分かるように本作もまた作者の初期作に多く見られる加熱する受験戦争をテーマにしており、それを踏まえた動機はとてもジュブナイル物とは思えない生々しさが感じられる。
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深谷忠記「おちこぼれ探偵塾 偏差値殺人事件」読了。丹羽学園高校の入試試験の最中、密室状態のトイレから一人の受験生が消失。数か月後に山中の崖下から白骨死体となって発見される。自殺か、他殺か? 更に事件は連続殺人の様相を示し、おちこぼれ塾に通う三人娘は否応なしに巻き込まれていく。
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2019年12月20日(金)
惜しむらくは最後の真相を成立させるためのある関係性がやや描写不足な点であり、もう少しページ数を増やしてそこを丁寧に掘り下げればもっと良くなったのではないだろうか。次点は「ユリエの本格ミステリ講座」で、真相そのものよりも作者のミステリ手法が窺える感じが興味深い一編である。
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posted at 21:45:24
腕貫探偵シリーズの一作。といっても腕貫探偵本人が登場するのは四編目「ユリエの本格ミステリ講座」だけだったりする。ベストを挙げるなら表題作であり、何が謎なのかいまいちはっきりしない展開が続いたかと思えば最後になっていきなりぶちまけられるこの作者らしいどす黒い真相がなかなかに衝撃的。
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西澤保彦「逢魔が刻 腕貫探偵リブート」読了。美貌の女子大生・住吉ユリエは同級生の小泊瀬海人から「親族が関わった殺人事件を題材にミステリ小説を書いてみたい」と相談され、大乗り気でストーリー作りに着手するが――「ユリエの本格ミステリ講座」を含む四編を収録。
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2019年12月15日(日)
「トールマン」観了。子取り鬼“トールマン”の正体とは? 序盤はホラー的雰囲気が濃厚だが、中盤の見方が反転する仕掛けや真相は正にミステリそのもの(実際、監督のパスカル・ロジェもそう言っている)。ただ本作をホラーと思ってみた人の大半はこの真相に戸惑うと思うw
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posted at 21:45:16
「屍人荘の殺人」観了。本格ミステリの映像作品としてみると出来はかなりいい。伏線はちゃんと絵として印象に残るようにしてるし原作の冗長な部分を端折りつつ冒頭の盗難事件のようなオリジナル要素で名探偵ぶりを補強しているのが○。所々感じる安っぽさとギャグは好みが分かれるが概ね良作だと思う。
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2019年12月13日(金)
特にある人物の正体に関しては分かっていても衝撃的で、更にそれを隠れ蓑にしただけではなくメタ的仕掛けまで盛り込んだ二段構えの真相には少なからず驚かされることだろう。くれぐれも途中でありふれた物語と見限ることなく最後まで読んでほしい佳作である。
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尤も「愚者の毒」と比べると本作の途中までの展開はありきたりと思う人もいるだろう。しかしながら、そのありきたりな部分があるからこそ、終盤の予想を裏切る怒濤の展開が際立ち、登場人物たちの裏の顔をくっきりと浮き彫りにする。
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posted at 00:33:59
連続猟奇殺人と家族の物語がリンクする長編ミステリ。以前にも作者は似た趣向の「聖者が街にやって来た」という作品を書いているが、本作はそれに加えて「愚者の毒」同様、登場人物たちの裏と表を実に効果的に描いているのが興味深い。
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posted at 00:33:49
宇佐美まこと「黒鳥の湖」読了。世間を騒がす、拉致した女性の体の一部を家族に送り付け楽しむ殺人者の手口に不動産会社社長・財前彰太は既視感を覚える。それから間もなくして一人娘の美華の様子がおかしくなり、彼は否応なしに自らが過去に犯した罪と向き合うことになる――。
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2019年12月11日(水)
次点は本作のトリを飾る書き下ろしの「言霊の亡霊」で、収録作中最もトリッキーな構成でかつ、この作者らしい仕掛けが炸裂した好編であると共に「はだしの親父」の良い対比として見ることもできるだろう。とまれ、本作が久々に作者の本領が発揮されている良作なのは間違いない。
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ベストをあげるなら一編目の「はだしの親父」で、メインの謎以外にも兄や弟の思い出話の中に父に纏わる幾つかの謎を散りばめ、それを有機的に結びつけることで主人公の知らなかった亡き父の人間像を描ききっている点が実に秀逸。
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posted at 23:27:10
家族に纏わる謎をテーマにした短編集。一応断っておくと作者の過去作である「嘘つきパズル」とは何の関連性もなかったりする(爆)。基本的には全編、謎が解かれることで見えてくる家族愛が見所であり、中には真相が途中で読めるものもあるが、それでも一貫して心温まる物語に仕上げている点がいい。
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posted at 23:26:43
黒田研二「家族パズル」読了。父が亡くなる直前に雨降る病院の庭を靴を脱ぎ歩いた理由、殺人者として逮捕された優しきホームレス、借金を母を騙して父の形見である絵画を狙う青年、迷い犬に隠された謎、ずっと男を苦しめた母の一言と記憶の違和感。謎を解くことで家族の本当の姿が見えてくる五編収録。
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posted at 23:26:15