麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年12月09日(月)
そして終盤あえて犯人をぼかし読者に考えさせる余地を与えることで犯人とそれに関わるある人物の悲哀を描いている点もいい。本作は社会派テーマを巧くプロットに落とし込んだ良作である。
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第25回江戸川乱歩賞受賞作「プラハからの道化たち」に続く長編ミステリ。本作をミステリとしてみた場合、事件の構図はそこまで意外性はないだろう、どちらかというと外務省の病理とそれに付随する動機こそがメインであり、そこを際立たせるための人間ドラマ部分が実に秀逸。
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高柳芳夫「影を裁く日」読了。東京サミットが終了した晩、ホテル・ニューオークラのパーティー会場から朝倉外務省欧州局長の姿が消え、ほどなくして中庭にある滝つぼから他殺体となって発見された。彼が残したと思われる新聞の切り抜きがやがて、悲しい権力による悲劇を浮き彫りにしていく――。
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2019年12月07日(土)
とはいえ一部でオエッとなる(読めば分かる)殺害トリックや解説でも指摘されているいつもとは異なる手掛かりの配置など見るべきところも多く、何より一作だけとは言わず続きが読みたいと思わせてくれる作品である。
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posted at 11:39:16
しかしながら最初の二つの事件に関してはさすがに結びつけ方が強引で必然性に乏しいと言わざるを得ないし、作者の作品を読み慣れているとストーリー展開が最終的にいつものパターンになってしまっているのも気になる。
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posted at 11:39:02
また扱う事件も荒川河川敷に遺棄されていた性転換者の変死体と三人のテロリストによる大阪刑務所ジャック事件という不可解かつ一見何の繋がりもなさそうな二つの謎で読者の興味を惹き付けつつ、更にそこに密室殺人の謎も加わるという大盤振る舞いを見せてくれるのだから堪らない。
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posted at 11:38:44
安楽椅子探偵物と警察小説を融合させた意欲的な作品。作者は過去にホラー要素を盛り込むことで警察小説に新たなバリエーションを与えようとしたが、本作では一転、警察小説にその対極とも言える安楽椅子探偵形式を導入、そのために生み出されたタイトルにもある〈ドラキュラ分室〉という設定が面白い。
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吉田恭教「捜査一課ドラキュラ分室 大阪刑務所襲撃計画」読了。荒川河川敷に遺棄されていた性転換者の変死体と三人のテロリストによる大阪刑務所ジャック事件。なぜ彼らは大阪刑務所を選んだのか? 奇病を発症して日光に当たれなくなったキャリア警視・堂安一花と新任刑事の舟木亮太が捜査に乗り出す。
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2019年12月05日(木)
個人的に気に入ったものでいえば夕暮れどきの公園に潜む魔と少女の危うい魅力を描いた「公園」、奇妙な犬との死闘が後に親子の悲哀を際立たせる「父と娘」、過去と現在が交錯する幻想と郷愁の物語「旅の男」あたりだろうか。とまれ、本作は文体さえ合うならその仄暗い魅力にどっぷり浸れる作品である。
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ベルギーを代表する幻想派作家による怪奇幻想短編集。収録された十四編はきちんとオチがついているものから何が何だかよくわからないものまで様々だが、いずれも共通しているのは不気味な雰囲気を作り上げる語りの妙だろう。
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トーマス・オーウェン「黒い玉」読了。夕暮れどきの宿で彼がつけた明かりに驚いたかのように椅子の下へ跳び込んだ〈黒い玉〉。その正体を探ろうと、そこを覗き込んだ彼を待ち受けるのは底知れぬ恐怖とおぞましい運命だった――。ありふれた日常に潜む深い闇。怖い話、気味の悪い話など14の物語を収録。
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2019年12月04日(水)
ただその反面、収録作の幾つかはプロットをこねくり回し過ぎて短編の切れ味が鈍くなってしまっているのが気になる。収録作で個人的に気に入ったのはこの作者にしては珍しい幻想ホラー風味の「だまし舟」、「ノックス・マシン」を思わせる名探偵テーマにSF要素を絡めた「迷探偵誕生」あたりだろうか。
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作者が偏愛する名作九編を基にしたオマージュ短編集。帯には「研ぎ澄まされたロジック」とあるが本格ミステリというより捻りの効いた広義のミステリ作品集であり、各編の最後に挿入される作者のあとがきもとい詳細な解説によって元ネタに対する興味が湧いてくる作りになっているのが何とも心憎い。
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posted at 19:34:21
法月綸太郎「赤い部屋異聞」読了。日常に退屈した者が集い、世に秘められた珍奇な話や猟奇譚を披露する「赤い部屋」。そこで新会員のT氏が語る殺人遊戯の内容と彼を待ち受ける仰天の結末とは? 表題作ほか、決して最後まで読めない本”の怪異譚「だまし舟」などマニアであれば二度おいしい全九編収録。
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posted at 19:34:07
マツキタツヤ/宇佐崎しろ「アクタージュ act-age」9巻読了。役者としての千世子の焦りや夜凪の封印されし過去がこれまでの展開と絶妙に結び付いて舞台本番に向けて盛り上がっていく感じが堪らない。言うならば前夜祭特有の高揚感に満ちており、次巻への布石としては申し分ないだろう。
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2019年12月01日(日)
「ドクター・スリープ」観了。「シャイニング」の続編。150分を超える長尺にも拘わらず長いとは感じさせないストーリー展開がまず秀逸。そして何よりあの館を登場させた豪腕ぶりに痺れた。また異能バトルにさりげなく社会派要素を溶け込ませている点も巧く、続編として申し分ない出来と言えるだろう。
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posted at 22:53:34