麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年02月24日(水)
ソウマトウ「黒―kuro―」全3巻読了。好みドストライクだった。不穏と平穏が絶妙なバランスで同居する日常を描きつつ、徐々にそのバランスが崩れていく過程を世界観やヒロインの過去に纏わる謎解きと共に黒と白を巧みに使って表現してみせる点が実に秀逸。後の「シャドーハウス」を彷彿とさせる偏愛作。
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2021年02月23日(火)
そんな中、数少ないどんでん返しが決まっているものを挙げるなら青崎有吾、乾くるみ、大山誠一郎、伽古屋圭市、呉勝浩、曽根圭介、田丸雅智、長岡弘樹で、特に青崎有吾「your name」はショートショートでもきっちり本格ミステリを成立させている点が○。
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posted at 21:49:55
小説誌「STORY BOX」の人気企画をオリジナル文庫化したショートショート集。幅広いジャンルの作家が参加しているのは○だが、ショートショートとなるとやはり普段書いているものとは勝手が違うのか微妙な出来のものが多く、中にはどんでん返しですらないものも見受けられるのが残念。
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白井智之、曽根圭介、蘇部健一、日明恩、田丸雅智、辻真先、長岡弘樹、夏川草介、西澤保彦、似鳥鶏、法月綸太郎、葉真中顕、東川篤哉、深緑野分、柳広司、米澤穂信(五十音順)
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小学館文庫編集部編「超短編! 大どんでん返し」読了。2000字、原稿用紙5枚分の“超”短編小説で、“大どんでん返し”に挑んだ30編収録。
【執筆陣】
青崎有吾、青柳碧人、乾くるみ、井上真偽、上田早夕里、大山誠一郎、乙一、恩田陸、伽古屋圭市、門井慶喜、北村薫、呉勝浩、下村敦史、翔田寛、
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とはいえ最後に明かされる真相に至るまでに絡み合った様々な人間の思惑を論理で丁寧に解き明かしていくのはなかなか至難の業であり、そういった技巧面から見れば本作は力作と呼ぶべき作品である。
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しかしながら最後の最後にあるとんでもない手掛かりから明らかになる事件の構図はあっと驚くものがあり、その点を踏まえると本作がこういう展開になるのは致し方ない部分もあるものの、だからといってこれを許容できるかどうかは人によって大いに賛否が分かれるところだろう。
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「或るエジプト十字架の謎」に続く柄刀版国名シリーズ第二弾。短編集だった前作に対し長編となった本作は物語の大半を舞台となる一族の奇妙な因習と複雑な人間関係、そして他殺か自殺か判然としない事件及び過去に起こった事件を描くことに費やしており、正直展開としては退屈と言わざるを得ない。
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柄刀一「或るギリシア棺の謎」読了。南美希風とエリザベス・キッドリッジにとって縁の深い篤志家の安堂朱海の訃報が届いた。高齢で長く闘病していた彼女だったが自殺もしくは他殺の疑いが浮上する。安堂家を訪れた美希風たちはそこで奇妙な因習と複雑な人間関係、そして未解決の悲劇の存在を知る。
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2021年02月22日(月)
尤も最初の密室トリックに関しては正直肩透かし感が否めないかもしれないが、続く第二の密室トリックの方はメインだけあってだいぶ力が入れられており、あるものがそれを解く大胆な手掛かりになっている点もさることながら、さりげなく示されたこのトリックが可能な人物の伏線が素晴らしい。
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そしてそれにプロットの面白さが加わり、読者をぐいぐいと惹き付けてからダメ出しとばかりにある特殊な密室殺人を起こして、読者を更なる謎の中へ放り出す手腕は新人離れした老獪さすら感じさせるだろう。
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第13回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。本作でまず目を牽くのはタイトルにもある報復のために用意されたある大胆な着想に基づく罠であり、これを思い付いた時点でこの作者がただ者ではないことがよく分かる。
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平野俊彦「報復の密室」読了。薬学部教授・大日方敏夫の最愛の娘・千佳が大学のキャンバス内の密室で自殺に見せかけた首吊り死体で発見された。大日方は千佳の交際相手に疑いを持ち、その人物が本格ミステリーの新人賞に応募しているらしいという数少ない手掛かりから、ある罠に嵌めることを思い付く。
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2021年02月21日(日)
麻耶雄嵩「紅葉の錦」はお馴染みの木更津物で犯人当てと被害者当てを同時に行う趣向の面白さと、きちんとそれをやる必然性のあるロジックが用意されているのがいい。白井智之「尻の青い死体」は出だしこそいつもの白井だがネタそのものは早坂吝を彷彿とさせるもので、捻りのあるエロジックとオチが○。
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その後半三編のうち、法月綸太郎「心理的瑕疵あり」は探偵役である法月綸太郎の「子供部屋おじさん」発言(!)も衝撃的ながら、それ以上に短編の巧さが凝縮されたような内容が秀逸で、心霊アパートの噂から始まる話の転がし方とシンプルなロジックから導き出される捻られた構図が素晴らしい。
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「あなたが名探偵」に続く犯人当て小説アンソロジー第二弾。今回の執筆陣は市川憂人、米澤穂信、東川篤哉、麻耶雄嵩、法月綸太郎、白井智之(収録順)といった顔触れで、個人的には前半三編よりも後半三編の方が出来が良いと感じた。
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市川憂人他「あなたも名探偵」読了。雪の小屋で見付かった死体、当たりの揚げパンを食べた人物が名乗り出ない謎、アリバイのある容疑者たち、被害者不明の犯人探し、事故物件の首吊り死体、ホラー映画撮影ロケで起きた殺人事件……六人の推理作家からの挑戦状は、たった一行──犯人は誰か?
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2021年02月20日(土)
もっとも第二の事件に関しては長編としての尺稼ぎのために無理やり組み込んだような印象がなきにしもあらずだが、それを差し引いてもミステリと物語の融合という点では前作以上に磨きがかかった秀作である。
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むしろ本作で見るべきところは前作でも見られたこの時代ならではの動機や史実を活かした事件の構図、それに随所に盛り込まれた時代物らしいエンタメ展開に隠された伏線の妙であり、それらを積み重ねることで結末の諸行無常感をより引き立てている様が実に秀逸。
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作者の二作目であると共にデビュー作「刀と傘 明治京洛推理帖」で探偵役を務めた尾張藩士・鹿野師光が再び活躍する初の長編時代ミステリ。本作の内容紹介を見ると不可能犯罪を売りにしてはいるものの、そこに期待すると些か肩透かしを覚えるかもしれない。
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伊吹亜門「雨と短銃」読了。慶応元年、薩摩藩士が稲荷神社の境内で長州藩士を斬り付けた後、逃げ場のない鳥居道から忽然と姿を眩ませる事件が起こった。このままでは薩長の協約協議の決裂は必定、憂慮した坂本龍馬の依頼を受けて尾張藩士・鹿野師光が単身捜査に乗り出すが、やがて第二の事件が――。
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2021年02月18日(木)
尤も仕掛けとしてみれば定番のものであるためミステリを読み慣れた読者であれば途中で分かってしまう可能性も充分に考えられるが、たとえ分かったとしてもホラー好きならこの悪趣味な使い方に思わずニヤリとしてしまうことだろう。本作は良い意味で悪趣味な仕掛けが楽しいホラーミステリの佳作である。
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第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作。物語自体は因習の残る村の儀式を巡るオーソドックスなホラーながら、特筆すべきは何といっても本作に凝らされた二つのミステリ的仕掛けであり、それらが明かされることで本作のホラー部分をより際立たせる構成になっている点がまず秀逸。
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阿泉来堂「ナキメサマ」読了。高校時代の初恋の相手・小夜子のルームメイトから音信不通になった小夜子を一緒に探して欲しいと言われ僕は彼女の故郷、北海道・稲守村に向かう。だが彼女とは会えず、暫く村に滞在することになった直後に村を徘徊する異様な人影と無惨に破壊された死体が発見されて……。
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2021年02月17日(水)
一方「学園祭組曲」はタイトルやシチュエーションからシリーズの傑作エピソードの一つ「学園祭狂騒曲」を彷彿とさせるが「学園祭狂騒曲」と比べると気になる点が多く、いまいち纏まりに欠けるのが難。とはいえ一つの事件だけに絞れば隠蔽の仕方に見るべきところがある作品である。
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「精霊の家」は密室殺人のハウダニットよりもホワイダニットがメインであり、派手な事件にある事実を巧みに隠蔽してみせた点もさることながら、それ以上に現場から消えていたあるものを使って犯人を追い詰めてみせた手腕と、タイトルにある精霊とは何かをそれとなく示した不穏な幕引きが○。
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加藤元浩「Q.E.D.iff ―証明終了―」18巻読了。精霊が家に災いをなす者を殺すという伝説がある家で先代当主の遺言状が開封された直後、密室殺人が起きる「精霊の家」、文化祭に向けての準備が進む中、剣道部の喫茶店が荒らされるなど不可解な事件が続発する「学園祭組曲」の二編収録。
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2021年02月16日(火)
また連作形式を活かした仕掛けと社会派要素のある動機を扱った四編目は近年の〈仲田・真壁コンビ〉シリーズの影響が窺えるだろう。本作はタイトルにある通り「ぼくの初恋が消えるまで」の課程を主人公の成長と共に描いた特殊設定青春ミステリの良作である。
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いじめに遭っているクラスメイトが殺害しようとしている相手を探すこの話は主人公が被害者候補を絞り込んでいく課程そのものを巧くミスディレクションとして使いつつ、意外性のある歪んだ悪意を描いた点が実に秀逸。
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もっと言えばミステリーランドの黒さを強調したあの系譜を彷彿とさせるため、それらの作品が好きだった人には堪らないものがあるだろう。収録作はいずれも主人公の性格と幽霊という特殊設定を活かした本格ミステリに仕上がっており、ベストを挙げるなら一種の被害者当てと言うべき二編目になる。
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通り魔に殺されて幽霊となった初恋の人と主人公の奇妙な共同生活を彼らが遭遇した幾つかの事件を通して描いた連作ミステリ。主人公が小学生の時から物語が始まることもあって本作の雰囲気はどことなくかつて講談社から出版されていたジュブナイルレーベル・講談社ミステリーランドに近いものがある。
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天祢涼「Ghost ぼくの初恋が消えるまで」読了。小学生の生方理人の下へ現れたのは、連続通り魔殺人の犠牲者となった初恋の人――六歳年上の幼なじみ・四条いのり。幽霊となった彼女は犯人の顔を目撃しており、連続殺人犯の逮捕への協力をただ一人、彼女が視える理人に求めたのだった。
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