麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2021年11月30日(火)
次点は誰も亡くなっていないのに出された喪中はがきの謎を扱った第五話で、謎の面白さもさることながら真相も盲点をついていていい。話の展開が些か型にはまりすぎたきらいはあるが、この手のミステリが好きな人なら間違いなく楽しめる良作である。
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一方ミステリとしてみても各編謎が凝っており、たとえ真相が微妙だったとしても伏線の張り方が巧いのでそれほどガッカリした気分にならないのがいい。ベストを挙げるならアレルギーの原因となったナッツがどこから現れたのか、その謎を巡る第二話でクリスティっぽい仕掛けと微笑ましくなる後味が○。
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荻窪のカフェを舞台に出版業界のミステリ愛好家達が黒後家形式で事件の謎を解き明かす連作ミステリ。肩の力を抜いて楽しめるというコンセプト通り一編一編が短くさくっと纏められており雰囲気は全体的にユーモラス、いい意味で軽い文体と各編に添えられたあとがきも雰囲気作りに一役買っていて好印象。
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posted at 11:27:26
笛吹太郎「コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎」読了。昨日行った居酒屋が消えた?引き出しのお金が四万七千円も増えていた?誰も死んでいないのに姉が四方八方に喪中はがきを送りつけていた?ミステリ談義の集まりにゲストをお呼びして毎回カフェでゆるゆると行う推理合戦の行方やいかに?
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2021年11月29日(月)
「ルチオ・フルチのザ・サイキック」観了。殺人の光景を幻視した女性を襲う恐怖。一言でいえばフルチ版サスペリアPart2。フルチらしい残虐性と外連味たっぷりのOPから掴みはバッチリ、中盤の構図の反転から怒涛の伏線回収とどんでん返しで一気に最後まで魅せる手腕はフルチの裏ベストと呼ぶに相応しい
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「女の秘めごと」観了。保険金目当てに妻を殺害した疑いをかけられた医者の前に現れた妻と酷似した女の正体は? フルチらしからぬムーディーな演出と整合性のとれたシナリオ、そして後半は一転タイムリミットサスペンスとなり良い対比のオチに着地するという日本未公開だったのが不思議な隠れた良作。
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2021年11月27日(土)
仕掛けのためにリーダビリティーを犠牲にしている点も否めないが、それを差し引いても読む価値がある佳作なのは間違いなく、同時に作者には色々な意味でお疲れ様でしたと言いたくなる作品である。
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ただ一方でシリーズ読者としてはこのシリーズらしからぬ展開がやや気になるかもしれないが、それも最後まで読めば「倉西美波最後の事件」というサブタイトルの意味と共にようやく溜飲が下がることだろう。
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尤も事件の謎を解くキーワードとして西澤保彦作品を彷彿とさせるある要素が早い段階で提示されているのだが、それでもなかなか見極めることができないのはひとえに二つの大きなミスディレクションもとい仕掛けが盛り込まれているからであり、それらを破綻なく纏めあげた点は流石の一言に尽きる。
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そして肝心のその内容だが、言うなれば学園を舞台にしたホワットダニットであり、読者は主人公の美波と共に何が起こっているのかを見極めるべくメールやLINE、別視点で描かれる曖昧模糊とした物語を一つ一つ解していくことになる。
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「天使が開けた密室」から続く美波の事件簿シリーズの主人公・倉西美波が大人になって登場する長編ミステリ。谷原秋桜子が愛川晶の別名義だったのは今となっては周知の事実だが、今回久々にシリーズ長編が出るにあたり愛川晶だけでなく谷原秋桜子との連名で発表されたことを一ファンとして嬉しく思う。
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谷原秋桜子・愛川晶「教え子殺し 倉西美波最後の事件」読了。学園では何が起きていたのか。殺害「自白」メール、教師・生徒たちの昏い過去、復讐、そして新たな悲劇。過去に様々な事件に巻き込まれたことのある倉西美波が母校の教師として遭遇した最後の事件は誰も予想できなかった「結末」を迎える。
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2021年11月26日(金)
後者でいえば第二話「名探偵、金庫破りの謎に挑む」と第四話「名探偵、溝ノ口を旅立つ」で、第二話はちょっとした発想の転換のアリバイトリックが、第四話は身近な小道具を活かした密室トリックが○。あと欲をいえばシリーズ最終巻の締め方がワンパターン過ぎるのをそろそろ何とかしてほしい。
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探偵少女アリサシリーズの三作目にして最終巻。収録された四編は基本的に犯人はバレバレでどうやって犯行を成立させたかに重点が置かれており、そこに盛り込まれたネタに関しては小粒ながら、微妙すぎて脱力するものとそれなりに捻っているものが半々といった印象。
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東川篤哉「探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線」読了。雪の別荘で遭遇した密室殺人、金庫破りのアリバイ、曲がり角で消えた小学生、そして溝ノ口で再び遭遇する密室殺人……溝ノ口&南武線を舞台に天才美少女探偵とヘタレ三十路男の凸凹コンビが難事件を解決する連作ミステリシリーズ完結編。
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2021年11月24日(水)
「花園の悪魔」は現場から持ち去られたものから犯人の正体に迫る推理は○だがアンフェアな後半の展開が難。「蠟美人」と表題作は共にある伏線が終盤で巧く決まっているところが秀逸ながらロジカルという点で表題作がベストか。あと「蠟美人」は「生ける死仮面」の同工異曲感があるのも興味深かった。
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金田一耕助物の作品集。収録作四編はいずれも猟奇色強めの事件を扱っているが表題作を除く三編になぜか共通してネクロフィリア要素があるのが印象的。「生ける死仮面」は収録作中最も「一体何を読まされてるのか」という先が読めない展開が面白かった反面、真相は存外まともで物足りなさを覚える。
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posted at 22:32:11
横溝正史「首」読了。三百年前の事件を真似たかのような凄惨な首切り殺人が二度繰り返される表題作ほか、復原した白骨死体の主が作家殺しの女優だったことで巻き起こる騒動「蠟美人」、花壇に横たわる全裸美女の他殺体の謎「花園の悪魔」、美少年の腐乱死体を巡り二転三転する「生ける死仮面」を収録。
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2021年11月20日(土)
とはいえ、たとえ途中で読めてしまっても倒叙パートを交えて語られる真相の悪趣味っぷりはなかなかのものであり、静かで長閑な田舎町に隠されたドロドロの暗部が好きな読者なら安心して勧められる作品である。
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また最後に明かされるある仕掛けにしても特に必然性はなく、正直なくても良かったのではないかと思わなくはないが、本作の姉妹編である同作者のゲーム「The Good Life」を知っているとそれなりに引っ掛かる可能性もあるため、ちょっとしたお遊び程度に考えるべきだろう。
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ゲームクリエイターとして知られる作者が初めて書いた長編ミステリ。語り口は翻訳物に近く、舞台であるイングランドの田舎町とよく合っている反面、ミステリとしてみると設定から概ね真相が透けて見えてしまうのが難。
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SWERY(末弘秀孝)「ディア・アンビバレンス 口髭と〈魔女〉と吊られた遺体」読了。イングランドの田舎町で全身の毛が剃られ、内臓が全て取り去られた少女の死体が楡の木に逆さ吊りにされるという事件が発生。ロンドンから左遷されてきた刑事エミリーと、地元の小さな口髭の紳士ポコの謎解きが始まる。
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2021年11月14日(日)
「マリグナント 狂暴な悪夢」観了。80年代ホラーをリスペクトしつつ観客に息をつかせる間を与えないショックシーンの連続とガンカタばりのスタイリッシュアクションを取り入れることで今風のエンタメに昇華させた傑作。またホラーである一方でソウの監督らしい大胆不敵な真相はミステリとしても○。
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2021年11月13日(土)
一方、驚異的な知能と身体能力を持つ「ポスト・ヒューマン」を巡る物語に関しても前半の壮大なプロローグという印象から一転、後半は刑事ドラマ感を狙い過ぎたのかやたらとこぢんまりしてしまっているのが気になる。とはいえ謎をちりばめた展開自体は面白いので次の映画公開を待ちたい。
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「攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争」観了。話が投げっぱなしなのはさておき前半のアクション多めの傭兵パートでは3Dモデルがそこまで違和感なかった反面、後半の日本での捜査パートでは違和感が半端なく特に田舎の光景は人工的な3Dモデルとの乖離がひどい。あと新キャラも攻殻世界から浮いてる気が。
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2021年11月11日(木)
一体なぜ〈天命評議会〉が解散したのか、その理由が直接語られないまま始まる文化祭の楽しげな描写と所々に挟まれる世界の現状がまた不穏さを加速させる。そして主人公・深春の決断と共に遂に訪れる終わりの始まり――作者があとがきで佳境というこの物語がどう終わるのか最後までしっかりと見届けたい。
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どんな「お願い」でも叶えられる少女・葉群日和と主人公によるセカイ系ラブストーリーシリーズの四作目。前回は日和が既に戻れないところまで来ていることを分からせるために〈天命評議会〉を一時的に抜けたのに対し今回は〈天命評議会〉そのものが解散したことで否応なしに不穏さを感じてしまう。
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岬鷺宮「日和ちゃんのお願いは絶対4」読了。日和が消えてから数か月。世界が壊れてしまって混沌への道を辿っているなか準備を始めた文化祭。それは失われる「日常」を守ろうとする深春たちの、精一杯の抵抗だった。そして彼らがやがて結果を出そうとする、その頃に――彼女は、再び深春の前に現れる。
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