麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2022年05月24日(火)
本作での凛は恩師の死や進路の問題に悩みつつも自分にとって弓道とは何かを更に突き詰めていく事になる。あくまで前作の延長線上の物語であるためいきなり本作から読むことはお勧めできないが逆に前作既読の人であれば凛の成長やラブコメ要素(?)を交えた人間模様などが問題なく楽しめる作品である。
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一人の弓道少女の成長を活き活きと描いた連作短編集「凛の弦音」の続編。前作も青春小説がメインでミステリ要素はオマケに過ぎなかったが、本作では更に青春小説部分がマシマシになりミステリ要素は前作以上に影が薄くなっている(とはいえきちんと弓道と絡めて物語に違和感なく溶け込ませているが)。
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我孫子武丸「残心 凜の弦音」読了。翠星学園高校二年生の篠崎凜は弓道に打ち込んできたが師匠の棚橋先生が亡くなった時から弓を射る事ができなくなる。そんな凛に手を差し伸べたのはライバルの波多野だった。やがて三年生になり弓道部部長となった凛は様々な人々や事件とぶつかりながら成長していく。
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2022年05月22日(日)
「シェラ・デ・コブレの幽霊」観了。ゴーストハンターが死者からかかってくる電話の謎を調査する話。タイトルにある通り幽霊譚ではあるがどちらかというとホラー要素のあるミステリといった趣で、最終的には幽霊より人間の怖さの方が印象に残る。とはいえ幽霊の演出は当時としては頑張っていると思う。
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「鮮血の女修道院/愛欲と情念の呪われた祭壇」観了。メキシコの修道院を舞台に悪魔に魅入られた少女たちを描いたゴシックホラー。幻想と官能が交錯する悪魔との邂逅、少女たちが見せる異常性、悪魔祓いの儀式を経て、文字通り鮮血と炎に彩られた阿鼻叫喚の地獄絵図へと雪崩れ込んでいく様が実に圧巻。
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2022年05月21日(土)
そして真相もまたふるっていて前述した不可思議な光景がまさかの気付きとなって冗談としか思えない事件の構図が明らかになるのだから畏れ入る。それでいてカーチェイスや格闘、美女とのロマンスといったエンタメ要素も抜かりなく、ハードボイルドと本格ミステリで二度美味しい傑作と言っていいだろう。
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私立探偵が雨の夜に現れた美女の奇妙な依頼に端を発する事件の謎を追う長編ミステリ。基本的な展開は王道のハードボイルドながら、その一方で250マイル離れた二つの町で同じ男が轢き殺されるという奇想溢れる謎や、終盤に不可思議な光景をさらりとぶちこんでくる点は正にこの作者ならではだろう。
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島田荘司「サテンのマーメイド」読了。アメリカ西海岸で探偵をする私の許に雨の金曜日の夜、サラと名乗る美女がやって来て、フェラーリを駆って自分を12時までにサウスポイントまで運んでほしいと依頼してくる。そして同じ頃250マイル離れた二つの町では同じ男が轢き殺される奇妙な事件が起きていた。
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2022年05月20日(金)
ただその後半パートで明かされる真相に関しては犯人の正体こそ意外性があるもののやや唐突感が否めないしほぼ特殊知識による暗号物のような謎解きは好みが分かれるかもしれないが一応そのヒントとして作中に某作品の名前が出てくる点は○。総じて綺麗に纏まった作品とは言い難いが力作ではあると思う。
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posted at 23:07:23
そのギャップが面白い反面、密室殺人の謎に期待すると些か肩透かし感を覚えるだろう。むしろ本作のミステリとしての一番の見所は登場人物の一人に隠されたある秘密であり前半パートにさりげなく仕掛けられたそれに纏わるミスディレクションが後半パートでじわじわ効いてくるようになっているのがいい。
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鳥飼作品ではお馴染みの綾鹿市を舞台に二部構成でストリート・キッズたちを巡る事件を描いた長編ミステリ。前半は宗教要素をフレーバーにしたロック小説の趣がありつつも割りとオーソドックスな密室殺人を描いていたのに対し後半は一転、宗教要素を前面に出したホワットダニット的展開で魅せてくれる。
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posted at 23:06:09
鳥飼否宇「太陽と戦慄」読了。〈導師〉と名乗る男に拾われ共同生活を送りながらロックバンドを結成したストリート・キッズたち。彼らが初のライヴを敢行した時、楽屋で密室殺人が――。そして十年後。列車脱線事故など大規模な惨事の現場に残される、かつてのメンバーの死体と動物の玩具の意味は?
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posted at 23:05:52
2022年05月18日(水)
もう一つこの作者らしいと言えば「伏線の狙撃手」ぶりも健在で、二転三転する展開の中にピンポイントで伏線を回収する巧さを見せつけることで、真犯人の意外性を際立たせる手腕が実に秀逸。本作は炎上という現代的テーマで一気に読ませる、プロット型本格の傑作である。
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posted at 21:57:55
思うにこの仕掛けに関しては実際にTwitterをよく利用している人ほど騙されるのではないだろうか。こういった現代の技術を積極的にミステリに活かそうとする姿勢は歌野晶午を彷彿とさせるが、それに加えて情報拡散することの危うさという社会的問題も取り入れているところが何ともこの作者らしい。
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posted at 21:57:42
Twitterで身に覚えのない殺人事件の容疑者にされた男が逃亡しながら真犯人を探す現代版「逃亡者」とも言うべき長編ミステリ。Twitterの情報拡散を演出として取り入れることによるサスペンス性がいかにも現代的ながら、特筆すべきは演出だけでなくミステリの仕掛けとしても巧みに活かしている点だろう。
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posted at 21:57:00
浅倉秋成「俺ではない炎上」読了。ある日突然Twitterで「女子大生殺害犯」に仕立てられた男・山縣泰介。既に実名・写真付きでネットに素性が曝され大炎上しているらしい。全くの事実無根だが誰一人として信じてくれない。日本中が敵になり必死の逃亡を続ける泰介がやがて辿り着いた驚くべき真相とは?
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posted at 21:56:39
全話に共通して言えるのは終盤の登場人物たちの豹変ぶりであり、話によってそこにギャグっぽさやミステリっぽさが窺えるのが面白い。正直いえば飴村作品としては狂気度は抑えめだし「令和のドグラ・マグラ」も過大広告だとは思うものの、作家テーマの連作ホラーとしてはそれなりに楽しい作品である。
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posted at 14:33:33
読む者を狂気の淵に叩き落とす、呪われし伝説の作家を巡る全五話構成の連作ホラー。本作の帯には「令和のドグラ・マグラ」と書かれているが、個人的な印象ではそこまでの狂気は感じられない。しかしながら話によってはドグラ・マグラ要素が全くないとも言えないだろう。
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posted at 14:33:10
飴村行「空を切り裂いた」読了。戦後、文壇の寵児としてもてはやされた孤高の作家・堀永彩雲。しかしその後の半生は絶望と狂気に彩られていた。享年五〇で自害した作家の作品は世間からは忘れ去られたが一部で狂乱の読者を生み育んだ。そして今、彩雲の子らは真の目覚めを迎え、世紀末日本で覚醒する!
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2022年05月16日(月)
「ルチオ・フルチの恐怖! 黒猫」観了。ポーの「黒猫」をフルチが大胆にアレンジ……というかオカルト老人が黒猫を操って(!)連続殺人を引き起こす時点でほとんどフルチのオリジナルのような気がする。とはいえフルチらしい連続殺人の残虐描写と恐怖とは程遠い黒猫の可愛らしさが見所の作品である。
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2022年05月14日(土)
「シン・ウルトラマン」観了。初代ウルトラマンの庵野流新解釈。シン・ゴジラ同様、現実世界にウルトラマンがいたらどうなるかをシミュレーションしつつもサム・ライミを思わせる意外性に満ちていて実に楽しかった(ただ終盤のアレは賛否分かれそうだが)。あと個人的には対メフィラス戦の劇伴が最高。 pic.twitter.com/P983ZFOYag
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posted at 20:32:23
「バブル」観了。一言でいえばSF設定の人魚姫の話。恐らく一番やりたかったのはパルクールアクションでありそれの味付けとして人魚姫を持ってきたのだろうがいかんせんやりたいことと設定に物語としての必然性がない為にただの雰囲気映画になってしまっているのが難。とはいえアクションは流石の出来。
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2022年05月13日(金)
構成に凝るのもいいが、これならまだ連作ミステリとして見せた方が良かったのではないかと思ってしまった。とはいえ前述したように謎によっては観覧車を活かした前作のようなロジカルな謎解きが楽しめる作品である。
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posted at 11:16:24
加えて六つの密室劇それぞれに用意された謎のクオリティーにばらつきがあり、中には明らかに数合わせで入れられたと思しきものもあるのが難。また読者をミスディレクションさせようとするあまり解決シーンの一部がかなり読みにくくなってしまっているのも気になる。
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posted at 11:14:48
「幽霊たちの不在証明」で第18回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞した作者の二作目は止まった観覧車に閉じ込められた乗客たちによる六つの密室劇を描いた長編ミステリ。正直ミステリを読み慣れた人であれば、この構成から作者がやろうとしている仕掛けはある程度読めてしまうことだろう。
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posted at 11:14:32
朝永理人「観覧車は謎を乗せて」読了。自分を殺した犯人の脱出法を考えてほしいという幽霊、観覧車から標的を狙撃してほしいと依頼された殺し屋、爆弾と共に乗せられ解除コードを当ててみせるよう強制された男――不意に停止した観覧車とゴンドラ内に閉じ込められた六組の乗客たちの運命は?
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2022年05月12日(木)
その一方でキャラクター小説としてのヒロインの見せ場に頁を割きすぎたせいか重要な伏線が後半に集中しすぎているきらいがあるものの、それを差し引いてもファンタジーミステリの面白さはきっちり味わわせてくれる良作である。
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posted at 21:03:50
そして、その動機を際立たせるためにミステリではお馴染みのある錯誤を織り交ぜ、更にミスディレクションも盛り込んでいるのは○。また事件とは別に意外な事実を幾つか用意し、終盤でそれを畳み掛けることで印象的な解決シーンを演出している点もいい。
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posted at 21:03:23
賭博師として嘘を見抜く能力に長けたヒロインが二年前に大教会内部で起きた神子候補殺人事件の真相に迫るファンタジーミステリ。どこか作者の代表作「薬屋のひとりごと」の西洋ファンタジー版的な趣がある本作だが特に秀逸なのはシンプルながらもこの世界ならではの動機を巧く作り上げている点だろう。
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posted at 21:02:49
日向夏「聖女に嘘は通じない」読了。神官見習いのクロエには洞察力と記憶力を武器にカード賭博で荒稼ぎするという裏の顔があった。ある日彼女の能力を見込んで聖騎士エラルドがある依頼を持ちかけてくる。それは神子候補として大教会に潜入し二年前の殺人事件の犯人を見付けてほしいというものだった。
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posted at 21:02:09