麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2022年09月12日(月)
「屋敷女 ノーカット完全版」観了。妊婦サラを襲う黒衣の女の恐怖。とにかく理不尽かつ衝撃的な出来事の連続で、何気に女がサラを襲う理由に巧さがあるものの、それを霞ませるくらい詰め込まれたグロ描写(しかもノーカット完全版で更にパワーアップ)と徹頭徹尾救いようがない展開は凄まじいの一言。
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「フランケンフッカー」観了。芝刈機でバラバラになった恋人を甦らせようとする話。一言でいうならお下劣版フランケンシュタインだがなぜか人間爆発シーンが多くしかもそれがやたらとチープなのが却って味わい深い。また演出はコミカルなのに展開やオチがブラックなのも怪作ぶりに拍車をかけていて○。
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2022年09月10日(土)
「ブレット・トレイン」観了。原作未読。キル・ビル同様いい意味で金のかかったB級風アクション映画。やたらと伏線やらどんでん返しに凝っているというギャップが面白い(加えてアンチ操り物というオチも○)。個人的には真田広之の殺陣シーンが良かったがどちらかというと会話劇の方が魅力だと思う。
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「夏へのトンネル、さよならの出口」観了。これはいいSF(すこしふしぎ)青春ボーイミーツガール物。時をかけるトンネルというSF的ガジェットを通して主人公とヒロインの抱える問題と二人の関係性の変化を丁寧に描いている点が○。なおお気に入りはヒロインがグーで同級生の女子を殴り飛ばすシーン。
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posted at 20:31:35
まず恋愛相談パートが悪い意味で普通すぎる上に長すぎてダレるし、謎にしても提示された当初はおっと思うものの真相はあってないようなレベルで、何よりそれが相談者の内面を少しも描くことなく終わってしまうのが非常に物足りない。加えて意味深すぎる終わり方も本作の消化不良感に拍車をかけている。
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顔に触れた人間の意中の相手が分かる能力を持つ主人公が恋の相談役として活躍するシリーズの三作目。本作もまた構成だけ見れば前作に近いが、前作が普通の恋愛相談物→能力によって判明する謎→謎を通して相談者の内面が描かれるのが見所だったのに対し本作はそれら全てが中途半端なのが気になる。
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丸深まろやか「天使は炭酸しか飲まない3」読了。御影冴華の問題が一段落し、夏休みを迎えた明石伊緒。彼の前に天使の正体を知る後輩・瀬名光莉が現れる。「相談に乗ってくれないなら、明石先輩が天使だって言っちゃいますよ?」恋愛観のズレを感じつつも、伊緒は天使として依頼を受けるのだが――。
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2022年09月09日(金)
今回はシリーズの1巻目ともあって物語の設定説明の他、王道的展開の青春と恋愛をテンポよくこなして出だしから順調……かと思いきや、最後の最後になかなか面白い引きを用意しているのがいい。なぜ主人公がタイムリープすることになったのか、その辺りの謎の掘り下げも含め、今後に期待したい。
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「三角の距離は限りないゼロ」を完結させたばかりの作者の新シリーズは失踪した元カノを救うため主人公が偶然遡った過去の世界を書き換えようとする青春タイムリープ物。とはいえ舞台が荻窪だったり見知った名前の登場人物が出てきたりと作者のファンであればお馴染みの要素にニヤリとなることだろう。
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岬鷺宮「あした、裸足でこい。」読了。高校の卒業式の日、俺は国民的ミュージシャンとなった元カノ・二斗千華が遺書を残して失踪したことを知る。呆然とする俺は……気付けば入学式の日、過去の世界にタイムリープしていた。俺は彼女を助けるため、今度こそ対等な関係になるために奔走することになる。
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2022年09月07日(水)
だが本作の最大の見所は犯人が明らかになった後のエピローグにこそあり、そこで炸裂する作者の企みが読者に忘れ難い強烈なインパクトを与えると共に本作を傑作足らしめている。本作はこれまで作者が書いた本格ミステリの中で最もストレートな内容であると同時に色々な意味で意地が悪い作品である。
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そして犯人探しの動機が、犯人をその犠牲となる一人にするためという発想がまた面白い。とはいえ本作のミステリとしての主だった趣向は一見すると犯人探しのみなので、「月光ゲーム」を思わせるシンプルながらも練られたロジックで魅せてくれるものの人によってはやや物足りなさを覚えるかもしれない。
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地震で地下に閉じ込められるという極限状況下で起こる連続殺人を描いた長編ミステリ。設定だけ見ると古処誠二「少年たちの密室」を彷彿とさせるが、「少年たち~」と異なる本作ならではの特徴として、誰か一人を犠牲にすればそこから脱出できるという状況が用意されている点がまず挙げられる。
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posted at 12:25:06
夕木春央「方舟」読了。大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は偶然出会った三人家族と共に地下建築の中で夜を越すことになるが明け方に発生した地震によりそこに閉じ込められてしまう。更に地盤に異変が起き水が流入し始めた、そんな矢先だった。動機不明の殺人が起こったのは。
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2022年09月06日(火)
トリックこそベタではあるもののそれを支える伏線は勿論のこと、なぜそのトリックが使われたのかという必然性がちゃんと用意されているのは好印象だし犯人の意外性やミスディレクションにしてもよく考えられている。また趣向が物語と密接に絡んでいる点も○で全体的に計算された構成が光る佳作である。
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不吉な言い伝えのある村で起こる連続殺人を描いた長編ミステリ。今年2022年は二階堂黎人作家デビュー30周年だというのに出たのが単著ではなく合作ということでどうなることかと思っていたが意外にも(?)作品としての出来は悪くなく、良い意味で本格ミステリの王道を地で行く展開で読ませてくれる。
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羽純未雪/二階堂黎人「呪縛伝説殺人事件」読了。栃木県の片田舎にある小さな村にはアヤという名の女性が村に入ると災いが起こる〈アヤの祟り〉と呼ばれる言い伝えがあった。ある日〈梅屋敷〉の跡取り・和壱が子連れの婚約者・綾子と共に村へと戻ってくるが、その直後に和壱が密室で謎の死を遂げて――。
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2022年08月31日(水)
クトゥルフ神話が実話怪談風に語られる点はなかなか新鮮ではある反面、ミステリとしてみると仕掛けはかなり肩透かしで、クトゥルフと絡めた意味があったかという点に関しても些か疑問が残る。また長編としてみても展開がやや単調なきらいがあり個人的には前作が良かっただけに残念と言わざるを得ない。
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posted at 22:46:15
「影踏亭の怪談」に続く作者初の長編ミステリ。本作は前作同様、実話怪談風ホラー+本格ミステリという作風にクトゥルフ神話を絡めた内容で舞台の村に現れる妖怪に付けられた「蓮太(はすた)」「九頭火(くとうか)」「無有(ないある)」といったストレート過ぎる名前にはむしろ清々しささえ覚える。
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posted at 22:45:56
大島清昭「赤虫村の怪談」読了。愛媛県の山間部にある赤虫村には特異な妖怪譚が存在する。かねてから赤虫村について調査していた怪談作家・呻木叫子は村の名家・中須磨家を襲う不可能犯罪の解明に関わることに。神木の枝上に遺棄された全裸屍体、石蔵の密室で発見された焼屍体……一連の事件の真相は?
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posted at 22:45:19
2022年08月30日(火)
とはいえ前述したロジックや動機は面白いし何より三人の関係を丁寧に描いてきたからこそ活きてくるエピローグの後味が素晴らしい。本作は舞台に必然性がある事件と物語が好印象の佳作である(あと個人的にはそろそろ新潮文庫nexから出ている作者の館ミステリには建物の見取り図を入れてほしい)。
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posted at 14:47:52
そしてその甲斐あって九龍城で起こる殺人事件に関しては犯人を血手形を巡るロジックや殺人の動機にこの舞台でしか起こり得ない独自性があり、あっと驚かせてくれる。ただそれでも終盤に明かされる真相についてはやや詰め込みすぎかつ描写不足なきらいがあり、スマートさに欠ける部分も否めない。
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posted at 14:47:19
物語の中心となるのは主人公風(ふう)と現地でできた女友達シャクティとホンファの三人であり、まずは土台としてその三人の関係をきちんと描く必要がある。加えて当時の香港の事情や主人公を取り巻く状況も描かないことには事件自体が成り立たない為ある程度のスロー展開は致し方ないところだろう。
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posted at 14:47:01
作者久々のノンシリーズ物長編ミステリ。タイトルにある通り九龍城が事件の舞台ではあるものの、そこへ辿り着くまで120頁以上もかかる点はやや賛否が分かれるところだろう。しかしながら辿り着いてから事件が起こるまでは早いし何よりそれだけ頁数を要したのには勿論理由があってのことだ。
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posted at 14:44:33
月原渉「九龍城の殺人」読了。裏社会の長である祖母に母の遺骨を渡すべく訪れた香港で私は同世代の二人の女性と友達になるが――。徐々に知らされる光と闇。更に私は女だけが入れる城「九龍城」で異様な連続殺人に巻き込まれることになる。残された麻雀牌。切り取られた指。謎の血手形が意味するものは?
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posted at 14:44:10
2022年08月28日(日)
それでいて本作は京極夏彦の某作を彷彿とさせるあるミステリ的テーマをこれでもかとばかりに駆使しており、最後に爆弾のように炸裂するその事件の構図だけでもミステリファンは一読の価値があるだろう。本作は社会派ミステリとしても本格ミステリとしても見逃せない傑作である。
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posted at 16:40:33
事件の内容もさることながら今の社会に対する人々の鬱憤という比喩的表現、そしてそれを読者にも体験させるべくわざとストレスを覚えさせるような展開を積極的に導入するだけでなく犯人の計画や構成そのものにも時限爆弾のような仕掛けを用いている点が実に秀逸。
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posted at 16:40:13
無差別爆破事件を巡る容疑者と思しき男と警察の対決を描いた長編ミステリ。個人的にまず思ったのが犯人や探偵役の刑事がやたらと饒舌な点であり、それと「爆弾」というシンプルなタイトルのギャップがなかなか興味深いが実はその短いタイトルに様々な意味が込められているのが本作を読むとよく分かる。
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posted at 16:39:40
呉勝浩「爆弾」読了。些細な傷害事件で野方署に連行された中年男が取り調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。直後、秋葉原の廃ビルが爆発。更に男はあっけらかんと告げる。「ここから三度、次は一時間後に爆発します」――果たして警察は爆発を止めることができるのか?
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posted at 16:39:19