麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2022年02月03日(木)
香吹茂之「女神家の一族」〈最終話〉読了。傑作。早坂吝を彷彿とさせるHの最中からの犯人の指摘もさることながらまさかの京極夏彦ばりの真相に愕然。更にコロナ禍を自分の知る限り最も巧く活かしたミステリでもあり、これまで作者が発表した本格ミステリエロ漫画の中でも最上の出来なのは間違いない。 pic.twitter.com/O2VoYp5MDz
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posted at 20:08:45
「墜落大空港」観了。旅客機墜落の真相にただ一人生き残った記憶喪失の機長が迫る話。なぜ旅客機が墜落したのかという謎を巡るミステリと彷徨う亡霊達によるホラーが結び付いてある驚愕の事実を浮かび上がらせる点が実に秀逸。見方によっては某有名ホラーミステリ映画の元ネタとも言えるかもしれない。
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「美人ダンサー襲撃」観了。偶然殺人現場に居合わせた美人ダンサーに迫る犯人の魔手。アルジェント大好きな監督によるサスペリアpart2まんまのテーマ曲や殺人の手口が笑える一方でジャッロらしからぬ犯人の動機が妙に印象に残る。また犯人の正体は意外と言えば意外だが肝心の伏線が全くないのが残念。
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2022年02月01日(火)
しかも真犯人をただの○○○○○にしてしまったせいで社会派要素と上手く噛み合っておらず、最終的に何がやりたかったのかよく分からない作品になってしまっている。本作の帯には「白黒が全反転する奇跡の終盤に瞠目せよ」とあるけれど、個人的には残念ながら、その奇跡を確認することはできなかった。
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posted at 22:08:47
しかしながら問題は最後の第四話でそれまでのシンプルさとのギャップを狙って複雑に入り組んだ謎解きであっと言わせたかったのかもしれないがこの作者の悪い癖で色々詰め込みすぎた結果、謎解きが渋滞を起こしており、確認するのが面倒になるばかりか正直真相が見抜けるレベルなのかどうかさえ怪しい。
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近未来設定の警察小説と本格ミステリを合体させた連作もの。全四話構成の本作は現代の警察が抱える様々な問題やコロナ禍を取り入れつつも基本的には心に傷を持つ新米刑事の奮闘記となっており、個々の事件は地味ながらも設定を活かしたシンプルなロジックでそれなりに魅せてくれる。
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市川憂人「断罪のネバーモア」読了。度重なる不祥事から警察の大改革が行われた日本。茨城県つくば警察署の刑事課に配属された藪内唯歩はコンビを組んだ警部補の仲城や同僚達との関係に悩みつつも担当した殺人事件を解決に導いていく。そんな彼女の前に7年前の猟奇殺人が意外な形で関わってきて……。
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posted at 22:07:33
「The Bloodstained Shadow」観了。悪魔的儀式の参加者たちが謎の殺人鬼に次々と殺されていく話。監督が大のアルジェントファンだけあってゴブリン風のサウンドや次第にエスカレートしていく殺人シーンの演出がいい。また殺人鬼の正体よりも映像を効果的に使った手掛かりの見せ方が秀逸な作品である。
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2022年01月29日(土)
「バイオハザード: ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」観了。原作ゲームの1と2を合体してホラーとして再映画化。原作を知っているとニヤリとする要素が盛り込まれているものの、そのどれもが中途半端でダイジェストを見せられている感が否めない。これなら前の映画の方がマシだったかもしれない。
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2022年01月27日(木)
一応トリを飾る五編目に関してはコンゲーム物としてみればそれなりに巧く纏まってはいるものの、ベストの表題作と比べると些か物足りなさが否めない。できれば表題作のような方向性で最後まで書いてほしかった。
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posted at 23:21:20
そして三編目以降は一転して最初からだいぶミステリ寄りの話が続くことになるが、皮肉にもミステリ寄りになればなるほど作者の個性が希薄になるばかりかミステリ的にも真相が見えやすくなってしまっているのが残念。
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posted at 23:21:02
それが洗練されてくるのが二編目の表題作で、どんな賭けにも負けない力を得た少女の物語の中に巧みに伏線を折り込み、それらを終盤に一気に回収することで物語をミステリへと反転させるだけでなく、タイトルに込められた意味によって絶妙な余韻を生み出すことに成功している。
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posted at 23:20:43
「商人の空誓文」で第七回ミステリーズ!新人賞佳作を受賞してから十二年の歳月を経て刊行された作者のデビュー作であるファンタジーミステリ連作。本作の印象としては北山猛邦の書くメルヘンチックなミステリに近いが一編目の「商人の空誓文」の時点ではまだミステリとしてはこなれていない感がある。
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posted at 23:20:27
明神しじま「あれは子どものための歌」読了。どんな賭けにも負けない力を得た少女、あらゆる傷を跡形なく消し去る名医……。この世の理に背く力に人生を狂わされる者たちの五つの物語と、その背後で進行する国の存亡に関わる陰謀。架空の異国を舞台にした異色のミステリ連作集。
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posted at 23:20:08
2022年01月26日(水)
なお一応本作は「長編ミステリー」ということになっているが、正直ミステリーとしては???と言わざるを得ない。むしろ本作は純粋に家族小説として読んだ方が正当な評価が下せる作品である。
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posted at 16:00:33
その過程で浮き彫りになっていくのは家族に恵まれなかった人々が過酷な運命に翻弄されつつも血の繋がりを超えた絆で結ばれた真の家族を手に入れていくまでの人間ドラマであり、そんな彼らと出会ったことで美優の心境もまた変化し、人間として成長していく姿が深く読者の胸を打つことだろう。
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posted at 16:00:14
血の繋がりより深い家族の在り方を描いた長編作品。本作は予期しない妊娠をしてしまった女子高生・美優の物語から始まり、彼女が預けられることになった奥多摩のゲストハウスで暮らしている明良、華南子、類子の隠された過去に少しずつ迫っていく内容になっている。
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posted at 15:59:54
宇佐美まこと「月の光の届く距離」読了。予期しない妊娠をしてしまった女子高生の美優は堕胎するには遅すぎると福祉の手によって奥多摩にあるゲストハウスに預けられる。そこには明良と華南子という兄妹が、深刻な事情を抱えた子どもたちの里親となって高齢の母・類子と暮らしていた。
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posted at 15:59:25
「テシス 次に私が殺される」観了。一本のスナッフ・フィルムの出所を探るヒロインがやがて犯人に命を狙われるようになるスリラー物。二転三転する展開で最後まで誰が犯人なのか分からない点は○だが、終わってみれば犯人が誰かよりもむしろ皮肉なオチの方が印象的だった。
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2022年01月25日(火)
ただ一方で事件の結末はダークな作品というのもあってかほとんどが後味が悪く、人によって大いに好みが分かれるところだろう。とはいえ、それを差し引いてもファンタジー設定を活かした事件の見せ方と物語の構成力は充分見るべきものがある良作である。
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posted at 13:31:02
なお構成としては連作に近く、作中で幾つか起こる無関係と思われた事件が最終的に一つに繋がるという趣向はミステリの定番ではあるものの本作のようなファンタジー作品では割りと珍しいように思う。最終的にどう繋がるかもさることながら個々の事件では墓荒らしの話が設定の意外性もあって出色の出来。
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posted at 13:30:48
第8回オーバーラップ文庫大賞《金賞》受賞作。本作は一応異世界転生物にカテゴライズされるもののそちらの要素は薄めで(もしかしたら今後のシリーズ展開で変わってくるのかもしれないが)、どちらかと言えば普通にダークな雰囲気のファンタジーミステリとして楽しめる内容になっている。
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posted at 13:30:15
メグリくくる「暗殺者は黄昏に笑う 1」読了。かつて医者だった荻野知聡は異世界転生時に「暗殺者」の能力を授けられ、遺体の検視を行う傍ら復讐屋として助手の少女ミルと共に日々を過ごしていた。だがある日、知聡の許に持ち込まれた子供の変死体を機に怪事件が続発。彼もまた巻き込まれることに……。
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posted at 13:29:56
とはいえ、その過程はやはりクソゲー感が否めず、いつもの頭脳戦とのギャップが逆に面白い。加えてクソゲーだからこそ新たに加わった無敗ちゃんことウロボロスの無茶苦茶なキャラが引き立っている点も○。その一方でさりげなく盛り込まれた本筋の物語に関わる重大な伏線も見逃せない巻と言えるだろう。
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posted at 04:33:49
神々が考案した様々なゲームに挑むファンタジー頭脳戦シリーズの四作目。前作から始まった恐るべきクソゲーもといバグゲーである迷宮ゲームの攻略が今回のメインだが攻略の方向性に関してはさして意外性はなく、どちらかというとそのために設定された条件をどうクリアしていくかが読み所となっている。
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posted at 04:33:17
細音啓「神は遊戯に飢えている。4」読了。世界規模の帰還困難者が多数発生している迷宮ゲーム。完全攻略のためにはラスボスの撃破が必要にも拘わらず、このダンジョンのラスボスであるはずの神は既に死んだ状態。一見、手詰まりとなった攻略の中、フェイとレーシェたちは完全攻略へと突き進む。
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2022年01月23日(日)
「犯されたお嬢様/女子寮を襲う聖夜の殺人鬼」観了。女子寮を襲うサンタクロース姿の殺人鬼の話。内容とは全く関係ない邦題はさておき展開は正統派スラッシャーでやや冗長に感じるきらいはあるが殺人描写や死体の演出はツボを押さえてるし何よりサンタのイメージを逆手に取った二段構えの真相は○。
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2022年01月18日(火)
強いて不満を挙げるとするなら展開にあまり意外性がないところだが、この設定ならではの青春物を提示できた時点で作品の評価はさほど揺るがないだろう。本作はミステリ要素のある、少し不思議な青春小説の快作である。
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posted at 18:22:25
そしてそれをきっかけに主人公とヒロインの隠されていた過去が明らかになっていく点、更に燻っていた火種から起こるヒロインのピンチに対し主人公のもう一つの顔を伏線として活かすことで、ちょっとしたコンゲーム風に物語を纏め上げた点は実にそつがなく炭酸を飲んだ後のような清涼感を齎してくれる。
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posted at 18:22:07
主人公の持つ、顔に触れた人間の好きな相手が分かるという能力が目を惹く特殊設定青春物。そんな主人公が異常な惚れ癖に悩まされているヒロインから相談され、彼女が好きになる人間の法則性に迫っていく過程はミステリとしても楽しむことができるだろう。
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posted at 18:13:06
丸深まろやか「天使は炭酸しか飲まない」読了。顔に触れた人間の意中の相手が分かる能力を持った俺・明石伊緒はその能力を活かし告白できない人間の背中を押す天使として暗躍していた。そんなある日、俺は恋多き乙女・柚月湊の異常な惚れ癖を治すため彼女が好きになる人間の法則性を探ることになる。
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posted at 18:12:08