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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2022年01月14日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月14日

なお本作で読む価値があるのは『幻影城』に掲載された分のみで、近年の作品は全て精彩に欠けるばかりかデビュー作の欠点である説明不足が更にひどくなっていて正直読むのがつらいと言わざるを得ない。個人的には『幻影城』掲載分とエッセイのみで纏めた方がまだ良かったのではないかと思ってしまった。

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posted at 20:29:33

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月14日

次点は作者のデビュー作「炎の結晶」で解説でも触れられている通り無駄な要素、説明不足な点が多々目立つものの最後に明かされるホワイダニットが強烈で、それまで描かれていた男女の関係とある人物の設定が結び付くことで生まれる切実な人間ドラマが何とも忘れ難い印象を残す。

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posted at 20:28:59

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月14日

ベストを挙げるなら白川エミ物の第一話「密室のショパン」で、密室の謎に目がいきがちだがどちらかというとタイトルにもなっているショパンを巧く活かしつつ絵的に非常に映えるアリバイトリックが秀逸で、かつて鮎川哲也が褒めただけのことはある。

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posted at 20:28:38

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月14日

興味深いのはノンシリーズ物と〈女探偵 白川エミの事件簿〉シリーズでは全く作風が異なる点であり、例えるなら前者がロマン溢れる笹沢左保とするなら、後者は赤川次郎の幽霊シリーズを彷彿とさせる探偵役設定でカジタツが書いた(!)みたいな感じだろうか(故に後者のノリはかなり人を選ぶ)。

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posted at 20:28:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月14日

探偵小説専門誌『幻影城』でデビューした作者の初単行本。収録された14編のうちノンシリーズ物の二編と、美人女子大生が探偵役を務める〈女探偵 白川エミの事件簿〉シリーズの全12話中四話までが『幻影城』に掲載された分で、残りは全て近年になって作者が電子書籍で発表したものになる。

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posted at 20:27:55

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月14日

霜月信二郎「霜月信二郎探偵小説選」読了。殺人事件に巻き込まれ陶芸家の許に逃げ込んだ女が無実を証明しようとするも関係者が次々と殺されていく第二回〈幻影城〉新人賞佳作受賞作「炎の結晶」から新作「消えた密室」までの短編全14編の他、書き下ろしエッセイ「幻影城・影の会の思い出」を収録。

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posted at 20:27:32

2022年01月10日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月10日

「降霊会―血塗られた女子寮―」観了。降霊会に参加した女子高生達を襲う惨劇。スプラッターホラーにしては何か物足りないなと思っていたらむしろ本番は真相が明らかになった後というのが珍しい。とはいえ全体的には薄味でどこがお勧めとは言いづらいのが難(あと登場する女子高生役の年齢いき過ぎ問題)

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posted at 23:47:27

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月10日

ただでさえVRを扱ったミステリは地雷率が高い印象があるが本作もまた残念ながらその例外にはなれなかったと言わざるを得ない。とはいえ現実世界で起きる殺人事件の一部の真相や捨て推理には見るべき所もあるので、あくまでメインに関しては壮大なホラ話と割り切って読めば楽しめるかもしれない。

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posted at 13:16:58

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月10日

個人的にはミステリは絵空事でも大いに構わないと思っているのだけれど、それにしても本作に関して言えば説得力に欠けるレベルでやり過ぎており、下手にリアリティーを取り入れようとしているのがむしろ逆効果になってしまっている感すらある。

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posted at 13:16:23

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月10日

問題作あるいは壮大な失敗作。本作は冒頭から昨今の冷えきったVRゲーム事情とは裏腹にやたらとVRに対し夢を見すぎな設定が開示されるのだが、この夢を見すぎというのがかなり問題で、そのせいでVR空間における事件の真相及び全体の構図が悪い意味で何でもありだなと感じてしまった。

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posted at 13:16:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月10日

方丈貴恵「名探偵に甘美なる死を」読了。ゲーム会社・メガロドンソフトからVRミステリゲームのイベント監修を請け負った加茂冬馬。会場であるメガロドン荘に集ったのは八名の素人探偵。だがイベントは一転、殺戮ゲームに変貌。生き延びるためにはVR空間と現実世界で起きる殺人事件を解明するしかない!

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posted at 13:12:02

2022年01月09日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月9日

故にある意味本作は作者の物語構成力を活かしてかなりの力業で仕上げた作品と言えるだろう。その一方で有栖川ファンにはお馴染みのある人物の過去が事件と密接に関わっており、そういった点でもファンであれば見逃せない作品である。

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posted at 15:39:15

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月9日

そして本作もまた徹底したリアリティのある事件を描きつつ途中からファンタジーとまで言わないまでも小説らしい拡がりを見せる。尤もこれに関しては本作のトリックだけ抜き出すと怒り出す読者が少なからずいるため、そのトリックに説得力を与えるべく物語でフォローしたとの見方もできるかもしれない。

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posted at 15:39:01

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月9日

臨床犯罪学者・火村英生シリーズ誕生30年目という節目にあたる長編ミステリ。本作の冒頭で作者はまず昨今流行りの特殊設定ミステリについて触れた上で自分の好みは〈ミステリはこの世にあるものだけで書かれたファンタジー〉と語っているが確かにその主張は有栖川作品の読者であれば充分頷けるだろう。

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posted at 15:37:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月9日

有栖川有栖「捜査線上の夕映え」読了。大阪のマンションの一室で男が鈍器で殴り殺されトランク詰めにされた状態で発見された。容疑者が浮上するもアリバイや有り得ない指紋の謎が立ち塞がる。「俺が名探偵の役目を果たせるかどうか、今回は怪しい」火村を追い詰めた不気味なジョーカーの存在とは?

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posted at 15:37:30

2022年01月04日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月4日

そしてトリを飾る表題作では作者がしばしば用いる偶然が自然な形で活かされており事件の構図が明かされると共に「死を十で割る」同様浮き彫りになる犯人の心情がいい。また前作で目についたご都合主義や不自然さがだいぶ解消されているのも好印象で、前作が合わなかった人にもお勧めできる佳作である。

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posted at 21:07:51

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月4日

その三編目「死を十で割る」は死体をバラバラにしたホワイダニットが巧く犯人当てに繋がる点もさることながら犯人の心情を浮き彫りにするある奇想が○。続く四編目「孤独な容疑者」は倒叙形式で堅実なロジックにより犯人が追い詰められる課程が見所と思いきや意外な所からくるサプライズが実に効果的。

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posted at 21:07:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月4日

赤い博物館こと犯罪資料館に勤める緋色冴子が元捜査一課の寺田刑事と共に遺留品から迷宮入り事件の謎を解く連作シリーズの二作目。本作は一編目こそこの作者にしては普通すぎてやや肩透かしを覚えるものの徐々にブーストがかかってきて個人的な印象では三編目からが作者の本領発揮と言えるだろう。

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posted at 21:06:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年1月4日

大山誠一郎「記憶の中の誘拐」読了。未解決事件などの捜査書類を収蔵する〈赤い博物館〉館長の冴子。ある日26年前に起きた奇妙な誘拐事件について相談される表題作ほか、あの人に会いたという動機で放火を繰り返す犯人「連火」、十個の部位にバラバラにされた死体の謎「死を十で割る」など五編収録。

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posted at 21:06:26

2021年12月30日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月30日

とはいえ色々と物足りなかった前作に比べるときちんとインパクトのあるネタが用意され、かつそれをいかにして成立させるかという点で苦心の跡が窺える怪奇本格ミステリの良作である。

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posted at 21:20:58

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月30日

例えば某国内作家Nを思わせるアレ系知識を活かしたトリック(特にメイン)は充分バカミスとして許容範囲だし、最後のオチにしても某古典ミステリを引き合いに出すまでもなく極めてよくあるものだ。むしろ前述したバカミスネタに対し最後のオチの方が弱く感じてしまうのが難と言えるかもしれない。

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posted at 21:20:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月30日

「本作は変格探偵小説なのか? はたまた異形の本格なのか?」とは本作に寄せられた著者のことばだが、昨今の多様化した現代国内本格からしてみると本作は問題なく本格ミステリにカテゴライズされる作品であると思う。

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posted at 21:20:28

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月30日

前作「墓地裏の家」から十年ぶりとなる三作目の長編ミステリ。本作もまた探偵小説とB級ホラー映画をこよなく愛する作者らしい作品となっており中盤までの展開はオーソドックスなクローズド・サークル物の本格ミステリ風だが、それ以降は異端信仰、異常心理学に彩られた怪奇趣味が濃厚になっていく。

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posted at 21:19:49

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月30日

倉野憲比古「弔い月の下にて」読了。かつて隠れキリシタンの島民が大量死したという曰く付きの
島・弔月島。軽い気持ちで島にやってきた大学院生の夷戸ら三人はそこに建つ淆亂館(ばべるかん)の使用人たちに拉致され、館に軟禁される。そしてその夜、館の主人と思しき顔のない死体が発見されて――。

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posted at 21:18:47

2021年12月23日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月23日

とはいえメインのネタは分かりやすいため意外性はあまりない反面、事件の演出は堂に入っており、約束された大破局に向かって疾走感と共にひたすら突き進んでいく後半の展開は出色の出来。前作と本作でかなり路線が違うため好みは分かれるかもしれないが少なくとも完成度においては本作の方が上である。

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posted at 21:53:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月23日

「呪殺島の殺人」の続編。クローズド・サークル物の本格ミステリ路線だった前作から一転、本作ではだいぶ伝奇色が強化されており、雰囲気的には小野不由美「黒祠の島」に近いかもしれない。またプロット面でも後半になるにつれて散漫になっていった前作に対し本作は徹頭徹尾纏まっているのも好印象。

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posted at 21:53:28

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月23日

萩原麻里「巫女島の殺人 呪殺島秘録」読了。巫女が死者の魂を呼ぶ秘儀が今も行われているという瀬戸内海に浮かぶ千駒島から隠蔽された過去の事件と新たな死を予告する手紙が届いた。調査に向かった僕たちを待っていたのは、巫女が十八歳を迎える特別な年に行われる秘儀と不可解な連続殺人だった。

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posted at 21:53:05

2021年12月22日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月22日

「ザ・リッパー」観了。NYで次々と若い女を惨殺するアヒル声の殺人鬼の正体に迫るジャッロ物。残虐な殺人描写とエロスが交錯する実にフルチらしい作品ながら物語としては一部謎は残るが破綻なく纏まっているのが意外。また殺人鬼の正体に関してはあのシーンをどう捉えるかで評価が分かれるところか。

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posted at 23:26:07

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月22日

本作は作者の本格ミステリは好きだけど、このシリーズのサイコサスペンス的なノリはちょっと……と敬遠していた読者にこそぜひ読んでもらいたい、フーダニット本格の佳作である。

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posted at 11:59:21

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月22日

拷問を繰り返す動機に関しては中盤であっさり判明するのだが、その過程で焦点となるある手記や主人公が見聞きした出来事を手掛かりに綱渡りのロジックを駆使して意外な犯人を浮かび上がらせる終盤の展開は正に本格ミステリの醍醐味と言っていいだろう。

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posted at 11:59:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月22日

女性刑事・氷膳莉花が未決死刑囚で天才的な犯罪心理学者・阿良谷静の協力のもと連続猟奇殺人犯を追うシリーズの三作目。今回のテーマは拷問ということでなぜ犯人が被害者に拷問を繰り返すのかその動機に目がいきがちだが、本作最大の見所は実はそこではなくフーダニットにこそある。

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posted at 11:58:47

麻里邑圭人 @mysteryEQ

21年12月22日

久住四季「異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 嗜虐の拷問官」読了。莉花が本庁捜査一課に異動となった矢先に都内で発見された死体は車により執拗に手足だけを轢き潰されていた。最初は被害者の身許から私刑と見られたが、阿良谷静は目に釘を刺す別の殺人事件を挙げ、同一犯による快楽殺人だと指摘する。

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posted at 11:58:25

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