麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2011年09月16日(金)
このうち最もお勧めしたいのは「宝石泥棒と母の悲しみ」だろう。もともと自分がこの手のものに弱いというのもあるが、まさかアレを使ってこんな仕掛けを思い付いてしまう作者に脱帽。シリーズでお馴染みのキャラがあまり出てこないという不満はあるが、ミステリとしては満足度の高い短編集である。
タグ:
posted at 22:49:10
収録作は倒叙物「藤枝邸の完全なる密室」、衆人監視の走る密室で起きた殺人事件「時速四十キロの密室」、盗まれたビールケースという日常の謎物「七つのビールケースの問題」、深夜に目撃した殺人の光景「雀の森の異常な夜」、宝石盗難事件に仕掛けられた思いもよらぬ罠「宝石泥棒と母の悲しみ」。
タグ:
posted at 22:48:38
東川篤哉「早く名探偵になりたい」読了。烏賊川市シリーズ初の短編集。東川篤哉・光文社・短編というと今はなき公募ミステリ・アンソロジー「本格推理」を思い出す人も少なからずいるかもしれないが、本作は正にその「本格推理」を彷彿とさせる、ミステリ度の高い内容となっている。
タグ:
posted at 22:47:44
2011年09月14日(水)
作者は前作に引き続き世界観の作り込みに力を入れているが、謎のための世界観ではない時点で本格ミステリとしては評価しにくいと思う。言うなれば、謎のためではなく探偵のための世界観。どうも本作を読んでいると作者が探偵というものに求め過ぎているような気がしてならない。
タグ:
posted at 22:59:27
まず作者に問いたい。本格ミステリを書きたいのか、それとも探偵がテーマの小説を書きたいのか。前作を読んだ時も感じたことだが、本作もまた事件にこの世界観で起こる必然性は全くない。元も子もない言い方をするならば、探偵の障害になりさえすれば、どんな事件でも構いやしないのだ。
タグ:
posted at 22:58:31
有栖川有栖「真夜中の探偵」読了。探偵行為が禁止された日本で探偵をしていた純の両親のうち、父は逮捕され母は四年前から行方不明になっていた。そんなある日、純は両親に仕事を仲介していた押井照雅と知り合うがその矢先に押井と親交のあった元探偵が水の入った木箱の中で溺死体となって発見される。
タグ:
posted at 22:58:03
ただ問題なのはここが話のピークであり、以降はかなりやっつけ感が目立つ残念な展開になってしまっていることである。個人的にはラスボスとのバトルより使い魔とのバトルの方が盛り上がるってどうなのよ? と思わなくはないが、まあ細かいことを気にしなければ、これはこれで楽しめる作品である。
タグ:
posted at 17:07:14
エロありグロありアクションありの伝奇バイオレンス。一番の見所はなんと言っても中盤、テレビ収録中の降霊会で呼び出された使い魔が巻き起こす阿鼻叫喚の地獄絵図だろう。特にリポーターの美女が使い魔に襲われるシーンは「狂鬼降臨」を彷彿とさせて○。
タグ:
posted at 17:06:25
友成純一「魔王降臨」読了。超能力を持つ青年・村雨正人はひょんなことから美人記者・額田希美子が企画する「東京怪奇スポット探訪」なる記事に協力することになる。幸い記事は好評を博すが、その過程で正人たちは極東支配を目論む〈地獄の炎〉教団の陰謀を突き止めてしまう。
タグ:
posted at 17:05:15
2011年09月12日(月)
これは現か幻か。不可思議な事件の内容もさることながら、この作者ならではの妖艶なる官能描写が入り乱れ、物語の混迷ぶりに拍車をかけている。それはある種、幻想ミステリのようでもあり、この地に足がつかない不安定さが堪らない人もいることだろう。
タグ:
posted at 22:49:02
戸川昌子「深い失速」読了。精神科医の私が受け持った患者・丹野明夫は一貫して大和田緋那子という人妻を長い武器で殺したと主張していた。だが殺した筈の緋那子は生きており、明夫に襲われた覚えはないと言う。果たして死体なき殺人事件の真相は……?
タグ:
posted at 22:48:14
2011年09月11日(日)
そして草野作品にはお馴染みの意外性も健在で、二転三転した末に待ち受ける真相はある古典的作品を巧く捻ったものになっている。本作はこの作者らしいトリッキーな仕掛けが堪能できる、ミッシング・リンク・テーマの秀作である。
タグ:
posted at 03:54:23
次の殺人の現場はどこか? 何故、犯人はこのような写真を残したのか? 被害者たちの繋がりは? ……この謎が謎を呼ぶサスペンス展開こそ、正に草野唯雄である。途中、謎のエロシーン(?)もあるが、基本的には疾走感のある内容で、ぐいぐいと最後まで引っ張ってくれる。
タグ:
posted at 03:49:35
草野唯雄「殺意の焦点(フォーカス)」読了。警察に届けられた遺失物のカバンの中に入っていたのは、裏面に日付の書かれた五枚のモノクロの風景写真。そのうち三枚の写真の現場では裏に記された日に、既に三件の殺人事件が起こっていた。そして残りの二枚の写真の日付もすぐ近くまで迫っていた――。
タグ:
posted at 03:48:54
2011年09月10日(土)
「トリックと神話を見事に融合」という内容紹介には概ね同意。ただそれ以外の事件になると、些か取って付けた感があるのが何とも惜しい。また欲を言えば、作者が得意とするホラー風味があれば尚良かった。
タグ:
posted at 16:03:54
伝説に見立てたバラバラ殺人と鉄壁のアリバイ崩しが見所の本作。トリックに関しては残念ながら国内作家の某作品を先に読んでいたために早々と見当がついてしまったのだけど、その某作品よりもトリックのカモフラージュの仕方は巧かったと思う。
タグ:
posted at 16:02:59
今邑彩「大蛇伝説殺人事件」読了。島根県松江市のホテルに泊まっていた画家が失踪し、それから間もなくバラバラ死体となって島根県各地のスサノオを祭る神社から発見される。何故、犯人はヤマタノオロチに見立てて死体を解体したのか。探偵・大道寺綸子が事件の真相を追う。
タグ:
posted at 16:02:10
2011年09月09日(金)
個人的には今年刊行された東野長編(「麒麟の翼」「真夏の方程式」)の中では一番ミステリらしい作品だと思う。あと新田浩介というキャラに関して、悪いキャラではないが、ニューヒーローと言われると、あまりぴんとこない印象。
タグ:
posted at 18:36:09
正直言うと自分は途中までミステリとしては全く期待していなかったのだけど(爆)終盤、犯人の名前が明かされた時は少なからず吃驚してしまった。一見、事件とは何の関係もなさそうな場面にさりげなく重要な伏線を隠しているのが何とも心憎い。
タグ:
posted at 18:35:43
一言でいえば東野圭吾版「HOTEL」。超一流ホテルに送り込まれた刑事・新田浩介の目を通してホテルで起こる様々な人間模様が描かれる……とこう書くと、本作が単にミステリの形式を借りただけの作品のように思えるが、そこは東野圭吾。最後の最後でミステリとしてもきっちり纏め上げている。
タグ:
posted at 18:35:03
東野圭吾「マスカレード・ホテル」読了。都内で発生した不可解な連続殺人事件。現場に残された数字の印刷された奇妙なメモから次の犯行現場が超一流ホテルであることを知った捜査陣は、連続殺人犯の新たな凶行を防ぐべく、ホテルに一人の男を送り込む。
タグ:
posted at 18:34:26
個人的なベストを挙げるとするならユニークなアリバイ物の「ドアの向こうに殺人が」だが、むしろ本作の場合、一編ずつ取り出してどうこう言うよりも全部ひっくるめた何でもアリのごった煮感を楽しむものなのだと思う。何が飛び出すか分からない、いい意味でヤミ鍋のような作品である。
タグ:
posted at 00:07:58
芦辺拓「黄金夢幻城殺人事件」読了。「黄金夢幻城」を目指す少年探偵の冒険譚から戯曲、ショートショートまで収録されたバラエティー豊かな作品集。本格要素もなくはないが、どちらかというと芦辺拓という作家を構成するものが何かを知ることができる内容に仕上がっている。
タグ:
posted at 00:07:27
2011年09月07日(水)
真相はある意味定番ネタではあるものの、鬼というテーマと非常にマッチしていると思う。本作は「論理の刃が物の怪を斬る」という文句に偽りなしの、良質な本格ミステリ作品集である。
タグ:
posted at 22:42:29
鬼払いの秘祭を取材するために訪れた島で若い女が宝物の刀で斬殺される事件に巻き込まれるこの中編は、事件が発生するまで結構かかるものの、いざ事件が起こると怒涛の展開で魅せてくれる。ちなみに謎解き前に発覚するある事実には吃驚させられたが、このネタだけでも短編が一本書けそうな気がする。
タグ:
posted at 22:41:42
鳥飼否宇「物の怪」読了。河童、天狗、鬼をテーマにした三編からなる〈観察者〉シリーズの最新作。本作には推理作家協会賞候補作になった「天の狗」が収録されているが、むしろ個人的には書き下ろしの「洞の鬼」の方を推したい。
タグ:
posted at 22:40:37
それは多分、事件と真相にそれほどギャップ感がなかったからだろう(倉阪バカミスの醍醐味は事件と真相の落差にあると思っている)。とはいえ最後の謎解きに関してはさすがに苦笑w このノリ自体は大好きなので次回はもっと激しい落差で脱力させてほしいと思う。
タグ:
posted at 01:00:26
毎年恒例と化してきた感のあるバカミスシリーズ(?)の最新作。全体の半分以上を謎解きパートが占めるという構成に否が応でも期待が高まるがその結果はというと……確かにいつも通り「お疲れ様」と言いたくなる凝りようではある。だが個人的にはこれまでの作品ほどはっちゃけているとは思えなかった。
タグ:
posted at 00:59:56
倉阪鬼一郎「五色沼黄緑館藍紫館多重殺人」読了。某県・五色沼の近くに建てられた、唐草模様で彩られた面妖な館――黄緑館・藍紫館。深い霧と降りしきる雪の中、館のお披露目パーティーが開催されるが、招待された四人の客が一人、また一人と謎の死を遂げていく……。
タグ:
posted at 00:59:07