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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2011年12月21日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月21日

島田一男「錦絵殺人事件」読了。旅行先で豪雨に遭遇した少年タイムス編集長の津田と友人の小原検事は雨宿りの破れ堂で会った男に誘われ失踪中の元子爵・鬼頭竹彦邸に泊まることになる。折しも館では竹彦の遺言状が開封されることになっていたが、その矢先に弁護士の白河が何者かに槍で殺されてしまう。

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posted at 21:31:58

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月21日

黒塗りの天守閣を持つ元子爵の館。奇妙な遺言状、不可能犯罪、見立て殺人……前作「古墳殺人事件」に引き続きガジェット満載の本作は、前作と比べると本格ミステリとしては今一歩劣るものの、その代わり前作にはなかったおどろおどろしいまでの伝奇色に彩られている。

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posted at 21:32:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月21日

終盤に向かうにつれて徐々に加速していく物語構成もさることながら、何より錦絵が浮き彫りにする恐ろしいまでの犯人の執念には探偵小説ならではの様式美を強く感じる。探偵小説、特に伝奇寄りのミステリが好きな人であれば、前作よりも本作の方をお勧めしたい。

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posted at 21:34:01

2011年12月22日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月22日

中山七里「贖罪の奏鳴曲」読了。死体に触れるのは、これが二度目だった――弁護士・御子柴礼司はある晩、かつて自分が犯した罪を知る記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は早々に御子柴の許に辿り着き事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻には法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった。

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posted at 09:17:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月22日

倒叙ミステリかと思いきや、一筋縄ではいかない展開に圧倒される。相変わらずリーダビリティの高さと巧みな構成は健在だが、本作は特に後者が秀逸。全ては主人公・御子柴礼司の人間像を描くことと読者をミスリードすることに費やされており、それらが終盤のどんでん返しの衝撃を見事に引き立てている。

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posted at 09:17:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月22日

作者のどんでん返しを謳った作品というと他に「連続殺人鬼カエル男」を思い出すが、個人的な印象で言えばその切れ味は本作の方が上。倒叙ミステリ、青春小説、法廷サスペンスと様々な要素を詰め込みすぎた感はあるが、それを差し引いても充分秀作と呼べる出来だと思う。

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posted at 09:19:28

2011年12月23日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月23日

北乃坂柾雪「匣庭の偶殺魔」読了。大学内で連続する奇妙な死。偶然の事故か、それとも確率の犯罪か。やがて事件は嵐の孤島で起こった、ある虐殺事件と意外な繋がりを見せる――。第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞作。

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posted at 19:29:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月23日

正直なところ、六章で終わっていたら間違いなく駄作だったと思う。日記に私小説、同人の合作小説まで取り入れた凝った構成に全く見合わないバレバレな真相が提示された時はさすがにガッカリしかけたが、最後の最後で作者は意外な形でひっくり返してみせる。

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posted at 19:30:38

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月23日

ただ一応伏線が張ってあったとはいえ、このひっくり返しは些か強引であり、人によって賛否両論分かれるところだろう。本格ミステリとしてみると決して出来がいいとは言えないが、個人的には嫌いではない作品である。

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posted at 19:31:19

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月23日

大谷羊太郎「生れ変った男」読了。本作の冒頭で作者はこう語っている。「一般に推理小説では三人の主役が登場します。犯人/被害者/探偵がその三人です。この作品では同一の主人公がこの三役を兼ねています」本作は爆殺を企んだ主人公がある出来事を機に「生れ変って」犯人探しに乗り出す物語である。

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posted at 19:32:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月23日

同時期に書かれた館ミステリの「大密室殺人事件」とは対照的な、草野唯雄を思わせるサスペンス形式で展開する本作は、最後まで飽きさせることなく一気に読ませてくれる。メインの「犯人=被害者=探偵」という設定も違和感なく物語に溶け込んでおり、読者の事件への興味に拍車をかけている。

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posted at 19:32:59

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月23日

事件の真相に関しては大半の読者が途中で気付くだろうが、それは決してマイナスではない。むしろ真相が見えていることにより、京極夏彦「陰摩羅鬼の瑕」同様、深い感動をもたらしてくれているように思う。そういう意味でも本作はミステリと物語のバランスに優れた作品と言えるだろう。

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posted at 19:33:59

2011年12月25日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月25日

大谷羊太郎「悪人は三度死ぬ」読了。群馬のリゾートホテルで捕物があった夜、一人の男が衆人環視の状況下で消失し翌朝、別の場所で他殺体となって発見された。男はその後の調べで四年前に起こった謎の焼死事件にも関与していたことが判明。過去の事件と浅からぬ因縁のある推理作家が調査に乗り出す。

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posted at 18:16:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月25日

トリックメーカーの作者らしく本作にも複数のトリックが盛り込まれているが個人的にはそれらよりもむしろラストのどんでん返しと事件の構図に注目してほしい。目まぐるしく起こる事件の数々にもようやく解決の目途がつきこれで一件落着と思いきや作者は些細な気付きから意外な真相を引き出してみせる。

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posted at 18:17:07

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月25日

と同時に、タイトルに込められた意味も明らかになる点が秀逸。犯人探しもさることながら、タイトルにある「悪人」探しをしてみるのも案外面白いかもしれない。

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posted at 18:17:32

2011年12月26日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月26日

辻真先「アリスの国の殺人」読了。本作は二つの物語が平行して進行する。一つは現実世界で起こった漫画誌の鬼編集長殺人事件。もう一つは夢の世界で起こったチェシャ猫密室殺害事件。特に後者は倉阪鬼一郎ばりの言葉遊びを織り混ぜつつ不思議の国の住人と漫画のキャラが入り乱れるというカオスぶりだ。

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posted at 21:33:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月26日

無論それはアニメ業界に深い関わりのある作者のサービス精神の顕れだろうが、それだけに留まらず、きちんとトリックにも活かされているのは好印象。何より普通にやったらトンデモトリックにしかならないものを夢の世界を舞台にすることにより、この世界ならではのトリックに昇華している点が秀逸。

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posted at 21:34:47

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月26日

その一方で現実の事件も凝りに凝ったトリックで魅せてくれる。ある意味、本作の構成が絶妙なミスリードになっており、迂闊にも自分は全く気付くことができなかった。とはいえ作者がこの構成で一番目指したのは不思議の国を再現することだったのではないだろうか。本作は酩酊感を伴う本格の傑作である。

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posted at 21:35:19

2011年12月29日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月29日

草川隆「『萩原朔太郎』殺人事件」読了。東京・乃木坂で発見された女の生首には何故か萩原朔太郎の詩になぞられて頬には青インクが塗られ、口の中にはツリガネソウの花弁が入れられていた。事件の容疑者と見られた死んだ妹・有羅の疑いを晴らすため、朔郎は親しい女性編集者と共に真犯人を探し始める。

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posted at 18:08:00

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月29日

バラバラ死体に萩原朔太郎の詩による見立て殺人と、冒頭で提示される謎自体はまずまずだが如何せんその後の捜査が恐ろしく地味過ぎる。犯人当ての魅力に乏しい点に関してはアリバイ崩しがメインと考えればまだ許せるが、そのアリバイ崩しにしても定型的で見るところがあまりないのは正直いただけない。

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posted at 18:08:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月29日

その挙げ句、探偵役が何をするわけでもなく犯人側が勝手に自爆して終わるので、消化不良感が半端ない。解説では本作のことを意欲作と言っていたけれど、個人的にはどこら辺が意欲的なのかさっぱり分からなかった。

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posted at 18:08:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月29日

倉阪鬼一郎「白い館の惨劇」読了。風変わりな館、記憶喪失の名探偵、密室殺人、ダイイング・メッセージ、クローズド・サークル、仮面で顔を隠した母娘……本作は第一部だけ読むと別人が書いたとしか思えないコード型本格ミステリだが、最後まで読むとどうしようもなく倉阪なのでご安心(?)を。

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posted at 18:55:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月29日

とはいえ、そんな第一部にしても執拗なまでのアナグラムやトンデモトリックなどそこかしこに倉阪らしさは感じることはできる。だが作者が本領発揮するのはやはり第二部からだろう。展開は正にホラーのそれであり、事件の真相が明らかになっても不穏な空気は最後まで消えることはない。

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posted at 19:01:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月29日

本格ミステリとホラーのハイブリッドというより、ホラーに本格ミステリが完全に食われてしまった感があるが、この歪な構造は個人的には嫌いではない。

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posted at 19:02:34

2011年12月30日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月30日

長井彬「萩・殺人迷路」読了。萩焼の人間国宝・大杉源之助の弟子が殺され、それから間もなく大杉自身も自宅の離れで服毒死しているのが発見される。状況的に見て大杉が弟子を殺害後、自殺したと思われたが、弟子が殺された時刻、大杉は既に死んでいたばかりか現場が密室状態だったことが発覚し――。

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posted at 19:31:32

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月30日

本作は何と言っても密室の扱い方が面白い。本作に登場する二つの密室は言うなれば犯人の想定しない密室であり、第一の密室は、死者が密室を破って殺人を犯したとしか思えない不可解な状況で、読者を惹き付ける魅力的な謎として機能している。

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posted at 19:31:57

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年12月30日

それが一転、謎解きに至ると、突如浮かび上がる第二の密室と共に状況証拠として犯人を追い詰めることになるのだ。この皮肉な構図の反転も秀逸だが、一方でやきものというテーマがきちんと作品に活かされている点も○。本作は素人探偵コンビによる軽妙な掛け合いが楽しい旅情本格ミステリの良作である。

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posted at 19:35:26

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