麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2015年05月15日(金)
但し最後の事件に関しては連作として纏める都合上、面白い解とは言い難いのが残念だが、それでも伏線の妙を感じることはできる。レーベル的にミステリ好きで手に取る人は少ないかもしれないが、本格ミステリとしても普通にお勧めできる良作である。
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posted at 22:35:22
また扱われる事件は不可能状況からホワイダニットまで幅広いバリエーションを取り揃えており、中には構図の反転をかました後にフーダニットへと繋げるなどなかなか凝った構成で魅せてくれるものまである。
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posted at 22:35:03
探偵役に求められるのが真相よりも面白い解決という異色連作ミステリ。作中で度々、カーやチェスタトン、クリスティなどが引き合いに出される時点で作者がかなりのミステリ好きであることが窺えるが、ただ引き合いに出すのではなく解決の方もそれらを踏まえたものであるのが素晴らしい。
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大槻一翔「薫子さんには奇なる解を」読了。密室状況から消えた本、失われたメロディの意味、ドッペルゲンガーの謎、そして回想のホワイダニット――今日も僕は彼女・九条薫子さんのために謎を解く。彼女は言う。「事実が面白ければ正解を。つまらなければ、桐生くんの考えた奇なる解を教えてください」
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posted at 22:34:34
2015年05月10日(日)
逆に最も微妙なのが表題作で、ダイイング・メッセージが出てきた瞬間にある程度ミステリを読み慣れている人であれば容易に真相が読めてしまうため、折角の決め手があまり効果を上げていないのが残念。
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posted at 19:42:34
オーソドックスではあるが、犯人を追い詰める際の演出も実に効果的。次点は追突事故に見せかけた殺人という変わり種の「知らなかった」で、事件の焦点がどこにあるのか、ぎりぎりまで掴ませない展開は面白いが、そこが判明して以降は些か駆け足気味なのが惜しい。
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posted at 19:41:24
検事・霞夕子が探偵役を務める倒叙ミステリシリーズの一作。とはいえ表題作のみは例外で通常のミステリ同様、犯人が伏せられている。全編、基本的に事件の重要なキーワードがタイトルになっているが、中でも最もその使い方が上手かったのは女友達の復讐劇を描いた「早朝の手紙」だろう。
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posted at 19:41:12
夏樹静子「夜更けの祝電」読了。バツイチOLが39回目の誕生日を迎えた夜に突然届けられた数本の紅いバラ。そして翌朝彼女はダイイング・メッセージを残して死んでいるのが発見された……。表題作を始め外部犯の殺人、交通事故、無理心中などに見せかけられた四つの事件に検事・霞夕子が挑む短編集。
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posted at 19:41:00
その他の短編にしても真相がバレバレだったり、伏線が取って付けたものだったりと気になる点が多く、どちらかといえば事件を通して描かれる人間ドラマを楽しむのが吉だろう。唯一例外なのは表題作で、奇抜な展開と捻りのきいたオチに唸らされる傑作である。
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posted at 19:40:50
光文社文庫版の解説によれば本作に収録されているのは全て本格物の推理短編となっているが、本格としての出来はかなり微妙。例えば「夜空に~」は謎は面白い反面、真相に意外性は全くなく、ただのメロドラマで終わってしまっているのが難。
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posted at 19:40:31
樹下太郎「散歩する霊柩車」読了。告別式が終わった後、夫が不貞を働いて自殺した妻の相手を探すべく霊柩車で関係者の家々を廻っていく表題作の他、あるネオンが停止すると必ず東京近郊の河川で水死人が出る謎を扱った「夜空に船が浮ぶとき」など八編を収録。
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posted at 19:40:01
2015年05月09日(土)
その真相の気付きとしてあるエロミス要素(!)が関わってくる点も巧いし、何気に毒殺トリックとタバコを巡るロジックも地味に決まっている。個人的にはシリーズ中一、二位を争う佳作である。
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posted at 23:07:54
推理作家・氏家周一郎が探偵役を務めるシリーズの一作。何故か中止にならない恐怖の殺人ツアー(!)展開は相変わらずながら、ミステリとしての見所は多く、特に秀逸だったのはミスディレクションと手掛かりを兼ね備えたダイイング・メッセージと、実は○○○○物だったという真相だろう。
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posted at 23:07:37
中町信「阿寒湖殺人事件」読了。次回作の取材のため、妻と共に道東めぐり三泊四日ツアーに参加した推理作家の氏家周一郎だったが、その初日から阿寒のホテルでツアー参加者の男が殺される事件に遭遇。やがて事態は連続殺人へと発展し、三ヶ月前に登別で起きた信用金庫強盗事件との接点が浮かんでくる。
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posted at 23:07:22
さりげなく添えられたアリバイトリックも被害者の設定を巧く活かしているのが○。また決め手となるある特殊知識にしても、手掛かりはきちんと提示されているのでそれ自体は知らなくてもどんなものか推察するのは十分可能だろう。本作は中町作品を読み慣れた人でも真相を見抜くのは難しい秀作である。
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posted at 23:07:14
プロットの錯綜度でいえば、これまでに読んだ作者の著作の中でも間違いなく上位に入る作品。とにかく多重推理ならぬ多重ミスディレクションの凄まじさが圧巻であり、その中のある展開は折原一作品にも通じるものがある。
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posted at 23:06:42
中町信「十和田湖殺人事件」読了。鹿角刑事の妻・容子が旅行先の十和田湖で転落死した二ヶ月後、釧路空港を離陸した大和航空機が墜落した。搭乗者名簿の中には容子の事件に関わる四人の名前があり奇跡的に助かった一名は記憶喪失に。そんな中、事故現場から容子の死が他殺だと示唆する遺書が見付かる。
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posted at 23:06:19