麻里邑圭人
- いいね数 9,797/10,375
- フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年06月30日(木)
とはいえ、そこに至るまでの展開に堪え忍んでまで読む価値があるかと言われるとかなり微妙なところであり、個人的には作者ならもっと面白くできたのでは? と思ってしまう非常に惜しい作品である。
タグ:
posted at 19:43:46
言うなれば本作で用いられている仕掛けは前作の応用編であり、正直前作を読んでいる人間にとっては驚きは少ないかもしれないが「どこからそれが仕掛けられていたか?」に着目するとなかなか面白いものがある。
タグ:
posted at 19:43:31
「アリス殺し」の続編。前作に比べると魅力的な謎や先が気になるような展開がほとんどないため、正直謎解きに入るまでは退屈の一言に尽きる。しかしながらミステリ的仕掛けに関して言えば、見るべきところもなくはない。
タグ:
posted at 19:43:17
小林泰三「クララ殺し」読了。大学院生の井森はここ最近、自分がビルという名前の蜥蜴になっている異世界の夢をよく見ていた。ある夜、彼は夢の中で車椅子の美少女・クララと出会ったが、現実でも彼女そっくりな「くらら」から何者かに命を狙われていると助けを求められる。
タグ:
posted at 19:42:55
2016年06月28日(火)
その他の収録作は「デブを捨てに」に比べると今一歩な印象が否めないが、個人的には「陽気な蠅は二度、蛆を踏む」における運命の悪戯とその結果もたらされる哀愁たっぷりの結末は一読の価値あり。
タグ:
posted at 23:56:24
それでいて泣かせるところはきっちり泣かせるし、カッコいいところもしっかり盛り込まれている。キャラにしても普通ならドン引くようなキワモノばかりのはずなのに、気付けばすっかり感情移入するようになっているという、何とも不思議な魅力に満ちた作品である。
タグ:
posted at 23:55:47
「デブを捨てに」とコンセプトを同じくする作品集。目玉はなんといっても表題作で、突如淫売宿へやって来た動物たちに娼婦たちが客を奪われる(!)展開とそれ故に付けられたタイトルの意味には爆笑の一言。
タグ:
posted at 23:55:12
平山夢明「ヤギより上、猿より下」読了。寂れた淫売宿に突如現れたオランウータンとヤギの存在が娼婦たちを脅かすようになる表題作を始め、殺し屋が偶然知ったターゲットの正体に苦悩する「陽気な蠅は二度、蛆を踏む」、ボケ老人相手に小金を稼ぐ男が娘の捜索を依頼される「婆と輪舞曲」など四編収録。
タグ:
posted at 23:54:53
行動派と理論派のコンビが四つの日常の謎を解く連作ミステリ。全体的に検証が丁寧なのは好印象だが、その丁寧さ故に途中で真相が読めてしまいがちなのが残念。そんな中、切り裂かれた絵画の謎を扱った第四話のみは動機部分にもう一歩踏み込むことで青春ミステリらしい葛藤を描き出している点が秀逸。
タグ:
posted at 10:43:13
萩原麻里「小和田くんに隙はない?飯田さんの学園事件簿」読了。行方不明の猫、密室から消えたお菓子、宛先不明のラブレター、切り裂かれた絵画……気になることはとにかく首を突っ込みたがる飯田さんとクールだけど飯田さんを放っておけない小和田くん。そんな二人が巻き込まれた四つの事件とは?
タグ:
posted at 10:41:37
2016年06月20日(月)
ミステリとしての見所はやはり第三部で、法廷パートでの絶体絶命の状況下を一気にひっくり返す展開もさることながら、最後に語られる久保の死の真相も地味に意表をついていて○。派手さはないが、難しいテーマを堅実に書き上げた良作である。
タグ:
posted at 00:19:12
海難審判という珍しいテーマを扱った長編ミステリ。専門知識に裏打ちされた緻密な文体によって描かれるサスペンス劇も本作の見所の一つだが、それだけではなく美しく成長した久保の妹・千鶴子とのラブロマンスがより一層物語を盛り上げてくれる。
タグ:
posted at 00:19:01
高橋泰邦「衝突針路」読了。貨物船多聞丸は濃霧のたちこめる三陸沖を航行中、貨物船ひさか丸と衝突した。沈みゆく多聞丸からほとんどの乗組員は脱出したが、ただ一人、久保二等機関士のみが謎の溺死を遂げる。衝突時の当直だった小野寺二等航海士は来る海難審判に備える一方で久保の死の真相を追う。
タグ:
posted at 00:18:47
2016年06月18日(土)
特に良かったのは見立ての理由と犯人の正体で、前者は物語の展開そのものが絶妙な隠れ蓑になっている点が、後者はキャラ描写と思わせたところが後々重要な伏線になっている点が秀逸。時代性を反映させた結末の余韻も忘れ難く、全体的にいい意味で探偵小説らしさが感じられる佳作である。
タグ:
posted at 20:22:35
名探偵・呪師霊太郎シリーズの二作目。旧家で起こる連続見立て殺人を扱った本作は真相の一部こそ見抜きやすいかもしれないが、それだけでは終わらず更にその裏に隠された真相を用意しているのは好印象。
タグ:
posted at 20:22:18
山田正紀「金魚の眼が光る」読了。母さん、帰らぬ、さびしいな。金魚を一匹突き殺す――昭和12年冬の柳河、跡目争いで紛糾する綺羅家で北原白秋の童謡「金魚」に見立てた連続殺人が起きる。事件は夭折した天才詩人・中島白雨の呪いによるものなのか?
タグ:
posted at 20:21:51
2016年06月17日(金)
一方「H.N.」は「1st,April,1999」を彷彿とさせるコンゲーム物で、一部の真相こそ見えやすいものの、緻密な計算とこのシリーズならではの豪腕で成立させた策略は爽快の一言に尽きる。ラストも実に心地よく、陰惨な殺人劇の後に相応しい一服の清涼剤とも言うべき快作である。
タグ:
posted at 13:34:47
不可能犯罪のシンプルなトリックも悪くないが、どちらかといえば最後に明かされる構図の方にこそ、ここ最近の作者の本領が見て取れる。個人的には仁木悦子「幽霊と月夜」に匹敵するネタの詰め込みぶりが素晴らしい傑作である。
タグ:
posted at 13:34:31
まず「碧の巫女」の密度の高さが凄い。死体の隠し場所を言い当てた巫女の占い、海水に沈んだ洞窟に突如出現した死体、足跡なき殺人といった魅力的な謎の連打だけでも十分引き込まれるのに、そこへ更に得意の数学ネタまで盛り込んで殺人劇の裏に隠された構図を実に鮮やかに浮かび上がらせてくれるのだ。
タグ:
posted at 13:34:09
加藤元浩「Q.E.D.iff」4巻読了。リゾート開発を巡り対立が深まる小さな島で起きた不可能状況下での連続殺人劇「碧の巫女」、オンラインカジノへのサイバー攻撃に端を発するハッカーたちのPC上にとどまらない世界を股にかけた頭脳戦に燈馬が挑む「H.N.」の二編収録。
タグ:
posted at 13:33:55
しかしながら予測不可能な展開に拘るあまり、粗筋から大方の読者が期待するような毒殺事件の真相を悪い意味で裏切ってしまっている印象が強く、加えて本格ミステリを謳うにはいまいち伏線の決定力に欠けると言わざるを得ない。
タグ:
posted at 02:05:14
一言でいうなら、作者のデビュー作である「ラガド」を今書いてみたらこうなりました的な作品。但し気が付いたら流水大説(!)になっていた「ラガド」に比べると、こちらはまだ地に足がついた内容になっている。
タグ:
posted at 02:04:55
両角長彦「人間性剥奪」読了。都内のとある中学校の給食時間。突然、複数の生徒が苦しみ出し、五人が病院へと搬送、うち二人が死亡した。何者かがデザートのフルーツみつ豆に毒物を混入させたのだ。犯人はいつ、どうやって毒を入れたのか? そしてその目的は?
タグ:
posted at 02:04:20
2016年06月16日(木)
勿論リーダビリティだけではなくミスディレクションもきっちり盛り込まれており、その仕掛け方はどことなく新本格にも通じるものがある。一方、物語の展開自体は定番ながらツボを押さえた書きぶりで極限状況下の人間ドラマをじっくり読ませてくれるのは○。
タグ:
posted at 01:22:33
作者の新境地と言うべき一気読み必至のモンスターパニックホラー小説。とはいえ、そのモンスター誕生の背景にきっちりと社会派要素を盛り込んでいるのが何ともこの作者らしい。またこの作者らしいといえばミステリ的仕掛けも健在で、今回も抜群のリーダビリティに誤魔化されて見事に騙されてしまった。
タグ:
posted at 01:21:55
葉真中顕「ブラック・ドッグ」読了。目的のためには殺人も辞さない過激な動物愛護団体〈DOG〉。その〈DOG〉によって遺棄動物の譲渡会とペット販売が行われるイベント会場に集まった人々が会場に閉じ込められ、見たこともない黒い獣に襲われる。閉鎖空間で生き残るのはヒトか、ケモノか――。
タグ:
posted at 01:21:38
2016年06月09日(木)
本作で最も感心したのはその連作全体を繋げるアイディア――密室から四人の娘が消失した真相としきの花の正体で、前者はあるものを活かしたメタ的とも言える仕掛けに唸り、後者はその悪魔的正体に慄然すると共に美を追い求めた先にある危うさに胸を打たれた。
タグ:
posted at 00:47:20
華道の一派・塘松流を巡る不可解な事件を描いた連作長編。解説によると作者が雑誌連載された四編だけで纏めることをよしとせず、連作全体を繋げるアイディアを思い付くまで待ったとのことだが、その判断は正しかった。もし仮に当初の四編だけで纏めていたら本作をそこまで評価していなかっただろう。
タグ:
posted at 00:46:46
山田正紀「花面祭 MASQUERADE」読了。東京大空襲の最中、塘松流先代家元・芦田挿花を残して密室から四人の娘が消失し、その二年後に挿花もまた密室で謎の死を遂げた。それから四十年の時を経て、再び塘松流を惨劇が襲う。事件の鍵を握る輪廻転生の花――しきの花とは何なのか?
タグ:
posted at 00:46:36