麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年11月14日(木)
次点は第二話「櫻屋敷の窓からは」で余命幾ばくもない老人にしか見えないひとたちという哀愁と幻想に彩られた謎とそれが解明されることによって見えてくる老人の人間像が○。惜しむらくは第五話だけがそれまでの作風から浮いていることだがそこを差し引いてもゴシック好きにはお勧めしたい逸品である。
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posted at 21:48:36
そしてその謎を解き明かすヒントとなる映画のチョイスがまた絶妙で、時に「この内容でこの映画を持ってくるの!?」という意外性があるのも心憎い。特に意外性で言えば第四話「艶やかな骸骨のドレス」が秀逸で、映画の蘊蓄と魅力的な謎、そして結末の美しさと収録作中ベストと言っていいだろう。
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怪奇小説やショートショートの書き手として知られる作者が「竹馬男の犯罪」以来、久々に手掛けた本格ミステリの連作。一言で言えば井上雅彦版黒後家蜘蛛の会であり、ショートショート作家らしくシンプルなネタを怪奇と幻想に満ちた謎に仕立て上げる技巧が実に素晴らしい。
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井上雅彦「珈琲城のキネマと事件」読了。密室で猛獣に襲われて死んだ男、桜吹雪の舞い散る窓から瀕死の老人を迎えに来た見えないひとたち、蠟人形の美女に全てを捧げた人形作家……。怪奇と幻想に満ちた事件の数々を元名画座の喫茶店に集う客たちが映画への深い造詣を元に解き明かす連作ミステリ。
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2019年11月09日(土)
とはいえ、その物理的な無機質のトリックは発想としては悪くないし、ある描写が後に犯人が残した証拠として機能する点も○。しかしながら第二の被害者の行動が悪い意味でバカすぎるため、正直キワモノ好きで寛大な心の持ち主にしかお勧めできない作品である。
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ちなみに本作について作者は「推理小説の場合、ベッドシーンはべつに必要ではない。そこに事件を解決する鍵が隠されていなければならない。(中略)この小説は、色と、物理的な無機質のトリック、この二種混合の作品である。」と語っているが自分が読んだ印象だとその二つは乖離しているように感じた。
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官能小説の書き手が手掛けた長編ミステリ。冒頭から「○リトリスからオシッコ」というパワーワードの連発に頭がクラクラするが(しかもそれを発言したのが医大卒業生というのがまたひどい)残念ながら本作は終始そういうノリなので少しでもまともな展開を期待する人がいたら速やかに諦めてもらいたい。
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川上宗薫「夏が殺した」読了。三流医大を卒業するも国家試験に失敗して浪人中の葉山昭はひょんなことからデートクラブの風俗嬢が絞殺され、壁の高いところに吊るされた事件の容疑者として疑われてしまう。それから間もなくして今度はデートクラブの経営者の男がホテルの密室で絞殺されてしまい――。
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posted at 18:33:20
あとがきによると、このシリーズは三巻までが前半、五巻から後半であり、四巻はちょうどその橋渡しになる中間の巻とのことなので、物語の本性を覗かせ始めるという次巻以降に期待したい。ちなみに作中で唐突に出てくる内容とは全く関係ない「夢野久作」というワードに思わず笑ってしまったw
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二重人格の少女と僕の恋愛模様を描いたシリーズの四作目。文化祭回だった前作に対し、本作は修学旅行回と着実に学園物の定番で攻めているものの、中身の濃かった前作に比べると今回は分かりきった着地点ということもあり、どうしても長い遠回り感が否めない。
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岬鷺宮「三角の距離は限りないゼロ4」読了。わたしたちと矢野くんとの恋が終わりを迎えて以来、おかしくなった矢野くんを元に戻すべく、修学旅行でわたしたちは奮闘する。そう――たとえ、わたしたちがもう、恋人ではないとしても。僕と「二重人格」の彼女たちが紡ぐ、三角関係恋物語第四章。
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2019年11月07日(木)
しかしながら名探偵小説として割り切って読めば読み所は多く、特に「双鴉橋」における多重推理にも似た形式で描かれる名探偵とワトソンの距離感はなかなか面白いものがある。またシリーズの売りの一つであるホームズ譚の現代アレンジという点でもセンスが感じられる作品である。
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名探偵キングレオとその助手・大河の活躍を描きつつルヴォワールシリーズのキャラも登場する連作シリーズの二作目。但し本格ミステリとしても楽しめた前作とは打って変わって今回は完全なキャラ小説になってしまったため、そちらの要素を期待すると正直物足りなさは否めないだろう。
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posted at 22:15:44
円居挽「キングレオの回想」読了。天才的頭脳の少年・論語は若きスター探偵・獅子丸に“忘れられない女性”プルミエールの正体を知りたいと依頼する。一方、助手の大河には、さる高貴な男性の醜聞が持ち込まれる。醜聞の相手は大河のかつての恋人で……。「大宮の醜聞」含む全五編収録。
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2019年11月02日(土)
それでいて“意外な犯人”に関しても抜かりがなく、プロットの中に巧みに隠されていたその正体には思わず唸らされることだろう。本作は個々の事件の真相よりもその裏に隠された企みにこそ見るべきところがある、歴史ミステリの佳作である。
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主眼は孔明と司馬仲達の間で繰り広げられる謀略劇であり、事件はあくまでそれに付随して起きたものに過ぎない。だからこそ孔明が探偵役でなければいけないわけで、ただの趣向で終わらせず、きっちり探偵役としての必然性を用意した点には全くもって恐れ入る。
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posted at 18:29:47
「孔明を探偵にしたミステリー」という注文で書かれた歴史本格ミステリ。本作でまず興味深いのは孔明と司馬仲達が今まさに臨戦態勢で睨み合っている五丈原を舞台にしている点であり、五丈原で起こる事件の数々は探偵役の孔明によって解明されはするものの、あいにく本作の主眼はそこではない。
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posted at 18:29:37
辻真先「孔明推理綺譚 幻説五丈原」読了。孔明と司馬仲達が対峙する五丈原で次々と起こる奇怪な事件。密室で矢に射殺された娼婦、龍となって飛翔する美女――頭脳明晰、沈着冷静な孔明が忠臣・姜維と共に怪事件の謎に挑む。そして事件の裏には孔明さえ予想できなかった意外な人物の存在が……。
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posted at 18:29:17