麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年11月30日(土)
「劇場版ガンダム Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター」観了。TVアニメ版と比べて話が分かりやすくなったのもさることながら、エンタメ性やアイーダ絡みのドラマ性がアップしてるのは○。ただその反面、エンディングや次回予告の雑さが気になってしまった(とりあえず次回も観に行く)。
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2019年11月29日(金)
加えて犯人を絞り込むロジックは驚くほどシンプルであり、そこから逆算することで事件の構図が浮かび上がるところが素晴らしい。だがその反面これだけの犯罪計画を支える肝心の動機が貧弱過ぎるのが気になるが、それを差し引いても本作が名作と呼ばれるのも充分頷ける秀作である。
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posted at 22:25:00
プロットが某古典ミステリを思わせる国名シリーズの一作。連続首なし殺人というとミステリ読みなら真っ先にある疑いを持つかもしれないが、本作ではそれを先読みしていたかのように途中である意外な事実を明かして読者の思考を停止させてみせる点がまず秀逸。
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エラリー・クイーン「エジプト十字架の秘密」再読了。T字路に立つT字型の道標に磔にされたT字型の首なし死体、そしてドアに描かれたTの血文字……ウェスト・ヴァージニアの片田舎で起きたこのTで彩られた殺人事件はやがて第二、第三の被害者を出すに至り、エラリーを大いに悩ませる――。
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2019年11月27日(水)
ベストは三編目の「魔法使いと五本の傘」で、シリーズ二作目「魔法使いと刑事たちの夏」以来の傘を巡る、日常生活あるあるネタを巧く活かした仕掛けで驚かせてくれる。またミステリ部分以外でもマリィがどういう経緯で「奥さまは魔女」になるのかユーモアたっぷりの語りで楽しませてくれる作品である。
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posted at 21:36:16
タイトルからも分かる通り魔法使いマリィと変態刑事・小山田のコンビが活躍するシリーズの最終作。相変わらずネタは小粒ながら倒叙ミステリらしく全編謎解きの場面で「どこで犯人がミスしたのか?」が際立つ構成になっているのがいい。
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posted at 21:36:08
東川篤哉「魔法使いと最後の事件」読了。咄嗟の機転でアリバイが成立したお笑い芸人、ダイイング・メッセージの捏造を画策する塾講師、肝心の場面で傘を取り違えた後輩社員、雷の奇跡から犯行を計画した個人投資家……家政婦魔法使いと変態刑事のコンビが四人の殺人者を追い詰める連作倒叙ミステリ。
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2019年11月23日(土)
また前作で謎とされた主人公たちの過去の因縁が最後の話で語られるのはいいが、ミステリ的にも物語的にもそれが一番微妙なのもいただけない。とはいえ個人的に良かったものを挙げるなら、何気ない気付きの妙と逆転の発想が光る「穴の開いた密室」と「最も間抜けな溺死体」の二編を推したい。
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二人の探偵が不可能(HOW)と不可解(WHY)というそれぞれの得意分野で謎を解く連作シリーズの二作目。前作と比べると魅力的な謎こそ減ったものの全編捻りを加えて一筋縄ではいかない構成にしているのは○。但し中には捻った結果、人物の掘り下げが甘いせいで動機面で釈然としないのが気になった。
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青崎有吾「ノッキンオン・ロックドドア2」読了。密室殺人と思いきや壁に巨大な穴が開けられていた犯人の目的は? トンネルに入ったきり忽然と姿を消した女子高生は一体どこへ? 不可能専門の探偵・御殿場倒理と不可解専門の探偵・片無氷雨の二人が六つの奇妙な事件に挑む連作ミステリ。
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2019年11月21日(木)
特に秀逸なのは強烈な間宵の母をメインにすることでその裏に隠されていたある人物の負の部分をより際立たせている点であり、そういった所に作者の本領が発揮されていると思う反面、キャラの印象が変わってしまったことで結末にそれほど怖さが感じられないのが難。とはいえ充分良作と言っていいだろう。
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タイトルにもなっている間宵の母に関わってしまった人々の悲劇をオムニバス形式で描くホラーミステリ。ホラーミステリというと三津田信三の諸作品を思い出すが三津田が怪異を伏線の隠れ蓑にするのに対し本作ではこの作者らしい人間の厭らしさとリーダビリティの高さで伏線を隠蔽しているのが興味深い。
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歌野晶午「間宵の母」読了。小学三年生の詩穂と紗江子は親友同士だったが、紗江子の義父と詩穂の母が失踪、駆け落ちしたのを機に紗江子の母は精神に異常をきたし、詩穂も父親からDVを受けるようになる。その後、二人は地獄のような人生を送ることになるのだが、実は驚くべき真実が隠されていた。
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2019年11月20日(水)
まず断っておくと本作は「九つの殺人メルヘン」を読んでいること前提の作品であり、ミステリ部分よりも作中で展開される作者の物語論の方が印象に残るだろう。そしてその物語論が本作そのものをシリーズ全体のオチとして際立たせている。少なくともシリーズ読者であれば結末に納得がいく作品である。
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posted at 14:09:12
「九つの殺人メルヘン」から始まる、大学院生・桜川東子が安楽椅子探偵形式で難事件を解き明かすシリーズの最終作にして初の長編作品。とはいえ一応シリーズ番外編という形でなら「邪馬台国はどこですか?」に登場する早乙女静香と共演した長編作品「すべての美人は名探偵である」も存在する。
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鯨統一郎「三つのアリバイ 女子大生 桜川東子の推理」読了。バー〈森へ抜ける道〉に集う、マスターの島、工藤、山内のヤクドシトリオは店の近くで起こった未解決の宝石盗難事件の話題になぜか動揺する。いつもの酩酊推理談義は、宝石盗難に遭った社長夫人が変死した事件とも絡んで、意外な方向に……。
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2019年11月19日(火)
ちなみに本作の連続殺人劇パートで展開される推理は極めてロジカルであり、そこだけでも本格ミステリファンは満足いくだろうが、個人的には是非とも最後まで読んで作者の企みに愕然としてもらいたい傑作である。
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尤も連続殺人の真相が明かされた直後はまだ完全にはピンとこないかもしれない。しかしながら最後まで読み終わると、ようやく物語の構造が理解できる仕掛けになっていて連続殺人の真相に続いて読者は二度驚くことになるだろう。それは正に「世界の姿は反転する」という謳い文句に偽りなしである。
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「ビアンカ・オーバーステップ」で星海社FICTIONS新人賞を受賞した作者の二作目。ファンタジー的世界観で始まった物語はいつしかクローズド・サークルで起きる連続殺人劇となるが、本作が秀逸なのは何と言ってもその連続殺人の真相と世界の秘密が直結している点だろう。
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筒城灯士郎「世界樹の棺」読了。王城にメイドとして仕える少女・恋塚愛埋は〈古代人形〉が暮らすという巨木〈世界樹の苗木〉の調査に出向き、閉ざされた館で起こる連続殺人に巻き込まれる。殺された少女は、そして犯人は“人間”か“人形”か?〈世界樹の棺〉の秘密が暴かれた時、世界の姿は反転する――。
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2019年11月17日(日)
とはいえ本作で一番光っているのは短編の時と同様、ある定番の仕掛けに海外ならではの事情を盛り込んだ点だろう。またそういったミステリ部分以外にも裁かれない巨悪に対するやり場のない怒りや当時のサラリーマンの悲哀が印象に残る作品である。
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「ベルリンの女」に収録されている短編「国際電話会社殺人事件」を全面的に改稿し長編化した作品。長編化するにあたり、新たに密室からの人間消失という謎が加わったほか、事件の構図に関してもより捻ったものになっているのは○。
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高柳芳夫「維納の森殺人事件」読了。KDD事件で自殺した矢須田参与の直属の部下である赤井はしきりに「赤毛の女に殺される」と口走る。それから間もなく赤井が施錠されたホテルの一室でナイフで刺されるのを外交官の草葉らが目撃するも、なぜか死体は消失。やがてウィーンの森のはずれで発見される。
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posted at 20:16:37
ミステリとしてみると手掛かりの出し方がこなれていないせいでせっかくの犯人の意外性が台無しになってしまっているのが難だが、トリック面ではなかなか練られており特に死体が箪笥の中にあった理由に関しては設定を活かした巧さがある。本作は事件のシチュエーションとハウダニットが光る良作である。
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posted at 20:16:20
過去と現在で起きた二つの密室殺人の謎を扱った長編ミステリ。密室殺人の謎も魅力的だが、それに作者が得意とする異国情緒と残酷な運命に弄ばれる男女のラブロマンスも加わり、物語を大いに盛り上げてくれるのが○。
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高柳芳夫「ライン河の白い霧笛」読了。ライン河畔デュッセルドルフで実業家ヴォルフマンが施錠された室内の、箪笥の中で窒息死しているのが発見された。そして現場となった雪の降り積む屋敷一帯に残されていた足跡は妻・百合子のものだけだった。だが犯人として名乗り出たのは同家の運転手・鷹見で――。
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2019年11月16日(土)
「ターミネーター:ニュー・フェイト」観了。設定的に面白い所がなくはないし2以降に作られたターミネーター映画としては一番出来がいいものの結局やっていることは2と変わらない上にアクションの新鮮味が殆どないので蛇足感が否めないのが難。マンネリととるかお約束ととるかで評価が分かれる作品。
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トリックに関して言えば目新しさよりも舞台を活かした小道具の使い方が巧く、特に大掛かりな仕掛けが目を惹く表題作や「国際電話会社殺人事件」は作者の作品で度々見られる社会派要素――事件の背後にあるもののどす黒さが強い印象を残す。本作は作者の引き出しの多さが伺える手堅く纏まった良作である。
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国際色豊かなミステリ短編集。収録作の七編中半分以上が本格物だが、その他の作品も幻想ホラーや心理サスペンスなどバラエティに富んだ物語で楽しませてくれる。本作に収録された本格物に共通して言えるのは前半はサスペンス展開で、徐々に隠されていたトリックの存在が浮かび上がってくる構成がいい。
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高柳芳夫「ベルリンの女」読了。窓から目撃した死体なき殺人の光景、ノルウェーの地で発見された日本人男女の心中死体を巡る疑惑、何者かに命を狙われウィーンの森で殺された男、赴任先のベルリンで巻き込まれた殺人事件に隠された企み……海外を舞台にした本格や幻想など様々なミステリ七編を収録。
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