麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2020年04月21日(火)
更に犯人の行動にも一部釈然としないものがあるし過去の殺人事件の動機にしても取って付けた感が否めない。結果的に微妙な読後感になってしまったが、途中までは良かったので次回作に期待したい。
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posted at 18:03:38
まず主人公のトラウマとその絡ませ方、前前世の少女・木綿子の虐待の理由などプロットや設定に見える強引さもさることながら特殊設定ミステリとしてもルールが明確でないせいか、そういう解釈もできるという都合のいい推理の進め方で読んでいて非常にモヤモヤする。
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posted at 18:03:18
第十六回『このミステリーがすごい!』大賞の隠し玉として出版された特殊設定ミステリ。自分は三度目の生まれ変わりであると主張する少女と共に幽霊が棲む洋館で殺人事件の謎を解くという内容とキャラ描写自体は悪くないのだけど、いかんせん後半になるにつれ色々と粗が見えてくる。
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posted at 17:58:43
宮ヶ瀬水「三度目の少女」読了。大学生の関口藍は前世・前前世の記憶を所持して生まれてきたという少女・伊藤杏寿と出会う。彼女の生まれ変わりを防ぐため、前前世の少女・木綿子の生家である館を訪ねるが、その翌朝には当主の毒殺死体が発見され、現場には木綿子の署名が残されていた。
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posted at 17:58:15
2020年04月20日(月)
中でもとりわけ目を惹くのは冒頭の二つの事件の扱い方で、ある証言により一変する展開と捜査が進むにつれて見えてくる事件の構図が◯(そして、ここにも猫派犬派の要素がしっかりと活かされている)。本作は細かい気付きに至るまで徹頭徹尾タイトルに偽りなしの内容で楽しませてくれる良作である。
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posted at 18:49:04
タイトルにある通り、猫派と犬派の視点に拘った長編ミステリ。一見すると凸凹コンビによるユーモア捜査小説風だが、読んでみると意外にも(?)密室など様々なトリックが盛り込まれており、しかもそれらにもしっかりと猫派犬派の要素が活かされているのが好印象。
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posted at 18:48:29
本岡類「猫派犬派殺人事件」読了。早朝ジョギング中の主婦が草むらの中で愛犬家の男性の刺殺体を発見した。その三日前には児童公園で、付近でも有名な“猫ばあさん”が何者かに撲殺されていた。警視庁随一の犬好き釜本警部補は猫好きの芦田刑事と共に、犬と猫の気持ちになりきって犯人を追うが……。
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posted at 18:47:19
2020年04月19日(日)
しかしながらフーダニット物としてみると肝心の犯人を特定するために必要な伏線が一切ないため些か肩透かし感は否めない。とはいえ一応捻りは入れているし、その人物が犯人であることの説得力はきちんと用意されているので、ガチのミステリとして期待しなければそれなりに楽しめる作品である
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posted at 16:41:21
第32回ファンタジア大賞金賞+橘公司賞受賞作。車にはねられ、記憶喪失に陥った主人公が自分に言い寄る三人の美少女の中から自分を殺そうとした犯人を見付け出すその内容は言うなればハーレムラブコメ+フーダニットであり、ミステリ好きならば俄然興味を惹かれることだろう。
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posted at 16:41:05
川田戯曲「嘘嘘嘘、でも愛してる」読了。記憶喪失になった俺はなぜかクラスメイト、幼馴染、女友達の美少女三人から毎日アプローチを受けまくっている。男なら誰もが憧れるシチュエーションの日々。だが記憶を取り戻していくうちに、俺は思い出す。……この中に俺を殺そうとした子がいることを。
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posted at 16:40:08
2020年04月17日(金)
但しクリスティー「三幕の殺人」の一部ネタバレがあるので読む際はくれぐれも注意して頂きたい。その他、密室の首切り殺人を扱った新興宗教物の「邪霊」は首切りの動機よりもむしろ、あるものを使った密室のハウダニットにこそ見るべきものがある一編である。
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posted at 19:38:19
ベストは「毒唇」で暗闇の殺人のハウダニットが幻の女探しと結び付いて捻りのきいた構図を浮かび上がらせる点が秀逸。次点は不可能状況下の毒殺を皮切りに不可解な事件が続発する「死火山」で、犯人やトリックこそ分かりやすいが、二転三転する展開と殺人に至った犯人の動機が◯。
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posted at 19:37:23
新聞記者の日下部が探偵役を務める全五話構成の連作ミステリ。特筆すべきは全編、不可能犯罪を扱ったガチガチの本格ミステリであることで、時に伏線の丁寧さが災いして途中で読めてしまうことがあるものの、その魅力的な謎とシンプルながらも練られたトリックは一読の価値があるだろう。
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posted at 19:36:57
島田一男「箱根地獄谷殺人」読了。密室の離れで発見された破魔矢の刺さった死体、留守宅に残された全裸の腐乱死体、暗闇の中での殺人、不可能状況下の毒殺、霊力で首を切り離されたとおぼしき死体……温泉郷・箱根で次々と起こる奇怪な事件の数々を新聞記者の日下部が解き明かす。
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posted at 19:36:39
2020年04月15日(水)
尤も結末に関しては「弥勒の掌」的なものを予想していた自分としてはちょっと意外に感じたが、これはこれでいいのかもしれない。本作は久々に作者の本領が発揮された佳作である。
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posted at 18:56:12
但しどちらかというと本作は「殺戮にいたる病」よりも「弥勒の掌」の方に近いかもしれない。仕掛けとしてはいたってシンプルながらキャラ設定を巧く活かしたギャップ感が効果的だし、何より仕掛けを明かしてからの倒叙ミステリにも似た緊迫感ある展開とコンゲーム要素が実に秀逸。
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posted at 18:55:40
ある異常な状況に陥った一家を巡るサイコサスペンス物。〈『殺戮にいたる病』を凌ぐ驚愕作〉という本作の売り文句は同じ版元から出た「狼と兎のゲーム」でも使われていたが(厳密にはあちらは「衝撃作」だったが)完成度で言えば「狼と兎のゲーム」よりも本作の方がずっと出来がいい。
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posted at 18:55:22
我孫子武丸「修羅の家」読了。簡易宿泊所で暮らす晴男はレイプ現場を謎の中年女・優子に目撃され彼女の家に連れていかれる。そこには同じ格好をした十名ほどが「家族」として暮らしていた。一方、区役所で働く北島は初恋の女性・愛香とその家族が陥った地獄を知り、彼女を救い出そうと奮闘するがーー。
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posted at 18:54:12
2020年04月14日(火)
そしてトリを飾る二階堂人「帰雲城の仙人」(これもまた「忍者大戦 黒ノ巻」に収録された短編の続編)は他の四編と比べると本格ミステリとしては弱いものの、その代わりにこれでもかと注ぎ込まれた伝奇バトルと邪馬台国(!)のトンデモ真相でバランスを取った快作である。
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posted at 18:16:32
その他、森谷明子「ささやく水」は水のない場所で溺れ死んだ男という魅力的な謎と舞台設定を活かした真相、それに加えてある人物のロマン溢れる秘密と幕切れが秀逸。また黒田研二「幻術の一夜城」は有名な一夜城の謎を扱いつつも、ハッタリの効いた家康の仕掛けたトリックと史実との繋げ方がいい。
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posted at 18:16:02
次点は安萬純一「影に葵あり」で、「忍者大戦 黒ノ巻」に収録された短編の続編という形で繰り広げられる忍同士の死闘と、切断された両腕だけが残された謎を始めとした本格ミステリとしての仕掛けの絶妙なブレンドは、作者が完全にこの分野で才能を開花させたことの証左と言えるだろう。
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posted at 18:15:42
ベストは岡田秀文「小谷の火影」で、籠城戦の最中に次々と起きる事件はホワットダニットさながらの様相を示しており、そこに戦国時代ならではの緊張感ある駆け引きを盛り込んだ後に待ち受ける、時代小説を熟知した作者だからこその史実を完全に逆手に取った真相には唖然となること請け合いである。
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posted at 18:15:14
城で起きる事件をテーマにした全編書下ろしの時代ミステリアンソロジーシリーズ第二弾。先に出た〈東日本編〉もなかなか粒揃いの作品集だったが、本作もそれに負けず劣らずの高いクオリティーを維持しており、特に本格ミステリとして見た場合はこちらの方に軍配が上がるだろう。
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posted at 18:14:43
二階堂黎人編「御城の事件 西日本編」読了。一夜にして築かれた城の真相、籠城戦の最中に起きた不可解な事件、水のない場所で溺れ死んだ男、切断された両腕だけ残して消えた曲者……西日本各地の城を舞台にした事件を黒田研二、岡田秀文、森谷明子、安萬純一、二階堂黎人の五人のミステリ作家が描く。
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2020年04月11日(土)
るーすぼーい/古屋庵「無能なナナ」6巻読了。本土に舞台が移って最初の話は手垢のついた某ネタを扱いつつも、そのネタが分からない状態でどう追い詰めるかという切り口が面白い。加えてこの作品ならではのどんでん返しも盛り込んだ上できっちり次回への引きも作っているのはさすがと言ったところか。
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posted at 12:04:32
2020年04月09日(木)
加えて物語としても終盤は明らかに書き急いでおり、せっかくの余韻が台無しになってしまった感が否めない。どうせなら推理小説の形だけではなく、中身もきっちり練り込んでほしかった(あと唐突に挿入される場違いとも言える作者からのクイズ(!)にはちょっと笑ってしまったw)。
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posted at 19:56:11
一応本作にはアリバイトリックが盛り込まれてはいるものの、当時の交通手段と手垢のついたネタで構成されているので特に語るところはないし、Vの字の意味や死体の両目が抉られていた理由にしても読者が考えて解けるものではないのはいただけない。
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posted at 19:55:20
戦争の実相と今なお残る「戦後」を推理小説の形で書こうとしたーーとは本作に寄せられた作者の言葉だが、実際動機の背景となるその部分に関しては納得できるものに仕上がっているように思う。しかしながらミステリとしてみると正直問題があると言わざるを得ない。
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posted at 19:54:44
幾瀬勝彬「殺しのVマーク」読了。真山周子の叔父で新潟市の市議会議員・河原田宗作の許に、彼の名前に赤マジックでVの字が付けられた手紙が届いてから間もなく、東尋坊近くの海岸で両目を抉られた宗作の絞殺死体が発見される。周子は夫の俊一と共に事件を調べ始めるが、やがて第二の事件がーー。
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posted at 19:54:08
2020年04月08日(水)
しかしながら全くミステリ要素がないかと言えばそんなことはなく、たまに思い出したように(?)ミステリでは定番のトリックが用いられるのがちょっと面白い。とはいえミステリとして推すほどでもないので、良くも悪くもVシネマっぽいノリの話が好きな人であれば楽しめる作品である。
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posted at 18:03:50
官能サスペンスという触れ込みの本作だが、どちらかというとピカレスクロマンといった方が正しいかもしれない。一応、幸薄いヒロインを陰から助ける男・古谷礼一とは何者なのかという謎をメインにはしているものの、そこにミステリ的な見所はなく、あくまで物語のオチとしてそつなく活かしている。
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posted at 18:03:27
鷹見緋沙子「血まみれの救世主(メシヤ)」読了。蛭田組組長が愛人である尾山真由美の住むマンションの一室でベランダ越しに発射された弾丸により殺された。真由美はこれを機会に組との縁を切り新たな生活を志したが、暗い過去がそれを許さなかった。そんな彼女の前に古谷礼一と名乗る男が現れて……。
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posted at 18:02:56