麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2017年12月15日(金)
とはいえ、そこさえ目を瞑れば王道の展開でそれなりに楽しめるし、所々にミステリではお馴染みの要素が盛り込まれている点が幽霊事件シリーズも手掛けているこの作者らしい。個人的にはこのミステリ要素が今後仕掛けとしても活かされることを期待したい。
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posted at 20:14:35
美帆と圭の高校生コンビが怪異に挑むホラーシリーズの一作目。ちなみに作者曰くここで言うゾンビとは妖魔全般のことであり生ける屍のゾンビは本作では出てこない。その代わり本作にはある有名なモンスターが登場するのだが、正直そのモンスターをテーマにした小説としては目新しさは全くないだろう。
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posted at 20:13:53
風見潤「妖魔監視人(ゾンビ・ウォッチャー )」読了。白川美帆と同級生の大江圭とは先祖代々の宿敵。ある日、父が所長である「白川探偵事務所」に人魂騒動の調査依頼が舞い込んだ。興味津々の美帆は深夜、こっそり家を抜け出して捜索に。ところが圭とバッタリ。闇の中で二人が見たものとは?
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posted at 20:13:40
2017年12月14日(木)
個人的に面白いと思ったのはこの事件を別の視点から見てみた場合、島田荘司作品のような奇っ怪な状況になることであり、あえてそうしなかったところに本格ミステリ作家とエンタメ作家の違いが見て取れるようでなかなか興味深い。とはいえ本作が本格ミステリ的側面から見ても充分傑作なのは間違いない。
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posted at 22:08:52
本作の仕掛けは一見するとかなり無茶なように思えるが、軽妙な語り口と周到に張り巡らした伏線がそれを巧くフォローしている。また途中途中に入る作者による丁寧な状況説明も仕掛けの効果を高めるのに一役買っており、そういう点では倉知淳の某作を彷彿とさせるものがある。
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posted at 22:08:42
住宅街で起きた人質立てこもり事件の顛末を様々な人物たちの思惑を絡めながら描いた長編ミステリ。民家の人質立てこもり事件を扱った長編ミステリというと個人的には北村薫の「盤上の敵」を思い出すが、本作もまたそれに勝るとも劣らない仕掛けが盛り込まれている。
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posted at 22:08:24
伊坂幸太郎「ホワイトラビット」読了。仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。息子への、妻への、娘への、オリオン座への(?)愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていく――。
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2017年12月13日(水)
更にミステリ度も読み進めるにつれてどんどん希薄になっていく始末で「The unseen見えない精霊」が好きだった自分としては期待外れとしか言いようがない作品だった。
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posted at 22:31:50
但し本作はそれに比べるとユーモラスでもなければ語られる事件も正直面白くない。加えて「ロミオとジュリエット」の新解釈と事件の絡ませ方も巧くいっているかと言われるとかなり疑問だし主人公の名探偵設定にしてもあまり必然性は感じられない。
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posted at 22:31:33
「The unseen見えない精霊」でデビューした作者の十五年ぶりの二作目は居酒屋を舞台にした連作ミステリ。酔客たちによって語られる「ロミオとジュリエット」の新解釈とそれをきっかけにガラリと変える事件の構図……というと鯨統一郎の桜川東子シリーズを思い出す人もいるだろう。
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posted at 22:31:04
林泰広「分かったで済むなら、名探偵はいらない」読了。舞台は居酒屋「ロミオとジュリエット」。酔客たちがかの名作になぞらえて「名探偵」の前で、その怒りや悩みを訴える。みな、自分の事件の『本当の姿』を知りたくて──。
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2017年12月06日(水)
連続殺人の手口に関して言えばあっと驚く仕掛けは少ないながらも、その一つ一つはよく練られている(個人的には被害者の特徴を踏まえた第一の殺人のトリックが○)し、終盤の犯人の遺書で動機部分を丁寧に描き、本来の時代小説ファンへのフォローをきっちり入れている点は好印象。
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posted at 22:37:43
時代物としては珍しい孤島を舞台にしたクローズドサークルミステリ。事件現場に残された被害者の手記をもとに六人殺しの真相に迫っていく展開は正に本格ミステリのそれであり、その手の作品が好きな読者であれば時代物が苦手でも問題なく楽しめることだろう。
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posted at 22:37:14
鳴神響一「猿島六人殺し 多田文治郎推理帖」読了。門には女の生首。離れの布団には老武士の焼死体。井戸の近くには両目をくりぬかれた男の死体……浪人者の多田文治郎が浦賀奉行所与力を務める宮本甚五左衛門と共に立ち会った猿島の六人殺しの現場は凄惨の一言に尽きた。一体この島で何が起きたのか?
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posted at 22:36:54
2017年11月29日(水)
ただ最終作「吊られた男と語らぬ女」に関してはメタ的な視点から仕掛けが読めてしまうのでやや見劣りはするかもしれないが動機面を丁寧に掘り下げているのでさほど不満は感じられない。個人的には表題作と「恋人たち~」を推したいところだが総じて完成度の高い倒叙ミステリの佳作と言っていいだろう。
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posted at 23:45:28
そしてそれ以上に決め手となるあるものがどこに示されていたか読み返してみてびっくり。このぬけぬけとしたやり口こそ、この作者の本領である。続く三編目「恋人たちの汀」も被害者のある癖を活かしたロジックで唸らせてくれるだけではなく犯人の心情に踏み込んだラスト一行が実に心憎い。
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posted at 23:45:18
作者初の刑事コロンボ風倒叙ミステリ連作。全四編から成る本作は、最初の一編目「運命の銀輪」を読んだ時点ではそれほど凄みは感じられないかもしれないが、それも二編目の表題作から一変する。犯人が気付かれまいと細心の注意を払った結果、逆にそれが気付きになってしまうという倒叙の醍醐味。
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posted at 23:44:59
倉知淳「皇帝と拳銃と」読了。犯罪計画は完璧なはずだったのに……一体どこでミスを犯したのか? 恋愛小説家、主任教授、小劇団の主宰者、美人カメラマン──罪を犯した彼らを死神めいた風貌の警部が鋭利な推理で追い詰める全四編を収録。
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posted at 23:44:37
2017年11月25日(土)
何と言っても前半のタルさを吹き飛ばすようなスリリングかつスピーディーな戦闘と勝利の後に待ち受ける圧倒的な絶望のギャップ感が絶妙で、最後に明かされるニ作目のタイトルも非常に滾る。個人的にはニ作目が公開される来年の五月が待ち遠しくなる程度には面白かった。
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posted at 22:55:53
「GODZILLA 怪獣惑星」観了。三部作の一作目。特撮ではなくアニメということで不満を覚える人もいるかと思うが、とりあえず「シドニアの騎士」や「BLAME!」の制作元らしいCGアニメならではの特色を活かしたゴジラに仕上がっている点は○。
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posted at 22:55:39
2017年11月22日(水)
加えて前回のTV討論会を更に掘り下げたような各国首脳陣による自殺の是非を問う濃密な議論も読ませるし、その議論に聖書におけるある解釈を絡ませた点も巧い。しかしながらやはり前作と同様、曲世愛の存在が全てを台無しにしている感が否めず、正直今回も消化不良な読後感だった。
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posted at 20:17:00
タイトルに「―終―」とあるからてっきり最終巻だと思っていたけれどそんなことはなかった(爆)。前回のカオスな展開から一転、今回はアメリカに舞台を移し再び自殺とは何かという本作のテーマと真摯に向かい合っている点は好印象で、アメリカ大統領の大統領らしからぬ独特なキャラも実に魅力的。
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posted at 20:16:50
野崎まど「バビロン III ―終―」読了。自死の権利を認める「自殺法」。その静かな熱波は世界中に伝播した。新法に追随する都市が次々に出現し、自殺者が急増。揺れる米国で、各国首脳が生と死について語り合うG7が開催される時、世界の終わりを告げる銃声が響く。
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posted at 20:16:38
2017年11月20日(月)
とはいえ美夜の持つ共感覚能力が万能過ぎて頭脳戦という印象が薄いし、早いうちに明かされる透明人間のトリック(?)にしてもネタ的に本格ミステリとの相性はかなり悪く、せっかくの意外な犯人の演出もそれに相殺されてしまった感が否めない。
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posted at 21:54:41
「銀髪少女は音を視る」に続く、少女時代の音宮美夜が活躍するシリーズのニ作目。まず最初に断っておくと本作は透明人間の謎をメインにした話ではない。どちらかというと前作同様、姿が見えない犯人とのバトル&頭脳戦に主軸が置かれた内容になっている。
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posted at 21:54:10
天祢涼「透明人間の異常な愛情 ニュクス事件ファイル」読了。地方都市で空飛ぶナイフが通行人を襲う奇怪な事件が起きた。事件の謎を追って黒い噂のある研究所へ潜入調査を始めた共感覚探偵・音宮美夜を待ち受けていたのは脱出不可能な密室に仕掛けられた罠と所員を次々と殺害していく透明人間だった。
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posted at 21:53:48
2017年11月15日(水)
加えて最後に明かされる真相に至っては読者置きざりで作者だけが盛り上がっている感すらある。あとがきで作者は新本格愛について語っていたけれど、本作はぶっちゃけ新本格というよりメフィスト系(特に某作品の影響大)であり、新本格と思って読むと痛い目を見る作品である。
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posted at 23:39:12
前作同様盛り込まれた多重推理にしても目新しさはないがきちんと伏線でフォローしているのは好印象。だが良かったのはそこまでで肝心の真相はというとトリックはトンデモ、犯人特定のロジックは専門知識に偏りすぎ、動機(特に二人目に関して)はキャラの描写不足で説得力に乏しいと言わざるを得ない。
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posted at 23:38:41
デビュー作「ロジック・ロック・フェスティバル 探偵殺しのパラドックス」と同じ探偵役のシリーズニ作目。ミステリとしても小説としても問題だらけだった前作に比べるとだいぶ良くなっており、事件の演出や捜査パート一つ取っても適度にツボを押さえたものになっている。
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posted at 23:37:14
中村あき「トリック・トリップ・バケーション 虹の館の殺人パーティー」読了。現代本格の雄・文月優臣のデビュー三十周年記念パーティーに愛読者代表として絶海の孤島に招待された中村あきと元探偵でクラスメイトの鋸りりこはミステリ作家たちと共に前代未聞の密室殺人に挑戦することになって――。
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posted at 23:36:54