麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2016年05月22日(日)
ミステリとしてはARゲームアプリ「ジウロパ」の設定を活かしたトリックもさることながら、そのトリックが解かれると同時に完全な死角から現れる犯人の正体が実に圧巻。また主人公を危機的状況に陥れるある物的証拠が絶妙な伏線によって一転、犯人を追い詰める決め手に変貌するのも素晴らしい。
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posted at 16:07:57
そして何より特筆すべきは、よくある粗筋とは裏腹に、島田荘司が提唱する21世紀本格を体現した画期的な仕掛けを擁していることであり、その衝撃は寵物先生「虚擬街頭漂流記」や森博嗣「すべてがFになる」を初めて読んだ時のそれに近いものがある。
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posted at 16:06:34
第8回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作にして今年度のダークホース。本作の粗筋を見て「ソードアート・オンライン」のガンゲイル・オンライン編などを思い出す人もいるかもしれないが本作は最初から本格ミステリを指向した作品であり、それは殺害現場の徹底した密室状況を見ても明らかだ。
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posted at 16:06:22
松本英哉「僕のアバターが斬殺ったのか」読了。高校生の日向朗は仮想空間を現実に投影したARゲームアプリ「ジウロパ」上で切り倒した男が何故か現実世界の密室状況下でも斬殺されていたことを知る。犯人は自分なのか? 朗は高校生探偵・御影雫の力を借りて事件の真相を追う。
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posted at 16:06:09
2016年05月20日(金)
しかしながらこの作者ならではの昭和の漫画・アニメ史が活かされた人間ドラマは健在で、事件を通して描かれる恋愛部分には「完全恋愛」の作者らしさを見出だすこともできる。色々問題点はあるが、少なくともシリーズ最終作としての幕引きとしては申し分ない作品である。
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「アリスの国の殺人」などで知られるバー『蟻巣』の面々が活躍するシリーズの最終作。シリーズの探偵役であった漫画家の那珂一兵をフューチャーし探偵自身の事件を演出している点はいいものの正直本格ミステリとしてみると目新しさは一切なくシリーズ往年の作品に比べるとかなり物足りなさが否めない。
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辻真先「残照 アリスの国の墓誌」読了。新宿ゴールデン街のバー『蟻巣』。その閉店の日に話題に挙がったのは在りし日の漫画家・那珂一兵が遭遇した二つの事件だった。突如出現した墓石に潰された老婆、密室に血まみれで転がる男女の服毒死体……別れの酒の肴に語り始めた彼らが辿り着いた真相とは?
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posted at 10:04:27
2016年05月19日(木)
但しこれはこれで選択としては正しいのかもしれない。正直ミステリとしてみれば、これまでの作者の作品では最も没個性的だが、メッセージ小説に切り替えたことで物語から感じられる作者の実体験がいい意味で共感となって読者の胸に(特に創作経験があるなら尚更)残りやすくなっている。
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posted at 23:19:32
カルチャーセンターを舞台にした連作。全五話構成の本作は内容紹介には青春ミステリと銘打たれているものの、そう言っていいものかはかなり微妙なところだろう。というのも本作でミステリと言えるのは二編目までで、それ以降は悩める人に向けたメッセージ小説となっているからだ。
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posted at 23:19:08
円居挽「日曜は憧れの国」読了。母親の言いつけで四谷のカルチャーセンターの講座を受けることになった内気な中学二年生・千鶴はそこで同い年だが性格も学校も違う桃・真紀・公子と出会う。多感な少女たちがカルチャーセンターで遭遇する様々な事件の謎とは?
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posted at 23:18:40
2016年05月15日(日)
その一方で前作同様、推理だけでは解けない謎もあるものの、本格ミステリらしいトリックが盛り込まれたサイコサスペンスと割り切れば、問題なく楽しめる秀作である。
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posted at 22:50:56
おとり捜査官・北見志穂シリーズの二作目。本作には前作を遥かに凌ぐ異常犯罪に加え、あっと驚く奇想天外なトリックが用意されており、そのトリックの盲点をついた発想もさることながら、物語の展開に巧みに隠されたミスディレクションには大いに唸らされる。
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posted at 22:50:45
山田正紀「おとり捜査官2視覚」読了。首都高速で起きた大事故の中、倒れた男の傍らには女の右足が転がっていた。男と女の右足は救急車で運ばれたが、車内に血痕を残して救急隊員たちと共に消失。その数時間後、首都高の各所で女の左腕、首、胴体、左足が発見され、バラバラ殺人の様相を示し始める。
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posted at 22:50:33
とはいえ、そのオーソドックスなネタを悟られないように様々な工夫を凝らしてある点は好印象。一部推理しようがない謎があるのが気になるが、シリーズ一作目のキャラの顔見せ回としては申し分ない作品である。
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posted at 22:50:14
おとり捜査官・北見志穂シリーズの一作目。基本的には警察小説の体裁を取ったサイコサスペンスで、一応本格ミステリ要素はあるものの、メインの犯人の正体に関しては非常にオーソドックスなので早い段階で気付く人もいるのではないだろうか。
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posted at 22:49:56
山田正紀「おとり捜査官1触覚」読了。山手線の駅の構内で若い娘三人が絞殺された。生まれついての被害者タイプの適性を買われ警視庁科学捜査研究所「特別被害者部」で通り魔的犯罪者の関心を引くおとり捜査官を務める北見志穂は、被疑者たちの前にその美貌と肉体を晒す違法ぎりぎりの捜査を強行した。
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posted at 22:49:41
2016年05月14日(土)
しかし、だからといって真相まで容易に割れてしまうなんてことは絶対にないと断言できる。というのも目次を見れば分かる通り本作には三つの結末が用意されているのだが、後になればなるほど本格ミステリから解離してホラーとしか思えない構図が立ち現れるようになっている。
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posted at 19:18:10
「神曲法廷」に続く佐伯神一郎シリーズの二作目。前作を読んでいる読者であれば、まず探偵役である佐伯の変貌ぶりに驚かされるが、それ以上に目を惹くのはやはり真犯人を前半部分で明らかにしてしまうという破格な趣向(?)だろう。
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posted at 19:17:51
山田正紀「長靴をはいた犬」読了。犬男が『女を襲え』といったんだ――劭疝犬神通り魔殺人事件で起訴された男は法廷でそう呟いた。弁護人も無罪を主張。更にその公判中に同じ手口の第二の殺人が起きる。股の犬の噛み痕、長靴の足跡はこの街に澱む「犬神伝説」と関係するものなのか?
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posted at 19:17:40
せめて依頼者と告白相手の接点を描いていれば、もう少し意外性を出せたかもしれない。あと第二話は強引ぶりがかなり目立つ話で、これで強烈なオチがあればまだ良かったのだけど、結局キャラの顔見せに留まってしまったのが残念。
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posted at 14:38:16
収録作のうちベストを選ぶなら第一話で、あとがきで作者が語っている通り某作のオマージュは巧くいっていると思う。その一方で作者は読者の裏をかきすぎたとも言っているが逆に第三話は読者の裏をかかなすぎで折角総力戦の様相を示しているにも拘わらず予定調和で終わってしまっているのが物足りない。
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posted at 14:37:56
同名フリーゲームを完全オリジナルストーリーでノベライズ化したもの。本作もまた最近の円居作品同様、三話構成+αとなっており、加えてその内容もいつも通りのコンゲーム要素てんこ盛りなので、ノベライズ化作品と言えどファンは安心して物語に入っていけるだろう。
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posted at 14:37:21
円居挽「コクラセ」読了。架空の求人募集に絡めた告白計画、閉ざされた校舎を徘徊する謎の怪物、そして破局の暴君との対決……叶わぬ恋に身を焦がす依頼人の想いを遂げるため、あらゆる手段を駆使して告白の舞台を整えるグループ「コクラセ」が持ち込まれる突飛な依頼の数々に立ち向かう。
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posted at 14:36:52
唯一面白かったのが三編目に出てくるアルジェントネタもといシャドーネタくらいだが、それだけのために読む価値があるかと言われると微妙なところ。いっそのことミステリ部分は端からオマケと割り切って読んでしまった方が楽しめるかもしれない。
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posted at 00:27:29
一言でいうなら有閑倶楽部+探偵ガリレオ。キャラたちのコミカルな掛け合いは相変わらずこなれているものの、肝心のトリックがバレバレ、もしくは技術の進歩をただ見せ付けてくれるだけなのでお世辞にも面白いとは言い難い。
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posted at 00:27:04
長沢樹「St.ルーピーズ」読了。トンネルに現れた幽霊と密室からの人間消失、校舎の屋上から墜落するも姿を消したゴスロリ女、雪の夜に目の前で消えた女とピアノ……超セレブたちが集う超常現象研究サークル「SL&S」の面々が、三つの怪現象を巡りホンモノかトリックかを解明する中編集。
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posted at 00:26:28
2016年05月08日(日)
ループ物に歴史ロマンと恋愛劇、それにコンゲーム要素を盛り込んだ作品。ループ物としてみるとやっていることは差ほど目新しくはないが、それを活かした盛り上げ方が巧く、特に真実を知った後、不治の病にかかったヒロインに尽くそうとする主人公の姿が圧巻。
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posted at 23:57:51
辻村七子「螺旋時空のラビリンス」読了。時間遡行機アリスの鏡が開発された近未来。喪われた美術品を過去から盗み出す泥棒のルフは至宝の一つを盗み19世紀パリに逃亡したフォースを連れ戻すことに。だが再会したフォースは高級娼婦となり不治の病に冒されつつも頑なに帰還を拒否する。彼女の真意は?
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posted at 23:57:36
遅れ馳せながら「謎解きLIVE[四角館の密室]殺人事件」観了。途中の仕掛けと動機に綾辻らしさを感じて思わずニヤリ。犯人が密室にした理由にアレを絡めた点は巧いと思うものの、そこからの絞り込みがあっさり気味だし、あまり四角館という設定が活かされていないのが気になったが、概ね満足した。
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posted at 23:19:26