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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 現在地 涅槃
  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2022年11月24日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月24日

折原一「グッドナイト」読了。都内に建つアパート「メゾン・ソレイユ」には平穏な名前とは裏腹に眠りに問題を抱える住人ばかりが集まってくる。不眠症の息子を持て余す女性作家、新人賞受賞を渇望する作家志望の男、絶大な人気を誇る覆面推理作家……。住人達に纏わる六つの物語の後に待つ結末とは?

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posted at 23:10:04

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月24日

眠りに問題を抱えた住人達が集まるアパートを舞台にした連作ミステリ。どこにでもあるアパート、作家志望の男、覆面作家、大好きな作家を監禁する熱狂的ファンの女……本作を構成する要素はどれ一つとっても折原作品には馴染み深いものであり年季の入ったファンであれば懐かしさすら覚えるだろう。

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posted at 23:11:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月24日

そういう意味では作者の原点に帰ったような面白さがあり、加えて良い意味でくだらないミステリネタやブラックユーモアなどで楽しませてくれる。尤も連作としての纏め方に関しては些か捻りすぎてスマートさに欠けるきらいがあるが、あの手この手で読者の裏をかこうとする姿勢は好印象の作品である。

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posted at 23:12:15

2022年11月25日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月25日

鵜飼有志「死亡遊戯で飯を食う。」読了。目を覚ますと十七歳の幽鬼は見知らぬ洋館にいた。そこは〈ゴーストハウス〉。館に仕掛けられたトラップの全てをくぐり抜けて脱出するしか生き残る道はなく、絶望的な現実に参加者の少女たちは青ざめる。……ただ一人、殺人ゲームのプロである幽鬼だけを除いて。

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posted at 23:08:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月25日

第18回MF文庫Jライトノベル新人賞《優秀賞》受賞作。本作はタイトルにもある通り死亡遊戯(デスゲーム)で飯を食っている少女の物語だが、特筆すべきはやはりデスゲームに参加することが日常である人物を主人公にしたことで、これまでにあまり例がないタイプのデスゲーム物になっている点が○。

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posted at 23:10:17

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月25日

なお本作には粗筋にもある「ゴーストハウス」と「キャンドルウッズ」の、二つのデスゲームの模様が収録されているが「ゴーストハウス」は例えるならばライトノベルmeetsソウとも言うべき脱出ゲーム物で、運営側の手厚い(?)サポートを活かした猟奇的な発想と非情な展開が楽しい内容となっている。

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posted at 23:12:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月25日

一方「キャンドルウッズ」は「ゴーストハウス」にあった思考ゲームとは真逆のどちらかというとバトルロワイアルに近い内容で作者としてはあえて「ゴーストハウス」と差別化を図ったのかもしれないがトンデモ要素を交えた展開は賛否が分かれるところだろう。とはいえ全体的に妙な勢いがある怪作である。

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posted at 23:12:46

2022年11月26日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月26日

三津田信三「みみそぎ」読了。作家の「僕」のもとに旧知の編集者・三間坂秋蔵から、あるノートが送られてきた。ノートに綴られていたのは怪奇を愛した三間坂の祖父・萬造が記したと思われる怪異の記録。一読した僕は予想を超える内容に戦慄する。その理由は、本書を最後まで読んで確かめてみてほしい。

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posted at 17:22:29

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月26日

「のぞきめ」に続く五感シリーズ(?)の二作目にあたる長編ホラー。かつて今邑彩は「金雀枝荘の殺人」で終わらないミステリを試みたことがあったが、それに対して本作の趣向はというと差し詰め「終わらない怪談」と言ったところになるだろう。

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posted at 17:22:51

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月26日

では具体的にどうやって「終わらない怪談」を成立させたかに関しては詳細は省くが、それが理由で本作はこれまでの三津田ホラーにはあった怪異に対する解釈が一切行われない内容となっている。勿論それによって作者がやりたかった意図は理解できるものの、個人的にはどうにも消化不良な感が否めない。

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posted at 17:23:27

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月26日

加えてその趣向のせいでホラーよりもメタ的構造の方が目立ってしまっており、これまでの三津田ホラーと同じ感覚で読むと戸惑う読者も少なからずいると思われる、実験色の強い作品である。

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posted at 17:23:50

2022年11月28日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月28日

貴志祐介「秋雨物語」読了。ある呪いを背負った青年の生き地獄、失踪した作家を長年悩ませる謎の転移現象、この世のものとは思えないある絶唱の記録、追い詰められた者たちが縋りついた風変わりな『こっくりさん』の正体……。生きながら地獄に堕ちる絶望を描いた四編を収録。

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posted at 21:25:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月28日

ホラーの名手による、生き地獄をテーマにしたホラー連作集。全四編の本作はまず最初の一編目で本作のテーマを輪廻転生と絡めて分かりやすく提示した後、二編目以降は早速応用編とばかりに様々な「生き地獄」の世界で楽しませてくれる構成となっている。

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posted at 21:25:46

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月28日

その一方で二編目以降はミステリとしてみることも可能だ。二編目「フーグ」は失踪した作家の居場所当て、三編目「白鳥の歌」はこの世のものとは思えない絶唱の真相、四編目「こっくりさん」は風変わりな『こっくりさん』の正体とそれぞれ謎を提示した上でそれを解く手掛かりもきちんと用意されている。

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posted at 21:26:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月28日

そういった読み方ができるのもひとえに作者がホラーの書き手であると同時に防犯探偵シリーズなどのミステリの書き手でもあるからだろう。本作は見方によってはホラーとミステリで二度美味しい作品集である。

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posted at 21:26:54

2022年11月30日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月30日

青山文平「やっと訪れた春に」読了。橋倉藩には本家と分家から交代で藩主を出す特殊な事情があったが次期藩主の急逝を機に藩主交代が終わりを迎えることに。長らく二つの派閥に割れていた藩が一つになり橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた矢先、藩の重鎮が暗殺される。一体誰が、何のために?

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posted at 21:27:04

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月30日

長年橋倉藩の近習目付を勤め、加齢による身体の衰えから隠居した長沢圭史が藩を揺るがす暗殺事件の謎に迫る長編時代ミステリ。本作を一言でいうなら「突如訪れたしがらみからの解放によって変われる者と変われなかった者の物語」であり、事件を通してその対比が色濃く描き出されている。

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posted at 21:27:22

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年11月30日

そしてそのしがらみからの解放こそがタイトルにもある「やっと訪れた春」であり、それと老いた主人公たちの背景が相俟って何ともいえないやるせなさを際立たせている。またミステリとしてはさりげない生活描写に隠された伏線が巧く、総じて時代ミステリだからこそ描ける人間ドラマが沁みる良作である。

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posted at 21:27:52

2022年12月02日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月2日

水鏡月聖「僕らは『読み』を間違える」読了。 消しゴムに書かれた『あなたのことが好きです』について勘違いをし失恋した僕は高校入学後なぜか漫画研究部に在籍することに。そんな僕が日々読んでいる小説に対し捻くれた解釈をする中、太陽少女・宗像瀬奈がどこからか学園の小さな謎を見つけてきて――。

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posted at 11:48:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月2日

第27回スニーカー大賞《銀賞》受賞作。まず本作は学園ミステリと謳っているが正直その売り方は微妙だと思う。というのも物語の前半は主人公が章題にもある「走れメロス」や「蜘蛛の糸」といった有名作品に自分なりの解釈を示すのだがこれが如何せんただの憶測な上に脱線しまくりで全く面白くないのだ。

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posted at 11:49:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月2日

しかしながら物語の終盤、本作の本領が実はすれ違いがテーマの恋愛小説であり、前半の有名作品などに対するピントのずれた解釈も伏線だったことが分かってくると俄然面白くなってくる。加えてタイトルの意味が徐々に明かされていく構成も実に秀逸。

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posted at 11:49:55

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月2日

故に本作は「学園ミステリ」ではなく「ミステリ要素のある青春恋愛小説」といった方が正しいのだが、あとがきによるとどうやら作者自身はミステリだと思って本作を書いたわけではないようなのでこれに関して作者を責めるのは酷かもしれない。

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posted at 11:50:24

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月2日

本作はタイトルの意味が分かってから読む、二度目の読書が楽しい青春恋愛小説の佳作である。

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posted at 11:50:40

2022年12月03日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月3日

オーノ・コナ「勇者認定官と奴隷少女の奇妙な事件簿」読了。魔王復活に備え『勇者認定保護制度』が法案化されて早百年。諸国を巡っていた王国勇者認定官のミゲルと相棒のディアはある日、魔王を倒した勇者の生まれ変わりである聖勇者の噂を耳にする。聖勇者の少女が起こす奇跡は果たして本物なのか?

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posted at 10:51:11

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22年12月3日

第13回講談社ラノベ文庫新人賞《優秀賞》受賞作。「”奇跡”と”勇者復活”を巡る異世界本格ミステリ」と謳っている本作は基本的に聖勇者の起こす奇跡の正体を主眼にしているが、それに付随して起きる様々な謎がホワットダニットにも似た効果を上げており、色々と先が気になる作りになっているのがいい。

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posted at 10:51:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月3日

そしてそれらの謎がきちんと結び付いて明らかになる真相はシンプルながらも良い意味でファンタジーの盲点をついているのが○。加えて『勇者認定保護制度』という本作ならではの設定が巧く活かされており最後に明かされるあるサプライズによってそれまで見えていた景色がガラリと一変する点も実に秀逸。

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posted at 10:52:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月3日

但し一部の奇跡に関してはフェアではないものもあるのがやや残念だが、それを差し引いても本作が異色の探偵コンビが印象的なファンタジーミステリの佳作であるのは間違いないだろう。

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posted at 10:52:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月3日

「殺しを呼ぶ卵 【最長版】」観了。1968年に制作された養鶏サスペンスの完全版。社会派要素もあるもののどちらかというと異常性のシュールな描き方が印象的で独特な音楽や演出は「デリリウム」に通じるものがある。所々伏線未回収な部分もあるがそこは「細けえことはいいんだよ」精神で楽しむのが吉。

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posted at 23:38:57

2022年12月06日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月6日

乾くるみ「ハートフル・ラブ」読了。突然の余命宣告を受けて結婚を決意した夫婦「夫の余命」、プチ同好会で聞いた同級生の自殺「同級生」、たった一人の女子を巡る理系男子の暗闇「数学科の女」など「イニシエーション・ラブ」を彷彿とさせる短編も収録した全七編の文庫オリジナル短編集。

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posted at 21:56:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月6日

「イニシエーション・ラブ」「セカンド・ラブ」に続くラブシリーズ(?)の三作目にあたるミステリ短編集。「ハートフル」というタイトルに反して収録作の殆どがハートフルとは程遠い内容なのはどうかと思わなくはないが、ここ十年の作者の短編集の中では比較的まともな出来と言えるだろう。

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posted at 21:56:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月6日

ベストを挙げるなら「夫の余命」で、作者の某作を思い出す構成とバカミスすれすれのネタを活かして収録作唯一の「ハートフル」を効果的に演出してみせた技巧が○。次点は「数学科の女」で、「イニシエーション・ラブ」を逆手に取ったようなネタを使って二転三転させるプロットが楽しい一編である。

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posted at 21:57:32

麻里邑圭人 @mysteryEQ

22年12月6日

残念ながら全編当たりとは言い難いものの(個人的見解では七編中三編がハズレ)、久々にこの作者らしさが感じられる作品集である。

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posted at 22:08:26

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