麻里邑圭人

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2011年08月11日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月11日

間宮夏生「変愛サイケデリック2」読了。変人・彩家亭理子の親友・円馬佐那の秘密を知った千光生徒会の原犀斗。執拗なまでに正義に拘る彼は佐那の退学の是非を全生徒が参加する「千光大会議」にかけることで気に食わない理子を陥れることを画策。かくして佐那の退学を賭けた「千光大会議」が始まった。

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posted at 20:47:12

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月11日

前作でちょっとしたミステリ的サプライズを仕掛けた作者が今回用意したのは、まさかの私設裁判物。とはいえ議題が議題なので些か緊迫感には欠けるものの、ライトノベルらしい、ゆるいコン・ゲーム的展開を楽しむことができる。

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posted at 20:47:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月11日

コミカルなやり取りの中にも一応の説得力を持たせ、そつなく纏めあげているあたりに相変わらずの巧さを感じさせる。加えて本作にはデビュー作「月光」のキャラが登場するというファンサービスが用意されているのも嬉しい。但し本作は、完全に前作のネタバレ前提の作品なので前作未読の人はご注意を。

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posted at 20:48:22

2011年08月12日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月12日

西澤保彦「赤い糸の呻き」読了。本作は「パズラー」「動機、そして沈黙」に続くノンシリーズ短編集の第三弾だが、構成的には「パズラー」に近い。それは作者も意識しているのか「パズラー」では「贋作『退職刑事』」をやっていたのに対し、本作では贋作『物部太郎』(「墓標の庭」)をやっている。

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posted at 20:13:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月12日

だが本作で何よりお勧めしたいのは表題作の「赤い糸の呻き」だ。あとがきで作者が石持浅海「暗い箱の中で」に触発されて書いたと語るこの短編は、地震による停電で停止し、真っ暗になったエレベーター内で発生した殺人劇を扱っているのだが、これの真相がとにかく凄い。

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posted at 20:13:55

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月12日

これぞ西澤保彦と言うべき妄想推理の果てに明かされる黒い真相には背筋がゾクリとせずにはいられない。というか、これはもはやホラーである。西澤保彦が久々に真正面から本格ミステリに挑んだ本作は、同時に西澤保彦の完全復活作と言ってもいいかもしれない。

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posted at 20:14:38

2011年08月16日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月16日

戸川昌子「猟人日記」読了。若い女を獲物と称し、次々と食い物にしてはその結果を「猟人日記」と題したノートに記録していた男が巻き込まれた連続殺人。被害者はいずれも彼の獲物となった女たちだった――。デビュー作「大いなる幻影」と同じく、本作も構成がまず秀逸。

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posted at 22:10:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月16日

一見誰の目から見ても明らかな事件の構図が後半ガラリと一変する様は実に鮮やか。加えて男を嵌めるために犯人が仕組んだ罠の全貌には慄然とせずにはいられない。自分は残念ながら犯人については途中で分かってしまったが、それでも何故犯人がそうするに至ったのか、その背景に関しては非常に感心した。

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posted at 22:10:58

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月16日

本作は「猟人日記」を巡るエロティシズムと、ミステリとしての計算が高い次元で融合した、エロミスの秀作である。

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posted at 22:12:11

2011年08月17日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月17日

仁木悦子「粘土の犬」読了。仁木兄妹物が三編、ノンシリーズ物が二編という構成のミステリ短編集。トリック自体はどれも小粒だが、小道具を効果的に使った丁寧な出来で好感が持てる。特にその小道具の使い方が最も秀逸だったのはやはり表題作だろう。

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posted at 16:13:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月17日

金目当てに殺人を犯した男が、盲目の子供が作った粘土の犬によって追い詰められていくという筋立てのこの短編は、収録作で唯一ブラックな味わいだが、個人的にはこういう形の方が小粒さをあまり感じさせず、むしろさりげない巧さとしてアピールできるように思う。

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posted at 16:14:07

2011年08月18日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月18日

二階堂黎人「東尋坊マジック」読了。旅行代理店勤務の名探偵・水乃サトルと部下の由加里はツアー企画の下見でやってきた東尋坊で銃殺事件に遭遇。一方、サトルと懇意にしている馬田刑事は二十年以上にわたり日本海各地で発生している殺人鬼〈冥妖星〉事件の捜査に当たっていた――。

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posted at 18:38:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月18日

名探偵・水乃サトルの社会人編シリーズ最新作。今回はアリバイトリックの絡んだ銃殺事件と若い女性ばかりを狙った連続猟奇殺人という二つの事件を扱っているが、一見無関係と思われる二つの事件が実は……という展開になるかと思いきや、本当に無関係だったのにはある意味びっくりしてしまった。

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posted at 18:39:22

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月18日

しかも前者のアリバイトリックは短編向けの小ネタだし、後者の猟奇事件にしても真相はありきたりで本格ミステリ要素は希薄と言わざるを得ない。恐らくアリバイトリックを思い付いたのはいいが、それだけだとボリューム不足なのでとりあえず適当に事件を一つ追加してみたといったところなのだろう。

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posted at 18:39:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月18日

でもこれだったら、むしろ追加しない方が良かったのではないかという気がしないでもない。不満は多々あるが、唯一ラスト一行だけはシリーズ読者にとって嬉しいサプライズと言えるだろう。

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posted at 18:40:45

2011年08月22日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月22日

J・G・バラード「殺す」読了。ロンドン郊外にある高級住宅地パングボーン・ヴィレッジで32人の大人が殺され、13人の子供が姿を消した。一体この街で何が起こったのか?……あくまでミステリ読みの自分としては本作をホワットダニットとホワイダニットという二つの側面から楽しませてもらった。

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posted at 00:21:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月22日

本作の真相は常識的に考えれば有り得ないだろう。しかしながら一方で、もしかしたらと思わせるものがあるのも否定できない。粗筋を見ると「殺す」というタイトルが相応しいように思えるが、読み終わってみるとやはり「RUNNING WILD」という原題の方が本質を突いているような気がする。

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posted at 00:22:06

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月22日

東山彰良「ファミリー・レストラン」読了。金持ちの整形外科医に連れられて山奥のレストランにやってきた深月。だが和やかなムードは一人の男が店内に飛び込んできたのを機に一変する。「あなたもサバイバーですか」という謎の言葉を遺して自ら首を切る主人。そして「死」のゲームが幕を開ける――。

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posted at 17:39:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月22日

本作の帯には「鬼才が仕掛ける今年度No.1の戦慄と謎」とあるけれど、実際の内容はというとそこから期待されるような話とはかなりかけ離れている。「死」のゲームと言っても熾烈な頭脳戦もなければサスペンス要素があるわけでもない。あるのは事件に巻き込まれた人間たちの懺悔のドラマだけである。

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posted at 17:40:00

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月22日

だが、そのドラマにしても作者の独特な語り口が邪魔をして、最後まで乗りきれないまま終わってしまった。この作家の作品を読むのは本作が初めてだったが、どうも自分には合わないようだ……。

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posted at 17:40:27

2011年08月24日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月24日

友成純一「殺戮幻魔楼」読了。七人の男女を素手で惨殺した殺人鬼〈キング・キラー〉が高層マンション〈シャトー成城〉に立て籠った。〈シャトー成城〉の警備を担当する〈東海警備保障〉はすぐさま重武装の特殊部隊を送り込むが、そのマンションの内部は何らかの力により異空間と化していた……。

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posted at 14:57:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月24日

逸物をいきり立たせた全裸の大男が殺戮の限りを尽くす前半部がまず素晴らしい。このぶっ飛んだ展開に全国ウン千人(推定)の友成ファンは間違いなく狂喜乱舞するだろうが同時に一抹の不安が頭をよぎることだろう。「友成先生、最初からこんなに飛ばして大丈夫?」と。そしてその不安は見事に的中する。

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posted at 14:57:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月24日

事態を収束させるべく重武装の特殊部隊が送り込まれ、さあ次はいよいよ殺人鬼との血みどろのバトルだ!と友成ファンなら誰しも思うかもしれないが、残念ながら本作にそんなものは存在しない。何故か突然異空間化するのはまだいいとして折角の特殊部隊が何もせずに退場してしまうのが非常に物足りない。

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posted at 14:58:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月24日

後半のポカーンとする展開に関しては友成作品ではもはやお馴染みなので別にどうこう言うつもりはないが、せめてそうする前に「凌辱の魔界」の鬼道や「聖獣都市」の陣内ほどではないにしろ、特殊部隊にもう少し活躍の場を設けてほしかった。

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posted at 14:59:49

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月24日

野崎まど「パーフェクトフレンド」読了。しっかり者の小学四年生・理桜はある日、担任の千里子先生からの頼みで不登校の少女・さなかの家を訪ねる。出迎えたさなかは、何と大学の勉学すらも身に付けた天才少女だった。学校に行く価値を感じないと言う彼女に理桜は友達と学校の大切さを説くが……。

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posted at 21:50:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月24日

これまでの野崎まどはジャンルの越境を駆使して意外な真相を演出してきたが本作ではそれを封じ不可思議な現象に対し現実的な解決を試みている。しかしながら提示された真相は納得できかねるものであり正直本作はハズレかなと思っていたのだが……まさか最後の最後でこういう手でくるとは思わなかった。

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posted at 21:51:12

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月24日

それまで無茶苦茶だとばかり思っていた真相がエピローグで一転、納得できてしまうだなんて早々あるものではない。ただし、これは一作目から野崎まど作品を読んでいる人間にしか通用しない手だろう。野崎まど初心者には全く勧めないが、逆に「[映]アムリタ」からの読者には強くお勧めしたい。

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posted at 21:51:49

2011年08月25日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月25日

友成純一「邪神殿の少女」読了。腰まで伸びた黒髪と黒い瞳、男並みの身長と妖艶な肢体を持ち合わせた凄腕の女戦士・フレア。彼女は路銀を稼ぐために立ち寄った悪徳の街・ソドムで、有力者の娘・シャラの護衛として雇われていたが、そのシャラを守り切れなかったことから追われる身となってしまう。

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posted at 09:37:38

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月25日

エログロ鬼畜満載の冒険ファンタジー、しかも友成純一なのに(!)ちゃんと話として成立している奇跡のような作品。やればできるじゃないか、友成先生! ……でも「黄金竜伝説」で初めて考えて話を書くようになったと語っていたのを考えると、多分この作品も勢いだけで書いたんだろうなと思われる。

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posted at 09:38:15

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年8月25日

とはいえ、それでここまで話が纏まっていれば上等。ただ友成作品らしいぶっ飛んだ展開はないので、そういった点を期待するとちょっと物足りないかもしれない。ちなみに本作には続編もあるそうなので是非とも読んでみたいが、問題はそれを見付けられるかどうかということ……。

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posted at 09:38:59

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