麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年05月18日(土)
いささか後半の展開が駆け足気味なのが難だが、ジュブナイルらしい主人公の成長物語をきっちり織り込みつつ、作者がやりたいこともとことん詰め込んだのがひしひしと伝わってくる意欲作である。
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posted at 20:11:53
各短編だけみればジャンルが多岐にわたる笑うセールスマン的味わいがあり、これはこれで面白いと思うだけに、この纏め方は賛否が分かれるところだろう。しかしながら、こういう纏め方をしたことでよくある短編集にはならなかった点は評価したい。
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posted at 20:11:45
連作短編として雑誌に発表されていた短編三本を長編として再構成した作品。その短編三本は中世ファンタジーに未来SF、伝奇時代物とジャンルは見事にバラバラで、それらをどう繋げるのかと思ったら主人公が拐われたヒロインを助けるために各物語世界に入り込むという豪腕ぶりで思わず笑ってしまったw
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posted at 20:11:35
井上雅彦「黒衣の武器商人」読了。窮地に置かれた美少女の前で自分の無力さを晒し、失意の帰宅をしたおれを待っていたのはナイフで背中を刺された男だった。しかも男は奇妙なことに本の中に消えてしまう。手がかりは男の残した数冊の本と、それぞれの本に記された物語に登場する不思議な武器商人――。
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posted at 20:11:06
2019年05月15日(水)
それでいて前作よりも遥かに変態度が増しており、小林泰三ばりのグチャグチャドロドロ展開を見ていると前作がいかにセーブして書かれていたのかがよく分かる。とはいえセーブした前作があるからこそ本作のハチャメチャぶりが光るわけで、前作と併せて読むことで初めて真価が発揮される怪作である。
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美しすぎる時代劇こと「王子降臨」の続編。前作に比べてキャラの魅力は減ったが、その代わり「どうしてこうなった」と言わんばかりのやりたい放題ぶりであり、痛快娯楽作だった前作とは打って変わって王子の存在が一つの国を滅びへと向かわせる王子ホラー(?)と化しているのが面白い。
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手代木正太郎「王子降臨2 王子再臨」読了。戦国の世に「王子」は再び舞い降りる。民らに仇なす城主のもとに! だが見よ! 王子の美貌に惑うべからず。王子の美貌は悪鬼のささやき。麗しき王子の輝きは時に心を惑わす。今宵、王子の美貌は光となって、民らの希望を焼き尽くすのだった――。
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posted at 00:08:39
しかしながら中盤以降の展開にやや難があり、折角いいキャラに育ちそうだった登場人物たちをあっさり使い捨てたばかりか王子と同類の者たちによる人外バトル一辺倒になり戦国を舞台にする意味が希薄になってしまうのが残念。単純な内容だからこそきちんと最後までツボを押さえたものにしてほしかった。
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第7回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。本作は単純明快、戦国の世に突如として現れた金髪碧眼の王子が吸血鬼ハンターDを更に悪乗りさせたような美を駆使して悪徳領主に立ち向かうというただそれだけ……といったら元も子もないが(爆)単純だからこその痛快感がある内容に仕上がっている。
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手代木正太郎「王子降臨」読了。時は戦国。 空は哭き、地は痩せ、人心は乱れていた。この世は正に地獄であった。 人々は渇望していた。 正義を導く救世主を! ……そして「王子」は舞い降りる。希望をもたらす光と共に。 金髪碧眼、長身痩躯の麗人は戦国の世で何を為す?
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2019年05月12日(日)
一部駆け足気味なところもあるが、その点に関してはある社会派としてのテーマやプロローグに隠された仕掛けと相俟って巧く描けているように思う。ただその反面、せっかくフーダニット興味を途中で匂わせておきながら、その期待をあっさり裏切る書き方になっているのがいただけない。
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厚労省の向井俊介が探偵役を務めるシリーズの三作目。もはや作者の作品ではお馴染みの特殊知識に基づく殺人トリックは本作でも健在だが、本作の一番の見所は昭和二十四年から始まる様々な因果が思わぬ形で絡まり合い、タイトルにもなっている堕天使の秤となって一つの選択を突き付けてくる点だろう。
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吉田恭教「堕天使の秤」読了。事故にあった偽装外交官ナンバーのSUV車には二人の医師と麻酔薬で眠らされた男女が乗っていた。捜査一課の南雲、茂木らが拉致事件として捜査にあたるが手掛かりは見えてこない。やがて事件は厚生労働省の向井俊介が追う年金詐取事件と思わぬ繋がりを見せ始めて――。
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2019年05月11日(土)
「翔んで埼玉」観了。物凄く小ネタが詰め込まれた、映画というよりバラエティー番組のコントを観ているような気分になる作品。ぶっちゃけGACKTが主演でなければここまで成功しなかっただろう。一部物語の整合性に疑問が残るが、そういった細かいことは気にしなくても楽しめる映画である。
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posted at 19:08:01
「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」観了。この作品に求められているアクションと無名のエロかわいさに関しては申し分なかったが、肝心の物語の背景が弱いせいでタイトルにもなっている決戦感が全くなかったのが難。あとEDのダンスはPVならまだしも映画の余韻としては台無しもいい所なのが気になった。
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posted at 13:10:30
2019年05月10日(金)
ロックのビートに乗せた本作独自の剣戟は終盤の御前試合こそ最大の見せ場であるが、そこに至るまでのボーイミーツガール物ならではの丁寧な物語と史実を活かした熱い設定の積み重ねも見逃せない。但しその反面、御前試合後の展開は完全にピークが過ぎ去った後の消化試合であり、些か物足りなさが残る。
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第9回講談社BOX新人賞Talents受賞作。本作は宮本武蔵、佐々木小次郎、柳生十兵衛、荒木又右衛門といった名だたる剣豪が登場する時代小説にしてボーイミーツガール物の青春小説であり、更に剣戟にロック(!)の要素を取り入れた奇抜な音楽小説でもあるという三つの顔を持つ作品に仕上がっている。
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手代木正太郎「柳生浪句剣」読了。将軍家兵法指南番・柳生家の門弟が宮本武蔵を名乗る者に次々と闇討ちされる事件が発生した。柳生一族のはみ出し者で浪句家(ロッカー)の柳生六丸は美少女剣士・舞花と共に六人の「武蔵」と戦う羽目になる。その裏では幕府をも巻き込んだ恐るべき陰謀が進行していた。
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作者がずっと書きたかった文化祭回というだけあって、トラブルをいいアクセントとして活かした文化祭描写は実に見応えがあって○。その一方でメインの恋愛の方も引き延ばしと感じさせない、理にかなった結末になっており、新たな局面を迎えた次回作を楽しみに待ちたい。
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posted at 10:10:59
二重人格の少女と僕の恋愛模様を描いたシリーズの三作目。前回の告白的に修羅場の始まりかと思いきや、そこはこのシリーズらしく誠実で静かな恋愛展開は維持しつつ主人公の過去を知る新キャラの登場を軸に文化祭という盛り上がりへ向けて突き進んでいく。
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岬鷺宮「三角の距離は限りないゼロ3」読了。「秋玻」と恋に落ちた僕は、けれどもう一人の彼女「春珂」に告白された。文化祭の季節を前にして、真っ直ぐな二人の想いに困惑する僕に、過去を知る彼女は残酷に、告げる――。僕と「二重人格」の彼女たちが紡ぐ、三角関係恋物語第三章。
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posted at 10:10:00
2019年05月06日(月)
加えてシリーズを通して絡み合った様々な因縁の決着が物語の盛り上がりに一層拍車をかけてくれるのも○。ただその一方でオチに関しては安直ととるか否かで好みが分かれそうだが、シリーズの過去作を見ればこうなるのも作者の計算のうちと見るべきだろう。ひとまず無事迎えた大団円を喜びたい。
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魔法医師シリーズの完結編。これまでシリーズを通して盛り込まれていた風太郎忍法帖的伝奇バトルだが、今回は最終巻だけあって文字通りの出血大サービス(!)で終始敵味方入り乱れた異能力戦の嵐を繰り広げているのが実に熱い。
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posted at 13:04:39
手代木正太郎「魔法医師の診療記録7」読了。エルフの奸計によって妖病が末期症状となったヴィクター。クリミアは一縷の望みをかけて最後のガマエ研究者ジゼラ・モルガーニを訪ねるべく聖庁へと旅に出る。だが二人の聖庁への道のりは血で血を洗う異能力戦の嵐が吹き荒れることとなるのだった。
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posted at 13:04:27
2019年05月05日(日)
目次に並ぶ一眼一角巨人、岩鬼、女人族、樹人、龍といった異形たちが作者によって血肉を与えられ、奇想とスリルを存分に堪能させてくれるだけでも大満足だが、終盤にいたってはそれだけでなく本来の持ち味である風太郎忍法帖的伝奇バトルも意外性たっぷりの展開と共に披露してくれるのだから堪らない。
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魔法医師シリーズの六作目。本作について作者曰く小栗虫太郎の「人外魔境」や香山滋の「人見重吉シリーズ」「少年王者」を再読しながら執筆したとのことだが、その甲斐あって読む者を惹き付けてやまない、古き良きいかがわしさに満ちた一大冒険譚に仕上がっている。
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posted at 21:20:17
手代木正太郎「魔法医師の診療記録6」読了。クリミアとヴィクターの新たな旅先は魔境〈魔魅の大苗床〉と呼ばれる密林だった。二人はクセ者ぞろいの探検隊と共に密林の奥へと向かっていく。次々と降りかかる信じがたい大魔境の脅威に仲間たちを失いながらも最奥地へ辿り着いた彼らを待つものは……?
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posted at 21:20:02
そして、それを母の愛で纏めあげてしまう豪腕ぶりにはなかなか痺れたが、一方でスマートな幕引きを期待した人にはやや微妙に思えるかもしれない。しかしながら、このカオスな内容だからこそ却って豪腕が引き立つわけで、人を選ぶかもしれないが刺さる人には刺さる愛すべき異形の佳作である。
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posted at 17:19:54
そこへ恒例の風太郎忍法帖は勿論のこと、ターミネーター的タイムリープネタが加わり、しまいにはスペースヴァンパイアの終盤のようなアポカリプスゾンビホラーさながらのカオスな状況と化するのが面白い。
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posted at 17:19:35
魔法医師シリーズの五作目。これまでのシリーズ同様、本作もまた様々な濃い要素が闇鍋のようにぶちこまれているが、今回の舞台となる〈時計島〉ではコッホ社の全従業員が生活リズムから発情時期(!)まで規則正しく管理されており、その様はある意味ブラック企業SFの一つの形と言っていいだろう。
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posted at 17:18:56
手代木正太郎「魔法医師の診療記録5」読了。クリミアとヴィクターが訪れた〈時計島〉――そこではコッホ社の従業員達が想像を絶するほど規則正しい生活を送っていた。そんな二人の前にヴィクターを付け狙う殺戮者たちが現れる。彼らは何故ヴィクターを狙うのか? そして島に蔓延する《妖病》の正体は?
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posted at 17:18:16