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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2011年03月04日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月4日

東野圭吾「麒麟の翼」読了。ある寒い夜、日本橋の欄干に凭れかかっていた男の胸にナイフが刺さっているのを巡査が発見、直ちに病院に搬送されたものの、間もなく死亡が確認された。それから一時間後、今度は被害者の免許証と財布を所持していた男がトラックに撥ねられたという情報が入る――。

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posted at 20:37:50

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月4日

帯には「加賀シリーズ最高傑作」。そして、それを保証する自信に満ちた作者の言葉……だが、残念ながら本作は自分にとっての「加賀シリーズ最高傑作」にはならなかった。別に悪い作品ではないと思うのだけど、どうにもあまりミステリを読んだ感じがしないのだ。

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posted at 20:39:17

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月4日

あえて本作を例えるならミステリ形式の人間ドラマ。ただ同じ路線の「赤い指」や「新参者」の時はまだミステリを読んだという実感があったのにどうしてこうなった……。とりあえず本作が加賀シリーズ中最もミステリ度が低い作品なのは間違いない。因みに自分の「加賀シリーズ最高傑作」は「悪意」です。

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posted at 20:41:55

2011年03月06日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月6日

静月遠火「ボクらのキセキ」読了。女子高生の有亜の許にかかってきた未来の恋人と名乗る男からの電話。男は自分と絶対付き合ってはいけないと言いもし付き合ったら起こるであろう未来の予言をする。実はそれは隣の高校に通う久則がかけた悪戯電話だったのだが数日後予言通りの事が本当に起こり始める。

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posted at 11:13:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月6日

始まりこそ作者のデビュー作である「パララバ」と似ているが、SF要素のあった「パララバ」とは異なり、こちらは完全に現実に則した物語となっている。何故、予言通りのことが起きるのか? その理由はなんてことはないものだが、落としどころとしては妥当なところだと思う。

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posted at 11:14:58

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月6日

ミステリとしての醍醐味を求めると些か物足りないかもしれないが、物語的にはそこそこ楽しめた作品だった。ライトな恋愛ミステリが好きな人であれば、もしかしたら気に入るのかもしれない。

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posted at 11:15:46

2011年03月07日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月7日

北山猛邦「私たちが星座を盗んだ理由」読了。一見、ミステリとは思えない物語。だが、ラストでそれは見事に反転し、ミステリとしての本性が明らかになる……そんな五つの短編が収録された本作は、久々に「これぞ北山猛邦」と胸を張って言える出来に仕上がっている。

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posted at 21:50:03

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月7日

書き下ろしは表題作と「終の童話」の二編だが、個人的には表題作よりも「終の童話」の方を推したいと思う。この短編は「少年検閲官」同様、トリックのために一つの世界を作り上げた「異世界本格」であり、そこでしか成立し得ない異形の論理が素晴らしい。

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posted at 21:51:19

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月7日

他にも麻耶雄嵩を思わせる「妖精の学校」やラスト一行にその手のミステリ好きは狂喜する「恋煩い」など見逃せない短編が目白押しな本作は、間違いなく今年を代表する本格と言っていいだろう。

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posted at 21:52:16

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月7日

小泉喜美子「暗いクラブで逢おう」読了。まず本作のあとがきで作者は次のように語っている。「ミステリとは、もっと余裕のある、しゃれた小説分野なのです。花や香水のようにして選んで、そして楽しむものなのです」――本作はそんな作者のミステリ観がよく表れたミステリ短編集である。

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posted at 22:01:25

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月7日

収録作は基本的に謎解きの醍醐味よりもミステリの洒落た雰囲気を味わうことに重点が置かれているが、中には思わぬサプライズが仕掛けられたものもあるので油断ならない。「故郷の緑の……」は「弁護側の証人」を書いた作者らしい「やられる」ミステリとしてお勧めしたい一編である。

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posted at 22:02:21

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月7日

ちなみに個人的なベストは「酒と薔薇と拳銃」。「故郷の緑の……」の意外性ある作品も捨て難いが、本作のコンセプトである「洒落た雰囲気を味わう」という意味ではこの短編がもっとも相応しいような気がする。

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posted at 22:03:09

2011年03月08日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月8日

加賀美雅之「縛り首の塔の館」読了。本作は加賀美作品ではお馴染みの「人狩り紳士」ことパリ警視庁の予審判事、シャルル・ベルトランが五つの不可能犯罪に挑むミステリ連作集である。本作について良い言い方をすれば「古きよき本格」ということになるのだろう。

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posted at 21:35:06

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月8日

だが、残念ながら自分は本作を読んで、ただの「古臭い本格」としか感じなかった。例えば本作の収録作の幾つかは手垢のついたトリックを使っているが、別にそれを悪いと言うつもりは毛頭ない。何故なら手垢のついたトリックでも見せ方一つ変えただけで見違えるくらいの効果を発揮する場合があるからだ。

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posted at 21:36:28

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月8日

だが本作の場合その見せ方すらも手垢まみれなのがいただけない。他にも無神経とも言える文章の誤りや、あからさますぎる手掛かりの出し方にはゲンナリ。あと「白魔の囁き」のトリックについて作者は『「バカミス」と受け取られかねませんが』と語っているが、こういうのはバカミスとは言わないと思う。

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posted at 21:37:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月8日

あえて言うなら、ただのご都合主義であり、個人的にはこれをトリックと言ってしまうのはどうかとさえ思う。色々辛辣なことを言ってしまったが、デビュー作から追い掛けている作者だけに次回こそは頑張ってもらいたい。

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posted at 21:38:58

2011年03月09日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月9日

小泉喜美子「またたかない星」読了。本作のジャンル名を見ると「青春本格ミステリー」となっているが、実際は「女は帯も謎もとく」のようにミステリーあり、リドル・ストーリーあり、ホラーありといったバリエーションに富んだ短編集に仕上がっている。

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posted at 18:32:58

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月9日

収録作のうち最もミステリ度が高い「犯人のお気に入り」はアレ系の先駆けとも言うべき作品だが、その内容は今読んでも全く古さを感じさせない。また「殺人者と踊れば」も実にこの作者らしい仕掛けでアッと驚かせてくれる。多分赤川次郎の黒い作品が好きな人であれば本作も気に入るのではないだろうか。

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posted at 18:33:45

2011年03月13日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月13日

小島正樹/島田荘司「天に還る舟」読了。「火刑都市」事件の捜査を終えた中村は休暇で訪れた埼玉県秩父市である事件に遭遇する。鉄橋から男の首吊り死体と黒い舟がぶら下がっていたというその奇妙な事件は自殺として処理されていたが不審を抱いた中村は独自に調べ始める。その直後、第二の事件が……。

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posted at 18:37:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月13日

本作は小島正樹と島田荘司の共作ということになっているが、自分が読んだ印象では小島正樹によるところが大きいように思った。例えば本作で使われたトリックはどれも大掛かりだが、島荘作品特有の豪快さはあまり感じられない。文章にしてもイマイチ淡々としている。

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posted at 18:38:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月13日

とはいえ、第一の殺人のトリックはよくできていると思う。また中村刑事の他にもあの人を登場させるなど所々に島荘ファンに対するサービスが用意されているのも嬉しい。そして小島作品ではお馴染みの海老原浩一も探偵役として活躍しているので、小島作品が好きであれば読んでみてもいいかもしれない。

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posted at 18:39:46

2011年03月14日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月14日

谺健二「肺魚楼の夜」読了。神戸にある「冬景楼」と呼ばれる館で奇妙な事件が起きた。食堂で人が死んでいるという通報を受けてNPO職員が駆け付けると一人の女性が首を絞められて倒れている。呆然とする職員に対し通報者の女性は更に驚くべきことを告げる。「壁の中に棲む魚の怪物が襲った」と――。

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posted at 16:46:48

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月14日

正直言えば、本編の九割がた読んだ段階では、この作品に対しあまりいい印象を抱いていなかった。謎の見せ方に関してはこなれているものの、肝心の真相はバレバレ、もしくは噴飯物であり、ぶっちゃけこれはハズレだなと頭から決めてかかっていた。

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posted at 16:47:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月14日

だが、それも残り僅か十数頁というところで一変する。意外な方向から明らかになる作者の企みに「成る程、そういう仕掛けだったのか」と思わず唸らされた。これで他の部分も良ければ言うことはないのだが、個人的にはこの仕掛けだけでも本作を読む価値はあると思う。

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posted at 16:49:18

2011年03月17日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月17日

寵物先生「彷徨えるマーク・ガッソン」読了。科学が発達し「人」と「機械」の境界線が曖昧になった二W九八年、アンドロイド研究を目的として設立された研究所でドナー志願者の青年が何者かに射殺された。凶器となった拳銃は現場に残されていたが、奇妙なことに弾丸は一発しか装填されていなかった。

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posted at 11:10:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月17日

SFではお馴染みのロボット工学三原則に基づいた本作は、自分好みの「謎を成立させるために世界観を一から作り上げた」本格ミステリである。目の付け所はなかなかいいと思う反面この手の作品が陥りやすい「特殊なルール故に伏線が分かりやすい」という欠点がもろに出てしまっているのが何とも惜しい。

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posted at 11:11:41

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月17日

とはいえ、この世界観ならではのミステリとしてはよく出来ていると思う。いつになるかは分からないものの、次回作にも大いに期待したい。

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posted at 11:12:35

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月17日

我孫子武丸「眠り姫とバンパイア」読了。アメリカへ留学することになった友人の代わりに小学五年生の女の子、相原優希の家庭教師をすることになった大学生、萩野歩実。ある日歩実は優希から父親が三年ぶりに会いに来てくれたという話を聞く。だが、その父親は三年前に死亡していることが判明し――。

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posted at 19:05:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月17日

死んだはずの父親が会いにくるという奇妙な話。それはやがて密室からの人間消失という不可能犯罪ばりの謎にまで発展する。と言っても、どうせ他愛のない真相なんだろ? と高を括っていたら、見事にやられてしまった。まさか真相が○○○だったとは……このずらし方が、何ともこの作者らしい。

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posted at 19:05:58

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月17日

読後感もこの作者には珍しく(?)実に爽やかで、ジュブナイル作品としてはかなり高い完成度と言っていいだろう。個人的にはミステリーランドで久々にミステリらしい作品を書いてくれたことを何よりも評価したい。

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posted at 19:06:50

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月17日

井上雅彦「夜の欧羅巴」読了。有名な吸血鬼画家の母が姿を消したのと前後して三人の刑事が息子であるレイの許を訪ねてきた。なんでも刑事たち曰くある殺人現場に彼女が描いた絵の切れ端が落ちていたと言う。それを聞いて居ても立ってもいられなくなったレイ。手掛かりは母が残した一冊の画集だけ――。

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posted at 19:07:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月17日

宝箱を開けると、妖しくも美しい夜の夢がそこにあった――そんな例えが相応しい本作は怪奇映画に出てくるような怪人、怪物たちが繰り広げる一大冒険譚である。少年少女のためのミステリーランドらしく次々と現れる夜の眷属たちに主人公レイが勇敢に立ち向かっていく様は読んでいて非常にワクワクする。

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posted at 19:08:54

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年3月17日

作者が自分の代表作になるかもしれないと語るように本作には作者のやりたいこと、好きなものが徹底的に詰め込まれており、ある意味井上雅彦の集大成と言ってもいいかもしれない。そしてそれらを見事に再現した小島文美の挿絵も素晴らしい。胸躍るような冒険ロマンが好きな人には是非ともお勧めしたい。

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posted at 19:10:29

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