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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2011年04月08日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月8日

間宮夏生「変愛サイケデリック」読了。「ストレンジサイケデリコ」という異名を持つ千光高校きっての変人、彩家亭理子にとって最も興味があるのは人間観察であり人間考察である。そんな彼女が研究対象として目をつけたのは春になると飛び降り自殺を試みる「死にたがりの宇宙人」こと神宇知悠仁だった。

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posted at 18:30:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月8日

前作「月光」が直球だとするならば、本作は差し詰め変化球と言ったところだろう。前作同様、血生臭さが絡むエキセントリックな恋愛劇というのが本作に対する一般的な認識だと思うが、一方で良質なミステリ作品として読むことも可能だと自分は考える。

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posted at 18:31:45

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月8日

メインの事件の顛末もさることながら、本筋とは別に仕掛けられた幾つかのサプライズにはそこはかとないミステリセンスが感じられる。「変愛」をテーマにした物語としての完成度も高く、個人的には「変愛」ならぬ「偏愛」したい作品である。

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posted at 18:32:51

2011年04月11日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月11日

湯川薫「虚数の眼」読了。事の始まりは新橋駅付近のおもちゃ屋で起こった殺人事件だった。黒猫の縫いぐるみの中に隠された少年の死体は何故か微笑んだ顔と紅い目していた。それから数日後、警視庁の木田警視の許に「ツァラトゥストラ二世」と名乗る人物から被害者の画像付きの殺人予告メールが届く。

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posted at 00:29:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月11日

これは酷い。前作「ディオニシオスの耳」も多少読者を置き去りにするところはあったが、本作はそれどころの話ではない。読者を置き去りにしたまま最後まで突っ走ってしまった。しかも本作がある意味凄いのは読んでいて、ちっともミステリという感じがしないことだ。

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posted at 00:30:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月11日

何と言うか全体的に散漫な印象で、意図してミステリ的な展開を避けていると言うのではなく、根本的にこの作者はミステリというものが分かっていないのだと思う。その証拠に本作は四人も人が殺され、あまつさえ誘拐事件まで起こるのにびっくりする程、盛り上がらない。

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posted at 00:31:30

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月11日

故に解決編に入っても「ふーん」の一言で終わってしまう。というか正直な話、どこで驚けばいいのか全く分からなかった。本作について都筑道夫氏は「二十一世紀の虫太郎というべきか。華やかな新人の登場である」との推薦文を寄せているが、華やかな要素なんてあったかどうかは激しく疑問である。

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posted at 00:32:22

2011年04月12日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月12日

湯川薫「イフからの手紙」読了。レッカー移動が縁で親しくなった男、車大吉とデートをすることになった葵。だが、そのデートの当日に大吉は何者かに襲われ、葵の目の前で崖から突き落とされてしまう。それから暫くして気を失っていた葵が目を覚ますと、大吉の姿は煙のように消え失せていた……。

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posted at 22:46:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月12日

まず最初に驚いたのは本作が三作目にして初めて徹頭徹尾ミステリらしい展開をしていることだ。古くからの因習が残る村。連続する神隠し。幽霊列車に連れ去られた老人。消える沼等々その内容はまるで別人が書いたとしか思えない変わり様である。これも全ては関大ミステリー研のアドバイスの賜物だろう。

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posted at 22:47:16

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月12日

とはいえ本作で完全に化けたのかと言うと正直微妙ではある。所々雑な展開や意外性の全くない真相、トリックがまんま某古典の焼き直しに過ぎない点等々、欠点を挙げたらキリがないが少なくとも本作はこれまでと違って一度も読者を置き去りにしたりはしない。それだけでも大きく進歩したと言えるだろう。

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posted at 22:50:00

2011年04月13日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月13日

湯川薫「漂流密室」読了。三ヶ月前、五人の人間が消えたという屋久島沖に建造された人工浮島「テラ・フロート」へとやって来た湯川幸四郎一行は、何者かによってその内部に閉じ込められてしまう。そして、それを皮切りに一人、また一人と消えていく関係者たち。果たして、犯人の狙いは?

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posted at 18:12:19

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月13日

前作「イフからの手紙」もそれなりにミステリらしい作品ではあったが本作はそこにサスペンス性も加わりよりミステリらしい作品に仕上がっている。クローズドサークルと化した人工島。姿の見えない犯人による殺人予告。次々と消えていく関係者たち、とその展開は類型的ながらも着実に盛り上がっていく。

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posted at 18:13:33

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月13日

そして終盤になると「読者への挑戦」まで挿入されるといった凝りように「もしかして今回の湯川薫はやってくれるんじゃないか!」と否応なしに期待が高まる……が、いざ謎解きが始まると「やってくれた」ではなく「やっちゃった」となるのが湯川薫クオリティー(爆)。

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posted at 18:14:34

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月13日

ちなみにカバー裏の作者のコメントには「(前略)誤解されっぱなしの僕ですが、いつも『街の洋食屋さん』の昔なつかしい味つけを心がけています」とあるが、多分これに対して突っ込んだら負けなのだと思う。見た目は凄く美味しそうなのに、味付けが残念なハンバーグ定食――それが本作である。

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posted at 18:15:49

2011年04月16日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月16日

一柳凪「リバース・ブラッド1」読了。とある研究所で起きた爆発事故に巻き込まれた巽は、記憶をなくした代わりに人や物の記憶を読み取る能力を手に入れていた。その一方で巷では内蔵が抜き取られたかのような奇妙な死体が相次いで見付かっていた。そんなある日、巽は一人の謎めいた少女と出会う。

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posted at 18:00:08

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月16日

あとがきで作者は王道の学園(異能)バトルものを目指したと語っているが、お世辞にもそれが成功しているとは言い難い。というのも本作には編集側の意向なのか前作にはなかったラッキースケベがふんだんに盛り込まれているが、それに頁を割きすぎて本来説明すべきものがおざなりになってしまっている。

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posted at 18:01:31

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月16日

また作者が言う「ささやかな(ミステリ的な)仕掛け」にしても「ささやか」どころか取って付けた感が否めない。正直、前作が良かっただけに、この出来には残念と言わざるを得ない。

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posted at 18:02:23

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月16日

澤木喬「いざ言問はむ都鳥」読了。沢木敬、分類学者。趣味はバイオリン。植物学科の助手を務め、学生の指導や論文執筆、フィールドワークに明け暮れる。そんな彼が遭遇した四つの日常の謎を収録した連作短編集である本作は、昨今のヌルイ日常の謎とは一線を画するような論理と飛躍に満ちている。

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posted at 18:36:10

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月16日

それが最もよく表れているのは第二話「ゆく水にかずかくよりもはかなきは」だろう。人気のない切符売り場でひたすら子供用の切符を買い続ける男の謎を扱ったこの短編の着地点を予想できる人はそうそういないに違いない。

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posted at 18:37:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月16日

謎と真相のとんでもない結び付きこそ自分の求める日常の謎であると固く信じて疑わない人にとって、本作は打ってつけなミステリ短編集と言えると思う。また、のんびりとした語り口とは裏腹に真相が黒いのも個人的にはポイント高し。

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posted at 18:38:34

2011年04月19日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月19日

海渡英祐「おかしな死体ども」読了。警視庁捜査一課主任・吉田茂警部補。名前だけではなく頑固で無愛想で皮肉屋という特徴までかつての日本の首相と瓜二つと言われる彼の許に廻ってくる事件は何故かひねくれたものばかり。本作はそんな彼が遭遇した八つのひねくれた事件を収録した連作短編集である。

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posted at 20:31:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月19日

まず本作を読んで印象に残るのは吉田警部補の強烈な存在感だろうが、事件の方もなかなかに魅力的だ。一つの死体が次々と違う現場に現れては消える「動きまわる死体」もさることながら、一番気合いが入っているのは何と言っても特撮映画会社周辺で起こる連続殺人を扱った「怪獣の好きな死体」だろう。

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posted at 20:32:17

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月19日

怪獣図鑑のダイイング・メッセージと怪獣の着ぐるみを着て堂々と殺人をやってのける犯人。二転三転する展開は面白いが、真相が些かスマートさに欠けるのが残念。そういう意味ではミステリのお約束を裏切りつつも(?)すっきりとまとめた「下痢をした死体」がベストかもしれない。

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posted at 20:33:33

2011年04月23日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月23日

一田和樹「檻の中の少女」読了。自殺支援サイト「ミトラス」に息子を殺されたと主張する老夫婦。その「ミトラス」に登録したばかりにストーキングに怯える女子高生。同時期に舞い込んだ二つの依頼にサイバートラブル解決屋の君島はどう挑む?

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posted at 15:59:57

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月23日

まず本作を読んで驚いたのは1958年生まれの作者とは思えない、その軽快な文体である。IT関連の用語や蘊蓄が飛び交うこの手の作品は得てして人によっては即拒絶反応が出てもおかしくはないものだが、本作の場合はその文体のおかげでだいぶ読みやすくなっていると思う。

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posted at 16:01:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月23日

しかしながら、本作の本質はそこではない。そういったサイバーな展開の先に待ち受けるのは、ミステリ読者にはお馴染みのある趣向である。そしてエピローグで明らかになる本作のタイトル由来、事件の背景は、むしろ前時代的とすら思えるかもしれない。本作はそういったギャップ感が面白い作品である。

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posted at 16:02:09

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月23日

深木章子「鬼畜の家」読了。物心がついた時、あたしの家はすでに壊れかけていました――保険金目当てで家族を次々と手にかけていく母親。その母親も自動車もろとも夜の海に沈んだ今、ただ一人生き残った娘の口から恐ろしい「鬼畜の家」の全貌が明らかにされていく。

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posted at 20:09:52

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月23日

読了後、本作の完成度の高さに舌を巻いた。驚くべきことに、本作には新人のデビュー作であれば必ずと言っていいほど目に付く無駄な要素が何一つ見られない。構成、文章共に念入りに磨き上げられており、月並みだが「欠点らしい欠点が見当たらないことが欠点である」としか言いようがない。

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posted at 20:12:04

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月23日

とはいえ、本作は核となるネタだけ取り出したら別段たいしたことはない。では何が優れているのか。それは事件背景の作り込みと真相隠蔽のテクニックである。特にインタビュー形式という構成にさりげなく仕掛けられたある企みには見事にしてやられた。

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posted at 20:13:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

11年4月23日

それ以外にも張り巡らされた膨大な伏線の数には目を見張るばかりである。本作は真梨幸子「殺人鬼フジコの衝動」を思わせるドロドロのイヤミスと本格ミステリを高い次元で融合させた秀作である。

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posted at 20:14:37

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