麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2012年02月15日(水)
そしてその一方でデジタルな物語の中にさりげなくアナログな本格ミステリ的仕掛けが盛り込まれているのが新鮮で、ある意味これは新しい見せ方かもしれないと妙に感心してしまった。……何だか随分と捻くれた読み方をしているようだが(汗)とりあえず本作が良質なエンタメ小説であることは間違いない。
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posted at 22:57:11
本作について恐らく大半の読者がネット社会に警鐘を鳴らしたパニック物、あるいはタイムリミット・サスペンスとして読むのだろうが、自分は本作をあくまでハードボイルド小説として読んだ。そうでなければ、あのような結末にはならないだろう。
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posted at 22:56:48
一田和樹「サイバーテロ 漂流少女」読了。前作「檻の中の少女」で活躍したサイバートラブル解決屋の君島が、ツイッタースパム騒動に端を発するサイバーテロ事件に巻き込まれる本作は、作者の専門分野を活かしたリーダビリティの高い作品に仕上がっている。
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posted at 22:55:59
何より「女名刺殺人事件」に収録されていた「母なる殺人」や「ちぐはぐな情事」に比べると、今一歩劣る印象は否めない。また四編中、三編が動機が同じなのも気になる。駄作とまでは言わないまでも、些か書き急いだ感があるのが残念。
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posted at 16:30:58
梶龍雄「殺しのメッセージ」読了。「女名刺殺人事件」に続く探偵姉妹トリオシリーズの短編集第二弾。収録作四編のうちベストは好奇心から参加したAV撮影現場で殺人事件に巻き込まれる「アダルトな殺人」だが、真相の捻り方は面白いと思うものの、そこまでやる必然性があまり感じられないのが難か。
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posted at 16:30:27
2012年02月14日(火)
本作について作者は「最近出た東川作品の中ではダントツで面白いな」と自虐的なコメントを寄せているが、その言葉に偽りなし。あと光原百合の解説にネタバレは一切ないのでご安心を(爆)。
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posted at 13:17:30
特に良かったのは「南の島の殺人」で、ただトリックを盛り込んだだけでは終わらずきちんと犯人限定ロジックにも活かされてるのは好印象。それは家屋消失を扱った「十年の密室・十分の密室」にも同じことが言える。惜しむらくはデビュー後の短編がデビュー前に比べるとイマイチ劣るということだろうか。
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posted at 13:17:01
東川篤哉「中途半端な密室」読了。デビュー前の「本格推理」掲載の四編+デビュー後に書かれた一編が収録されたミステリ短編集。初期作四編に関しては文章に固さがある、ユーモアがまだこなれていないなどの欠点はあるが、本格としての切れ味はこれまで出た東川作品の中ではベストと言っていいだろう。
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posted at 13:16:21
2012年02月13日(月)
また最終作であるものの実質打ち切り扱いのため、これまでの事件の黒幕の正体が明らかになって終わりという何とも消化不良な内容になってしまっている。本シリーズと同時期に始まった「トリックスターズ」シリーズ程ではないにしろ、徐々にミステリとしての出来は良くなっていただけに残念でならない。
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posted at 19:18:59
森ミステリィを彷彿とさせるφシリーズの三作目にして最終作。これまで出たシリーズの中では一番ミステリをやっているが、一方でシリーズ中一番真相が分かりやすいという欠点も抱えている。というか、作者に真相を隠す気があまりないのではないかとすら思える。
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posted at 19:18:18
佐竹彬「開かれた密室」読了。夏休みに情報学研究船〈ポルターレ・アクアム〉を見学することになった朝倉渚の研究クラス。だが洋上での合宿に浮かれるのも束の間、乗員の一人が船体の上部に磔にされた姿で殺されているのが発見される。更に船は外部との連絡手段が断たれ、孤立状態に陥ってしまう。
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posted at 19:17:36
ミステリ的には目を惹くようなトリックこそないものの、この作者らしい伏線の上手さは健在で、あれも伏線、これも伏線と明かされていくだけでも充分驚きが味わえる。また二人の探偵役が別々の方法で犯人を指摘してみせる趣向も面白い。動機に少々不満はあるが、良作と言っていい出来だと思う。
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posted at 16:55:10
本作は「出切るだけ図式風に、きまり良い骨組みにまとめた」と作者が語るように、内容としては堅実なフーダニット物に仕上がっている。二人の探偵役が登場するに至った背景には、高校野球での二校の対立が絡んでいるのだが、それが物語の盛り上げにも一役買っている。
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posted at 16:54:40
梶龍雄「青春迷路殺人事件」読了。昭和十一年五月。東京の下宿先で京都の老舗問屋の御曹子・亀富修一が何者かに殺された。容疑者は二人の弟……高校浪人でモボ少年の浩二と第一高等学校のエース投手である守人。だが二人には鉄壁のアリバイがあった。様々な思惑が絡んだこの事件に二人の探偵役が挑む。
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posted at 16:54:07
2012年02月10日(金)
故に収録作の中には微妙なものも幾つかあるが、個人的にベストを選ぶなら「女とパンティ」だろうか。「ケンちゃん、裸の女の人が走ってるのを見たよ」という五歳の男児の発言が殺人事件の解決の糸口になるというこの短編の粗筋だけ見るとかなりぶっ飛んでいるが意外にもパズラーとしての出来はまとも。
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posted at 18:58:57
梶龍雄「女はベッドで推理する」読了。独身警部補・黒沢龍介と人妻探偵・エリ子の不倫コンビが活躍するシリーズの第一弾短編集。九編も収録されているのはいいが、一編一編の長さが短い、しかも毎回濡れ場を入れなければいけないという縛りのため、作者がかなり苦労しているのが窺える。
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posted at 18:58:22
2012年02月09日(木)
そして、その真相のヒントにしても実に大胆な形で示されていたことに二度びっくり。確かに他のカジタツ長編に比べると小粒感は否めないが、その代わり、生き生きと描かれた浅草の様子や探偵チエカの活躍が堪能できる作品である。
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posted at 17:29:22
ストリッパー探偵チエカシリーズ初の長編である本作は、凝りに凝った長編が多い作者にしては珍しく、肩の力を抜いて楽しめる軽い作品に仕上がっている。伏線の巧さもさることながら特に作者が力を入れたと思われるのはプロットで、これで解決と思っていたらもう一波乱あったのには驚かされた。
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posted at 17:27:56
梶龍雄「浅草殺人ラプソディ」読了。浅草パリ座のストリッパー・チエカの妹分のマドカが何者かに暴行された。その犯人はマドカの証言により、人気タレントの川津浩一であることが明らかになる。一方、チエカと親交のある飛田刑事が担当した若い女の自殺事件は一転して密室殺人の様相を示し始める――。
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posted at 17:26:54
2012年02月07日(火)
唯一面白かったのはヨーロッパから帰ってきた蘭子が○○○だった点だが、それだけのために本作を読むのはあまりお勧めできない。個人的に期待していた作品だけにこの結果は非常に残念だった。
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posted at 17:32:45
一応ミステリらしいトリックもあるにはあるが、バレバレだったり、必然性に疑問だったりとお世辞にも上手いとは言い難い。また肝心のラビリンスとの決着の仕方に関しても、腰砕けもいいところで、読み終わった時はガッカリ感しかなかった。
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posted at 17:32:20
特に酷いのがニューホリー村で起こった事件で、作者曰く本作は「島田荘司流奇想ミステリーの手法を大胆に取り入れ」たとのことだが、どうも島田荘司流奇想ミステリーを勘違いしているとしか思えない。実は○○でしたというオチをたまに使うのはいいが、それを何回も用いるのはさすがにどうかと思う。
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posted at 17:31:27
「悪魔のラビリンス」以降、四作に渡って続けられてきた「名探偵・二階堂蘭子 VS 魔王ラビリンス」の最終章……なのだが、正直これは微妙。というのも本作に出てくる謎のほとんどが特殊知識に依存するものなのがまずいただけない。
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posted at 17:30:51
二階堂黎人「覇王の死 二階堂蘭子の帰還」読了。資産家・邑知家の後継者になりすまして能登半島にある眞塊村へとやって来た青木俊治を待っていたのは血も凍るような惨劇だった。村を襲う怪物、狂気にかられる村人、猟奇殺人、殺人予告、密室殺人……果たして名探偵・二階堂蘭子は真相に辿り着けるか?
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posted at 17:30:17
2012年02月06日(月)
だが最後の短編「後家蜘蛛の死」で再び盛り返す。宝石マニアで知られる夫人の放蕩息子に後家蜘蛛と渾名される未亡人を殺害した嫌疑がかかるこの短編は序盤に挿入される三つのエピソードに巧妙に隠された伏線が実に秀逸。個人的に伏線の妙なら「消失の闇」と表題作、「後家蜘蛛の死」の三作を推したい。
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posted at 18:59:20
リラ荘の美しい女主人・通称リラ夫人の推理が冴えるミステリ短編集。本作に収録された七編のうち、前半の三編――目の前で起こった宝石消失劇の謎「消失の闇」、人気女優が巻き込まれた銃殺事件「女優エリカの悪夢」、そして表題作が良質のパズラーであるのに対し、後半は些か失速しているのが残念。
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posted at 18:58:49
梶龍雄「殺人者は道化師」読了。次期総裁有力候補が別荘で殺された。第一発見者である長男は死体を発見する直前に現場から立ち去る道化師の姿を目撃する。やがて警察の調べで被害者の次男が現場から差ほど離れていない場所で道化師の格好で働いていたことが明らかになる。果たして殺人者は次男なのか。
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posted at 18:58:08
読者への挑戦にて、作者は「犯人の意外性もないし、短編では伏線の数もたかが知れている」と謙遜しているが、ミスディレクションの技巧はなかなかだと思う。何故作者が事件以降よりも事件以前に筆を費やしたのか。その理由に気付いた時、あっと驚かされること請け合いの良作である。
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posted at 11:18:44
依井貴裕「緑の密室」読了。キャンプの最中に密室で女生徒が殺された事件を当時、高校生だった名探偵・多根井理が解き明かす。一応、密室物と謳ってはいるものの、注目すべきポイントは「どのように密室にしたか?」ではなく、むしろ「何故密室にしたか?」にある。
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posted at 11:17:51