麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2014年04月18日(金)
また探偵役が愛を疑うことで事件の真相に迫っていく展開も、ロマンと本格の融合を得意とする作者の持ち味がよく出ていて○。本作は人間を描くことが仕掛けと直結した稀有な作品である。
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posted at 03:15:40
島田荘司の豪腕にも通じる圧倒的筆力が可能にするトリックが一読忘れ難い秀作。本作が凄いのはその抜きん出た文章力を意図的に使ってトリックの成立と隠蔽を同時にやってのけたことであり、卓越したミステリセンスと作家としての高い技量があって初めて成し遂げられるこのネタには脱帽と言うしかない。
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笹沢左保「暗鬼の旅路」読了。発明家の三津田と共謀し株価操作した疑いをかけられ窮地に立たされた太平製作所の社長・ユカは数日後、室戸岬で三津田を殺害したとして逮捕される。彼女の無実を信じる部下の松島が捜査を始めて間もなく東京でユカに求婚していた金融業者・矢崎の他殺体が発見されて……。
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posted at 03:15:01
2014年04月16日(水)
但し本作は究極の美を追究するあまり狂気の領域に足を踏み入れており、特に奪われるピアスの真相がそれを端的に表している。とはいえ全体を通した物語としてはどんでん返しも含め予想の範疇に留まってしまっているのが少々物足りないが、そこをお約束と割り切ってしまえば問題なく楽しめる作品である。
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posted at 22:05:07
孤島で起こる連続殺人というといかにも本格ミステリっぽいが、展開はあくまで本格ミステリではなく、本格ミステリ的ガジェットを使った究極の「美」の物語であり、それは作者の手掛ける黒猫シリーズとほぼ変わらない。
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森晶麿「COVERED M博士の島」読了。全身整形手術に抵抗のない男性募集。術後、元の姿に戻れないことを承諾できる方に限る――そんな異様な募集に応募し、瀬戸内海の孤島へとやってきた僕を待っていたのは天才医師と美しい女たち、そして首なし死体に端を発する連続殺人事件だった。
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posted at 22:04:28
加えて本作には最後の一撃まで用意されており、それがタイトルの意味にもなっているのが心憎い。ただその反面、意図的に掴み所のない展開にした弊害で些か退屈に感じる部分があるのは否めないものの、『目的はあくまでも読者を騙すことにある』という作者の狙いは少なくとも成功している良作である。
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posted at 01:04:39
『事件の発端も経過も、誰が探偵役で誰が犯人役なのかも、殺人の動機も、すべて謎』と作者が語る本作だが、探偵役と犯人役に関してはそれほど意外性はない。むしろ見るべきところはホワイダニットであり、動機が明かされると共にそれまで漠然としていた事件の構図が浮かび上がってくる構成が実に秀逸。
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posted at 01:04:22
笹沢左保「眠れ、わが愛よ」読了。東京で速記の仕事をしているはずの妻が、何故か沖縄・石垣島で起きた飛行機の墜落事故の犠牲者となっている事実に村雨敏夫は愕然となる。彼女の沖縄行きの目的は何か?同行者はいたのか?様々な疑問が渦巻く中、妻と関係ある人間たちが次々と謎の死を遂げていき……。
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2014年04月15日(火)
また狭義のミステリというわけではないにしろ、真相を示す伏線がいまいち弱いのも気になる。とはいえこういった形式の物語は割合好みなので、作者にはいつかまたチャレンジしてもらいたいと思う。
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人生相談に纏わるブラックユーモア色の強いエピソードの数々が次第に繋がっていき、やがて意外な人間関係が浮き彫りになる作品。だがいかんせん意外性を追求するあまり、人間関係を変に複雑にし過ぎて驚きのポイントがぼやけてしまった感がどうにめ否めない。
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真梨幸子「人生相談。」読了。『居候している女性が出て行ってくれません』『職場のお客が苦手で仕方ありません』『隣の人がうるさくて、ノイローゼになりそうです』……大洋新聞の人気コーナー「よろず相談室」に寄せられる悩みの数々。一見何の関係性もなさそうな人生相談の裏にあるものは?
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2014年04月13日(日)
その他、恋人を救うために立ち上がる小牧の姿には胸を打たれるし、結末で明かされるある事実も皮肉がきいていて○。これでもかとばかりに詰め込まれたトリックとロマン香る物語の融合に成功した作品である。
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posted at 20:39:44
傑作。盲点をついた密室トリックもさることながら、何よりも秀逸なのは何故そんな殺害方法を選択したのかであり、そこから浮き彫りになる事件の構図には思わず圧倒させられる。また人物設定にしてもこの構図ありきのものであるにも拘わらず、物語として違和感なく溶け込んでいる点も素晴らしい。
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posted at 20:39:34
笹沢左保「霧に溶ける」読了。ミス・コンテストの最終予選に残った五人の美女が次々と謎の事件に巻き込まれる。自動車のブレーキ事故、シャッターが降りた倉庫の密室殺人、運河沿いの家での事故死、そして冷蔵庫の中での窒息死。そんな中、容疑者として疑われた恋人を救うため小牧は必死の推理を行う。
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posted at 20:39:12
2014年04月12日(土)
そして終盤、全く予想もしていなかった真相が明らかになると同時にようやく作者の狙いがどこにあったのかが分かり、大いに唸らされる。そういう意味では本作はホワットダニットの秀作と言ってもいいかもしれない。
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posted at 23:15:37
時効寸前という作者が好んで使うシチュエーションを活かしたタイムリミットサスペンスにして、大胆な仕掛けに唖然とさせられる作品。正直いえば途中まではただのサスペンス小説という雰囲気が濃厚なのだが、ヒロインを付け狙う男の正体が判明したのを境に謎の度合いが一気に深まる展開が実に秀逸。
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posted at 23:15:23
笹沢左保「ふりむけば霧」読了。十八歳の時に二人を殺害し逃亡生活を続けていた千早芙美子はあと一年半で時効が成立するタイミングで被害者の夫・八ツ橋待彦と出会ってしまう。だが意外にも待彦は芙美子に逃亡の援助を申し出たのだった。やがて二人は愛し合うようになるが、再び殺人事件が起きて……。
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posted at 23:14:54
本作にはその手の先例である歴史的価値は勿論のこと、事件の背景と探偵役の母としての側面を丁寧に描いたことで、終盤での夫婦の結束感と、過去と決別してみせたラストシーンを際立たせることに成功している。本作は五百頁近い厚さを一切感じさせない、一気読み必至の誘拐ミステリの佳作である。
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posted at 15:21:35
メインのネタに関して言えば、今となっては幾つか作例があるため、早ければ探偵役である純一の母・真紀が過去を探り始めた段階で気付いてしまうかもしれないが、それでも本作の魅力が減じることはない。
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posted at 15:21:25
本作は「他殺岬」同様、身代金目的ではない奇妙な誘拐事件を扱っているが、「他殺岬」が五日間という期限を儲けることでタイムリミットサスペンスとして読ませる作品だったのに対し、本作は誘拐事件に絡めた謎をテンポよく提示することで巧く読者の興味を惹き付けてみせる。
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posted at 15:21:05
笹沢左保「真夜中の詩人」読了。江戸幸デパートの社長・三津田良吉の一歳になったばかりの孫・和彦が誘拐され、その半月後に平凡なサラリーマン家庭に育つ純一が誘拐された。いずれも犯人からは何の要求もなく警察が困惑する中、今度は純一の祖母が轢き逃げされて命を落とす。犯人の狙いは何か?
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posted at 15:20:53
2014年04月10日(木)
ちなみに「失恋探偵」で培ったミステリ要素に関しては、墜落乙女と敵対する存在である「活キ人形」のボス「人形座座長」の正体と、墜落乙女自身の謎に迫る時に見ることができる。あくまで添え物程度なので意外性には欠けるものの、一部の伏線にはさりげない巧さがある。
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posted at 23:12:14
「失恋探偵」の作者の新作は、大正時代を舞台にした、怪人対名探偵ならぬ、怪人対魔法少女物。昨今の流行(?)を取り入れ多少の血腥さはあれど、その展開は徹頭徹尾王道なので、魔法少女物が好きな人には違和感なく受け入れられることだろう。
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posted at 23:12:01
岬鷺宮「大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド」読了。時は大正。帝都・東京に悪夢を齎す螺子巻き仕掛けの異形の化け物「活キ人形」と、謎の魔術によってそれを悉く凄惨に屠る異端の少女・墜落乙女。彼女を追う少年記者・乱歩が追跡の先に見るのは血染めの美少女が隠していた真実か、それとも……。
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posted at 23:11:18
だが一方でその推理のプロセスが犯人の絶妙な隠れ蓑にもなっており、なかなか一筋縄ではいかない面も持ち合わせている。また前作同様、主人公の設定が謎の解明に巧く活かされている点も○。本作は数ある作者の作品の中でも珍しい、コード型本格の佳作である。
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posted at 00:07:05
ルポライター・天知昌二郎シリーズの二作目にして作者が初めて密室テーマに真っ向から挑んだ作品。事実、本作は密室トリックの解明がそのまま犯人の正体に直結するシンプルな構造となっており、加えて物語の四分の三が事件の推理に費やされているのだから作者の意気込みの程が窺えるというものだろう。
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posted at 00:06:36
笹沢左保「求婚の密室」読了。女子学生とのスキャンダル疑惑を機に引退を決意した西城豊士教授が身の潔白の証明と養女の婿選びを兼ねて関係者を軽井沢の別荘に呼び集めた。だが翌朝、教授は夫人と共に離れの鍵がかかった地下室で服毒死体となって発見される。床に「WS」という謎の文字を遺して。
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posted at 00:06:12
2014年04月09日(水)
そして何より凄いのはそれら全てに必然性がある点で、パズルのピースが嵌まっていくようにあらゆるものが有機的に繋がり浮かび上がる構図は正に圧巻の一言に尽きる。キャラクター設定一つとっても無駄というものが一切なく、読んでいて空恐ろしくなるくらい完成度の高い作品である。
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posted at 00:26:17
傑作。身代金目的ではなくあくまで復讐としての誘拐、その誤解を解くために自殺として処理された事件を他殺であると証明しなくてはならないという一風変わった趣向もさることながら、五日間というタイムリミットを設けることでサスペンス性に拍車をかけているのが○。
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posted at 00:25:54
笹沢左保「他殺岬」読了。ルポライター・天知昌二郎の一人息子・春彦が誘拐された。犯人は天知の記事が原因で足摺岬から投身自殺した環ユキヨの夫・日出夫。彼は復讐として誘拐した春彦を五日後に殺害すると宣言する。天知は息子を取り戻すため、ユキヨの死が他殺であることを証明しようとするが……。
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posted at 00:25:29
そこから読者の目を逸らさせる技巧には感心させられるものの、それ以外の要素が微妙過ぎて評価を完全に落としてしまっているのが残念。いっそのこと、その部分だけで短編として纏めてしまった方がまだ面白かったのではないだろうか。
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posted at 00:25:17
参加者が何人殺されようが絶対に中止にならない恐怖の殺人ツアー(!)という本作の展開はまんま二時間サスペンスだが、いかんせん事件が地味過ぎるのと致命的なまでに盛り上がりに欠けるために全く面白くない(爆)。とはいえミステリとしては、ある構図の反転に見るべきところがある。
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posted at 00:25:05
中町信「下北の殺人者」読了。親睦旅行の幹事だったOLが何者かに殺害され、グループ買いで得た宝くじの三千万円が奪われた。それから数日後、被害者の追悼旅行という形で下北を訪れた一行を待っていたのは謎の連続殺人だった。
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posted at 00:24:45