麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2019年03月31日(日)
そしてその積み重ねがあるからこそ終盤エラリーに齎される一つの閃きが正に天啓というべき神がかりを見せており正直梗概だけでそれが分かるクイーンはやはり只者ではない。次点はミッシング・リンクテーマの中編「動機」でノンシリーズ物だからこそできる構成でさりげない意外性を演出しているのが○。
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posted at 13:11:58
事件の意外すぎる展開の連続には作中のエラリーだけではなく読者も翻弄されること請け合いであり、その裏で執拗に繰り返される現代本格でも度々用いられるあるテーマには読んでいてここまでやるかと空恐ろしさすら覚える。
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未完成長編の梗概「間違いの悲劇」に、クイーンの短編集ではお馴染みの「クイーン検察局」物や「パズル・クラブ」物の短編六編及びノンシリーズ物の中編「動機」を加えた作品集。特筆すべきはやはり表題作で、梗概であるにも拘わらず、クイーンの凄みを十二分に感じさせてくれる。
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エラリー・クイーン「間違いの悲劇」再読了。往年の大女優が怪死を遂げた。ダイイング・メッセージや消えた遺言状、徐々に明らかになる背景、そして続発する事件にエラリーは翻弄され、幾度も袋小路を踏み惑うことになる――。未完成長編の梗概である表題作に加え、単行本未収録の中短編七編を収録。
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2019年03月29日(金)
その他、暗闇の殺人という特異なシチュエーションを活かした「殺された猫」や、ある二つのものを結び付ける推理が鮮やかな「墜落した天使」も捨て難い。唯一不満があるとするなら「三つのR」で、前編に収録された某作とネタがやや被ってしまっているのが難か(加えて某作の方がオチも決まっている)。
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消えた銃弾の行方からのロジックもいいが、それ以上に財宝に隠された企みが秀逸。一方「ものをいう壜」は偶然に支えられたプロットやシンプルなロジックから導き出される犯人の意外性など国内作家Oの某短編を思わせる秀作と言っていいだろう(あと何気にタイトルも巧い)。
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カレンダーをコンセプトにした作品集の後編。個人的には前編よりも好みの作品が多かったが、その中でも特に良かったものを挙げるとするなら、やはり「針の目」と「ものをいう壜」になるだろう。「針の目」は「孤島パズル」を彷彿とさせる内容で、財宝探しと殺人事件の関係にきちんと意味がある点が○。
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エラリー・クイーン「犯罪カレンダー 7月~12月」読了。探険家の島での財宝探しと殺人事件を描いた「針の目」、仮装パーティーの殺人ゲームで本当に人が殺される「殺された猫」、人探しで立ち寄ったレストランで思わぬトラブルに巻き込まれる「ものをいう壜」など7月から12月までの六編を収録。
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2019年03月28日(木)
その他「皇帝のダイス」は微笑ましいオチばかりに注目されがちだが、何気にある趣向が使われた作品として興味深い。また「くすり指の秘密」におけるエラリーとクイーン警視がそれぞれどうやって犯人にたどり着いたのか、その思考の違いが面白かったw
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ベストは「マイケル・マグーンの凶月」で、次々と事件が起こる巧みな展開とあるエラリーの発言による二重の煙幕が実に秀逸。次点は「ゲティスバーグのラッパ」で、逆説的なロジックと事件の絶妙なずらしからくる犯人の意外性がいい。
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カレンダーをコンセプトにした作品集の前編。尤も収録作の中には「犯罪」を扱っていないものもあるため厳密に言えばタイトルにやや偽りありなのだが、それが気にならなくなるくらいの凝ったプロットとシンプルながらキレのあるロジックで魅せてくれる。
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エラリー・クイーン「犯罪カレンダー 1月~6月」読了。私立探偵の確定申告の書類盗難に端を発する殺人事件を描いた「マイケル・マグーンの凶月」、南北戦争の生き残りの老兵たちが次々と変死していく「ゲティスバーグのラッパ」など1月から6月までの六編を収録。
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2019年03月26日(火)
「ドン・ファンの死」はある手掛かりのせいで犯人が丸わかりなのが難だが、動機部分に見るべきものがある。また遺産相続物の「ライツヴィルの遺産」は、この手のお約束的展開に隠された犯人特定に繋がる意外な気付きが良かった。
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posted at 23:50:01
三編の中短編に箸休め的な二編の掌編を加えた作品集。三編の中短編でベストを選ぶなら「キャロル事件」で、ネタそのものは先に某古典ミステリを読んでいたために気付いてしまったが、あえて窮地に陥った男の視点から事件を描くことで物語がどこに着地するか分からない不安感を作り出している点がいい。
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エラリー・クイーン「クイーンのフルハウス」読了。古典劇「ドン・ファンの死」の上演中にドン・ファン役の俳優が本当に殺される「ドン・ファンの死」、不正の証拠を掴んだ弁護士が殺され、一人の男が絶体絶命の状況に追い込まれる「キャロル事件」などクイーンの魅力いっぱいの五編を収録。
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2019年03月25日(月)
そのミステリパートにしても無駄に作者が野球好きであることが分かるだけで肝心の推理がどれも面白みに欠けるのが難(尤もこれに関しては原作からしてそうなのかもしれないが)。あくまでファン向け――それもどんな内容であれ笑って許せる人向けの作品である。
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posted at 20:59:00
「投手殺人事件」を始めとした坂口安吾のミステリ作品を「跳訳」した作品。安吾ファンであればお馴染みのキャラがラノベアレンジされてどのように生まれ変わったのか原作とのギャップを楽しむこともできるだろうが原作未読の読者だとミステリパートとそれ以外が乖離し過ぎていて正直ツラいものがある。
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樺薫「藤井寺さんと平野くん 熱海のこと」読了。野球フリークの藤井寺さんは名投手・大鹿煙の孫娘。祖父を球史の闇に葬った「投手殺人事件」の真犯人を知るため彼女と僕は熱海へ向かう。妖しげな女連れの老警部・居古井、ホテルの若女将・伊勢崎九太夫に下品な探偵・巨勢羽華世との推理合戦の行方は?
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posted at 20:57:47
特にそれを感動的なシーンでやられると興醒め以外の何物でもなく、ただの感動の押し売りになってしまう。できることならその辺をもう少し気を付けて書いてほしかった。
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posted at 09:06:25
第31回ファンタジア大賞銀賞受賞作。「事件簿」というタイトルと帯にある謎解きという言葉からミステリかと思って読んだらミステリじゃなかった(爆)。それはさておきどこかで見た設定に何の捻りもない下ネタギャグを絡めた内容は大目に見るとしても作者の都合が透けて見える展開には正直辟易した。
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posted at 09:05:38
辻室翔「札幌市白石区みなすけ荘の事件簿 ココロアラウンド」読了。近年増加する超能力犯罪。札幌市白石区にあるみなすけ荘の住人たちは個性豊かな能力で平和に貢献していた。今日も新たな事件に臨むなか、「死ぬと生き返る」藤坂は新入居者・八野心の“隠された悩み”にも直面することに――。
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posted at 09:05:17
「呪いの館」観了。馬車に轢き殺された少女の霊が次々と人を殺していく話。オカルト+ジャーロの雰囲気作りは申し分ないものの、肝心の殺害シーンが物足りないし、ストーリーも特に意外性がないまま終わってしまった印象が強い。あくまでオーソドックスな幽霊譚として楽しんだ方が吉な作品である。
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2019年03月23日(土)
その他「ハチの巣ダンス」もまた狙いが成功しているかどうかはさておき、予想外のところからくるある仕掛けが別の意味でこの作者らしい。登場する女子高生たちが完全に駒的描き方なのでキャラミスとしてはお勧めしにくいものの、前述した「六つの手掛り」が好きな読者であれば楽しめる作品である。
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posted at 19:44:54
ベストを挙げるなら「偶然の十字路」で、緻密な犯人当てかと思いきや、「嫉妬事件」を書いた作者らしいトンデモない気付きに唖然とさせられる(そういう意味では「GIVE ME FIVE」も一見緻密な犯人当ての体裁をとっているが、ある検証が仄かに変態チックだったりする)。
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posted at 19:44:42
「セブン」にも収録された「ラッキーセブン」を含む、AKB48を元ネタにした女子高生たちが登場する連作ミステリ。タイトルに「ジグソーパズル」と謳っている通り、収録作は比較的パズラー要素が高めのものが半数以上を占めており「六つの手掛り」を彷彿とさせる、ねちっこいロジックが堪能できる。
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posted at 19:44:33
乾くるみ「ジグソーパズル48」読了。生死を賭けた頭脳カードゲーム、カラオケ中に高級イチゴを食べた犯人探し、非売品のスマホケースが引き起こす騒動、部活棟の十字路で起きた暴行事件、落としたスマホの奪取計画……私立曙女子高等学院の生徒たちが日常で起きる事件を解決する七編収録。
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posted at 19:44:05
むしろ読むどころとしては謎に纏わる文豪や出版界の逸話や蘊蓄であり、それらを彩る登場人物たちのドラマと併せて、本好きであれば楽しい一時が味わえる作品である。
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posted at 10:38:02
体育会系な文芸編集者の娘が持ち込む謎の数々を、定年間際の国語教師の父が解き明かすシリーズの二作目。但し前作よりもミステリ要素はだいぶ薄くなり、謎というより他愛のないなぞなぞに近いものがほとんどなのでミステリと思って読むと肩透かしを覚えるかもしれない。
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posted at 10:37:52
北村薫「中野のお父さんは謎を解くか」読了。松本清張を打ちのめした評論家の怒りのわけ、ブルーレイから消えた特典映像、「100万回生きたねこ」を絶望の書と言う理由、泉鏡花が秋声を殴った話の出所……出版界を舞台に父と娘の名探偵コンビが日常と文豪の謎に挑む八編収録。
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2019年03月21日(木)
それを最後まで隠し通した作者には脱帽の一言であり、文字通り「いきぢごく」を経験した後に主人公を待ち受ける結末もとい涅槃の光景がいつまでも心を捉えて放さない傑作である。
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posted at 12:01:09
一見するとそこには何も仕掛けられていないように思えるが、今回もまた作者はサスペンスフルな物語の中にあるミステリ的趣向を実にさりげなく盛り込んでおり、終盤における怒濤の伏線回収と共に突き付けられるある企みは物語の根底を覆す破壊力を秘めていると言っても決して過言ではないだろう。
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posted at 12:00:52
人間の業を描いた「愚者の毒」を彷彿とさせる女の情念と怨念をテーマにした長編ミステリ。「愚者の毒」では三つの時間軸において仕組まれた三つの犯罪とそれに関わってしまった二人の男女の破滅を描いていたが、本作では主人公を女一人に限定し彼女が犯罪に手を染めるまでの過程をじっくり描いていく。
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posted at 11:58:05
宇佐美まこと「いきぢこく」読了。友人と旅行代理店を経営している四十二歳の鞠子は亡き父から相続することになった元遍路宿の古民家を訪れた際、古い遍路日記を見つける。四国遍路で果てる覚悟の女遍路が戦前に書いたと思われる旅の記録。女の生と性に揺れる鞠子はこの遍路日記にのめり込んでいく――。
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posted at 11:57:52