Twitter APIの仕様変更のため、「いいね」の新規取得を終了いたしました

麻里邑圭人

@mysteryEQ

  • いいね数 9,797/10,375
  • フォロー 1,028 フォロワー 1,647 ツイート 91,937
  • 現在地 涅槃
  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
並び順 : 新→古 | 古→新

2020年12月19日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

靖子靖史「ハイライトブルーと少女 」読了。タバコ屋の店番の少女とのやり取りを楽しみにしていた会社員ウミノはある日タバコ屋の老店主・志乃が亡くなったのを知る。だが暫くして再開した店には死んだ志乃が乗り移ったとしか思えない少女の姿が。驚く彼に少女は言う。あるものを盗んでくれないかと。

タグ:

posted at 10:43:22

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

「そよかぜキャットナップ」で講談社BOX新人賞を受賞した作者の二作目は奇妙な盗難を巡る青春ミステリ。前作では猫探しというささやかではあるが明確な謎を扱っていたのに対し、本作の謎は漠然としており、何を盗んでほしいのか、なぜそれを盗んでほしいのかが終盤まで完全に伏せられている。

タグ:

posted at 10:43:40

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

しかしながらそれが明かされると同時に何気なく語られた出来事が絶妙な伏線となって少女を取り巻く状況が痛いくらいに理解できるようになる点もさることながら、そこから主人公の思わぬ秘密(?)と結び付いて感動的なフィナーレに雪崩れ込むように計算された構成が実に秀逸。

タグ:

posted at 10:44:04

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

前作とは見せ方が異なるものの、読了後に残る爽やかな余韻は紛れもなく「そよかぜキャットナップ」の作者のものであり、前作の読者は勿論のこと、少し不思議な要素のある青春ミステリが好きな人にはぜひお勧めしたい良作である。

タグ:

posted at 10:44:21

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

なお奥付の隣のページに載っている謝辞が完全にネタバレのため、読む際はうっかり目に入ってしまわないよう、ご注意を。

タグ:

posted at 10:44:33

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

竹町「スパイ教室04 《夢語》のティア」読了。宿敵である謎のスパイチーム『蛇』の尻尾を掴んだクラウスは敵の潜伏場所へ『灯』全員で向かう。だがそんな一同を待ち受けていたのは恐怖によって支配された戦場だった。『蛇』の一人・紫蟻の命を受けた《働き蟻》たちの猛攻に『灯』はどう挑む?

タグ:

posted at 15:44:41

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

少女たちのスパイチーム『灯』の活躍を描くシリーズの四作目。今回はメインの物語の合間合間に『灯』と敵対する組織『蛇』の一人・紫蟻視点の間章が挿入される構成となっており、そこでは紫蟻に拘束され命の危機に瀕している『彼女』が何者なのかという名前当ての趣向が示されている。

タグ:

posted at 15:45:01

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

そういう意味では本作はこれまでのシリーズ中最も分かりやすくミステリしていると言っていいだろう。そして『灯』のメンバーがそれぞれ絶体絶命のピンチに陥ったそのタイミングで『彼女』の名前が明かされた途端、物語の真の構造と突破口が同時に判明する構成は秀逸の一言に尽きる。

タグ:

posted at 15:45:23

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

それだけでなくこれまでのシリーズで語られた事実を伏線として巧みに活かすことで物語のクライマックスを熱く演出してくれる点も心憎い。あとがきによると次巻から物語はセカンドシーズンに突入するとのことであり、シリーズの一つの節目としては実に申し分ない佳作である。

タグ:

posted at 15:45:56

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

倉知淳「月下美人を待つ庭で 猫丸先輩の妄言」読了。電光看板の底に貼り付けられた不規則なアルファベットの文字列、ペットボトルの蓋のプレゼントと飼い犬のプチ誘拐、亡き母が残した庭にかわるがわる訪れる悪気なさそうな侵入者たち――日常に潜む不可解な謎に対する名探偵猫丸先輩の推理は如何に。

タグ:

posted at 21:50:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

十五年ぶりとなる作者の看板探偵・猫丸先輩シリーズの短編集。しかしながら、あまりにも久し振りすぎて作者も勝手を忘れたのか収録作の出来にかなりバラつきがあり、中には悪い意味で妄言としか思えないもの(「ねこちゃんパズル」と「海の勇者」)もあるのが難。

タグ:

posted at 21:51:06

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月19日

逆に良かったものを挙げるなら「ついているきみへ」と表題作で、前者は真相を成立させるための設定の妙が、後者は作者らしい逆説的真相と最後に浮き彫りになる語り手の心情が○。とはいえどちらかと言えばミステリとしての切れ味より久々に猫丸先輩と会える同窓会的楽しさを求めるのが吉な作品である。

タグ:

posted at 21:51:37

2020年12月20日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月20日

小林一星「シュレディンガーの猫探し2」読了。東高の文化祭・七夕祭の直前、空から光と共に届いたのは暗号文で書かれた「東高五十面相」からの予告状。それは死んだ飛鳥姉さんが過去に起こした事件の模倣だった。七夕祭を舞台に続発する謎の盗難事件を巡り、新たな探偵と魔女の知恵比べが始まる。

タグ:

posted at 13:20:22

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月20日

謎の神秘性を守るために探偵よりも先に真相に辿り着き、それを基にした工作によって探偵の推理を潰す「迷宮落としの魔女」の活躍を描く「シュレディンガーの猫探し」シリーズの二作目。しかしながら物語としては前作と完全に繋がっているため、必ず前作から先に読むことをお勧めしたい。

タグ:

posted at 13:20:57

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月20日

前作では「迷宮落としの魔女」の設定にメフィスト賞作品を思わせる本格ミステリの多様性を窺わせつつ探偵と魔女の知恵比べを中心に描いていたのに対し本作では一転して粗筋からも分かる通り「クドリャフカの順番」のような青春ミステリメインで描いているので人によっては戸惑いを覚えるかもしれない。

タグ:

posted at 13:21:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月20日

正直に言えば「迷宮落としの魔女」の設定と青春ミステリという組み合わせはかなり相性が悪く、加えて詰め込みすぎて余裕のない展開はややもすると読者に悪印象を与えかねないだろう。しかしながら、そこまでして作者がやりたかったものは分からなくはないし

タグ:

posted at 13:21:46

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月20日

(但しそこまでやっておいて過去の事件の犯人の動機に踏み込まなかったのは釈然としないものがあるが)その相性の悪さを作者自身も理解しているのか、物語終盤には倉阪鬼一郎を思わせる仕掛けを盛り込むなど、この探偵役ならではのケレン味ある見せ場を用意したりしてフォローしている。

タグ:

posted at 13:22:19

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月20日

作者がシリーズを今後どう展開させていくのかは不明だが、本作に限って言えば前作の延長線上ではなく、あくまで主人公が抱えた問題に決着をつけるためにあえて青春ミステリという枠組みを用いたと捉えるべきかもしれない。

タグ:

posted at 13:22:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月20日

辻室翔「ナゾトキ女とモノカキ男。 未来を写すカメラと人体消失」読了。趣味であらゆる道を極めるところから史上最強のアマチュアという異名を持つ変人少女・未十士早來。そして今は謎解きが趣味の彼女は「未来を写すカメラ」と作家を夢見る僕をお供に巷を騒がす都市伝説「人体消失事件」の謎に挑む。

タグ:

posted at 16:05:00

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月20日

帯によると本作は「多趣味すぎる天才少女と作家を目指す凡才少年の奇妙な学園青春ミステリー」とのことだが、結論からいうと本作はミステリーではない。というのも本作で出てくる謎のほとんどは全て“超理具”と呼ばれる不思議な道具の仕業で終わってしまうからだ。

タグ:

posted at 16:05:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月20日

しかもタチが悪いのは何の前触れもなしに次々とドラえもんの秘密道具並みのお手軽さで“超理具が出てくる点であり、ミステリを期待して読んだ読者は正直興醒めもいいところである。更にヒロインも何でもありの超人設定とあっては端からミステリをやる気がないと言われても仕方がないだろう。

タグ:

posted at 16:05:43

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月20日

ただ終盤、ちょっと意外な事実が明かされるものの、折角のサプライズも何のルールもなしにやったのでは意味がない。あとがきによると担当編集には「この作品はミステリです」と言われたとのことだが編集は勿論、作者もミステリというものを根本的に勘違いしていると言わざるを得ない作品である。

タグ:

posted at 16:05:55

2020年12月24日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月24日

架神恭介「飛行迷宮学園ダンゲロス―『蠍座の名探偵』―」読了。魔人と呼ばれる異能力者たちが集う私立希望崎学園の番長グループが仲間を殺した犯人の引渡しを求めて天道高校に乗り込んできた挙げ句、虐殺を開始する。予想外のクローズド・サークルと化した学園で惨劇と混乱の果てに待ち受ける真実とは?

タグ:

posted at 22:56:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月24日

魔人と呼ばれる異能力者たちが学園で繰り広げるバトル&スプラッターが特徴のダンゲロスシリーズ二作目。まず冒頭の「はじめに」で作者は本作が『殺人事件』『被害者』『犯人』『クローズド・サークル』『名探偵』に彩られたミステリであることを宣言しておりそれに胸踊らせる読者も少なくないだろう。

タグ:

posted at 22:56:36

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月24日

しかしそこはダンゲロスシリーズ、真っ当なミステリであるはずもなく、物語の大半が上空500メートルに浮かぶ学園というクローズド・サークル(!)で展開される異能力者たちによる虐殺とバトルに費やされることとなる。……では冒頭の宣言は嘘なのかと言えば、さにあらず。

タグ:

posted at 22:56:50

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月24日

最後まで読んでみると本作がミステリであることは紛れもない事実であり、しかも犯人を当てるためにはまず物語の構造を理解する必要があるという実にひねくれたフーダニット物になっている。加えて終盤にはちょっとしたコンゲーム要素もあり、更に名探偵パロディ小説でもあったりするのが面白い。

タグ:

posted at 22:57:12

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月24日

かなりやりたい放題なので人を選ぶ作品ではあるものの、逆を言えば変なミステリを読みたい人には打ってつけの怪作である。

タグ:

posted at 22:57:25

2020年12月25日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月25日

天原聖海「翼姫 -closed summer closed sky-」読了。民俗学研究会の調査旅行で天津人(天女)伝説が残る静岡県中部の田舎町・比良賀町を訪れた堤裕司はそこで片翼の天女・妃沙子に出会う。彼女は不思議な力で再起不能だった裕司の脚を元通りに治し彼を喜ばせるが一行が町を去る朝、事件は起こった。

タグ:

posted at 19:26:24

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月25日

天津人(天女)伝説が残る村が舞台の伝奇ホラー。作者はこれまで二作品のミステリを書いているが一作目の「ファイナリスト/M」では清涼院流水の影響を、二作目の「ジャッジメント/Q」では京極夏彦の影響を感じると思っていたら三作目である本作では民俗学をベースにした伝奇ホラーなのが興味深い。

タグ:

posted at 19:27:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月25日

伝奇ホラーとしては割りとベタな内容ながら、ここぞというツボはしっかりと押さえられており、ライトノベル的ボーイミーツガールを思わせる片翼の天女・妃沙子との出会いから一転、おぞましい村の秘密が明らかになり大破局へと雪崩れ込んでいくまでの過程を一気に読ませてくれる。

タグ:

posted at 19:27:21

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月25日

突出したものこそないが、無難に纏められてはいるので過度な期待さえしなければ楽しめる作品である。

タグ:

posted at 19:27:32

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月25日

靖子靖史「空色カンバス 瑞空寺凸凹縁起」読了。三十間近な日比野隆道和尚と高校三年生の妹・ゆかりと暮らす寺に美女・千尋が逃げ込んできた。着の身着のまま「夫から逃げてきた」という彼女を日比野兄妹は一時的に匿うことになるが……。果たして謎の美女との共同生活の行方は?

タグ:

posted at 20:55:12

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月25日

突然寺に押しかけてきた謎の美女の正体に迫る青春ミステリ。「そよかぜキャットナップ」で講談社BOX新人賞を受賞した作者が気付いたらお坊さんになっていたのにはビックリしたが、本作にはちゃんと(?)その経験が活かされており、更に終盤では野球小説にもなるという至れり尽くせりぶりが面白い。

タグ:

posted at 20:55:33

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月25日

尤もミステリ展開となるのはかなり後半になってからでそれまでは進路に悩みつつも兄妹の生活に突然割り込んできた千尋に苛立ちを隠せないゆかりの様子が丹念に描かれることになる。そうして不意に千尋がいなくなるに至り、思わぬボーイミーツガールと共にミステリとしての顔がようやく立ち現れるのだ。

タグ:

posted at 20:55:50

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月25日

本作がミステリとして浮かび上がらせるのは千尋の正体だけではなく、彼女が寺にやって来るに至った心の軌跡であり、それがゆかりの葛藤や度々作中で語られた説法と結び付くことで最終的にメインの三人が救われる構成となっている点が実に秀逸。

タグ:

posted at 20:56:16

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月25日

惜しむらくはお手伝いのおばさんキャラの存在意義があまり感じられない点だが、それを差し引いても本作がこれまで作者が発表した三作中最も青春小説とミステリの融合に磨きがかかった作品であるのは間違いない。

タグ:

posted at 20:56:31

@mysteryEQホーム
スポンサーリンク
▲ページの先頭に戻る
ツイート  タグ  ユーザー

User

» More...

Tag

Recent

Archive

» More...

タグの編集

※タグはスペースで区切ってください

送信中

送信に失敗しました

タグを編集しました