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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2020年12月01日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月1日

「カットスロート・ナイン」観了。凶悪犯を護送する馬車が山賊に襲われたことから始まるマカロニウエスタン。金塊のありかや犯人探しなどのミステリ要素もなくはないが伏線は一切なく最終的に誰が生き残るのかというサスペンスと容赦ない残虐描写が見所か。一方で木枯し紋次郎的虚無感があるのも○。

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posted at 00:42:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月1日

静月遠火「真夏の日の夢」再読了。演劇の活動費を捻出するため変人として知られる心理学部の教授の実験に参加することになった演劇サークルのメンバーたち。一ヶ月間、建物から一歩も出ないで過ごすというその実験は順調に進んでいたが実験開始から六日目にメンバーの一人が忽然と姿を消してしまう。

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posted at 20:57:46

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月1日

第15回電撃小説大賞金賞受賞作家によるホワットダニット物の長編ミステリ。といっても130頁までは退屈な日常描写が続くので人によってはこれは本当にミステリなのかと不安に思うかもしれないがご安心を。130頁すぎてメンバーの一人が消えて以降は次々と現れる謎で読者を翻弄してくれるだろう。

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posted at 20:58:07

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月1日

そして終盤、退屈な日常描写の中に巧みに隠されていた怒涛の伏線回収も圧巻だが、そこへ更にどんでん返し(とちょっとした仕掛け)を盛り込み、意外な犯人だけでなくどす黒い真相まで用意した作者の技巧には脱帽と言わざるを得ない。

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posted at 20:59:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月1日

だが個人的に最も衝撃的だったのはあとがきで、ここまでのことをやっておきながら作者は本作のことを〈ミステリ「風味」〉と語ってしまうのだから何とも恐ろしい。本作は作者が好きな作家として挙げている麻耶雄嵩や西澤保彦の遺伝子をはっきりと感じることができる秀作である。

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posted at 20:59:31

2020年12月02日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月2日

「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」観了。殺人鬼たちが作ったお化け屋敷でヒロインが仲間たちと共に襲われる話。ヒロインの背景の描かれ方に物足りなさはあるもののヒロインが覚醒してから殺人鬼たちをバッタバッタと撃退していく様はラストも含め実に痛快。ただ殺し方はもっと凝ってほしかった。

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posted at 01:37:48

2020年12月04日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月4日

関崎俊三「安堂鍵乃子の暗号事件簿」1巻読了。タイトル通り暗号特化の内容ながらノリは同じ作者の「ああ探偵事務所」に近い(というか鍵乃子が妻木の女版)。しかも関崎作品ではお馴染み村松姉妹の登場には笑ったw ミステリ的には殺人事件の謎も絡んできた「暗号先生は二度死ぬ」の続きに期待したい。

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posted at 10:32:17

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月4日

杉山幌「嘘月」読了。生徒の「能力」の研究・開発を目的とする高校・織乃学園。中でも数人しか居ないSランク特待生である美少女・瀬谷伊音は無能力者で探偵脳のおれ・佐々木理久を妙に敵視している。そんな中「異常者の集まる織乃学園に罰を」という血文字の落書きが出現し、彼女に嫌疑がかかる。

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posted at 17:22:59

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月4日

何らかの能力を持った生徒ばかりが集められた学園を舞台にした全六話構成の連作ミステリ。前半三話までは能力当てを織り混ぜた日常の謎物の雰囲気があるものの四話で語られる魔女狩り事件に纏わる一つの死を契機に、主人公が苦悩しながらも学園に潜む悪意の正体を突き止める話へとシフトしていく。

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posted at 17:23:27

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月4日

本作が秀逸なのは探偵脳だからこそ「嘘」をつかざるを得ない主人公と「嘘」が分かる能力だからこそ「嘘」が大嫌いな瀬谷の関係を物語の主軸にしている点でありそこに主人公と因縁のある人物との対決を効果的に使うことで最後に明かされるある事実と共に青春小説としての苦みを際立たせている点だろう。

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posted at 17:23:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月4日

ただ一方でそれを狙い過ぎるあまり一部の登場人物の能力に些かご都合主義な感が否めない点、またなくても成立するエピソードがあるなど気になるところもなくはないが、それらを差し引いても主人公が探偵である必然性と異能ミステリの特徴を活かした青春小説としての面白さは充分読む価値はあると思う。

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posted at 17:23:59

2020年12月06日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月6日

天原聖海「ファイナリスト/M」読了。日本中が注目する探偵グランプリに出場することになった僕こと二ノ宮鷹史は天才プログラマーの姉が持たせれくれた人工知能・メルクリウスと共に勝ち進み、決勝の地である孤島・樒島へとやってきた。だが、そこで待っていたのは最強の探偵たちと連続殺人劇だった。

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posted at 13:23:05

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月6日

第3回講談社BOX新人賞流水大賞優秀賞受賞作。本作は流水大賞というだけあって設定や物語の展開に清涼院流水の影響がかなり見受けられる。いかにもな二つ名を持つ最強の探偵達が顔を揃える孤島で起こる連続殺人という展開は挿入された見取り図と相俟ってミステリ読みをその気にさせるかもしれない。

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posted at 13:23:57

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月6日

しかしながら本作の見所はそこにはなく作者はひたすら事件の外側をやり過ぎなまでに作り込んでおり、その結果肥大化したその内容はだいぶ賛否が分かれることだろう。本格ミステリだと思って読むと確実に「これじゃない」となる作品ながら多様化した本格ミステリの一つの形としては興味深い作品である。

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posted at 13:24:25

2020年12月09日(水)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月9日

天原聖海「ジャッジメント/Q」読了。探偵見習いの僕・二ノ宮鷹史は探偵事務所の昇格試験に臨む過程で幼なじみの霧野優と再会したのも束の間、世間を騒がせる「晒し首連続殺人事件」に巻き込まれてしまう。パワーアップした人工知能・メルクリウスと腐れ縁の友人・四分儀と共に難事件の謎に挑む。

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posted at 09:46:16

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月9日

第3回講談社BOX新人賞・流水大賞優秀賞を受賞した「ファイナリスト/M」の続編。探偵グランプリに纏わる事件の外側をやり過ぎなまでに描いた前作を清涼院流水とするなら複数の事象を絡ませることで憑き物にも似たある共通した情念を浮き彫りにする本作は差し詰め京極夏彦といったところだろう。

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posted at 09:46:44

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月9日

物語の後半に不可能犯罪が出てくるものの、ミステリとしてみるとそこまで難易度は高くはなく、どちらかといえば真相に対する説得力と前述した情念を描くことに力が入れられているように感じられる。また終盤、事件の黒幕的人物と主人公が交わすやり取りはあるミステリ的問題を想起させるだろう。

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posted at 09:47:03

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月9日

前作のような歪さはなくなったのでそこに作者の個性を見出していた読者はやや物足りないかもしれないが、その代わりに本格ミステリとしての説得力が増しただけでなく、終始読者を飽きさせないように展開にも工夫の跡が見られる点は好印象な作品である。

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posted at 09:47:32

2020年12月10日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月10日

西澤保彦「偶然にして最悪の邂逅」読了。廃屋になった旧校舎からの覗きが思わぬ殺人事件とリンクする表題作、四十年以上前に起きた殺人事件を元に友人の推理作家が書いた原稿の犯人当てに挑む「間女の隠れ処」、女生徒に誑かされて何人も殺したと主張する教師の悪夢「ひとり相撲」など全五編収録。

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posted at 20:41:42

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月10日

日常の中に潜む非日常をテーマにしたノンシリーズ物のミステリ短編集。収録作はいずれも作者らしい複雑な人間関係をベースにどぎついエロスとジェンダーを駆使して意外な真相に繋げるタイプの話ながら近年のそれらをやり過ぎて破綻した作品と異なり破綻するギリギリの所で踏み止まっているのは好印象。

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posted at 20:42:01

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月10日

中でも秀逸なのは表題作と「間女の隠れ処」で、前者は作者が得意とする論理のアクロバットが導き出すタイトル通りの皮肉な真相もさることながら、その後に待ち受ける設定を活かしたどす黒いオチが強烈。

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posted at 20:42:20

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20年12月10日

後者は西澤流本格ミステリの書き方が窺える点も興味深いが、何より一見読者に手の内を明かしているようでその予想の更に上をいく、ある意味ようやく作者のジェンダーを絡めた技巧に時代が追い付いたような真相が素晴らしい。ちなみにタイトルはカーの「魔女の隠れ家」とは全く関係ないので悪しからず。

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posted at 20:42:35

2020年12月11日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月11日

田中啓文「信長島の惨劇」読了。本能寺の変で織田信長が明智光秀に討たれてから十日後、羽柴秀吉、柴田勝家、高山右近、徳川家康の四人の武将が三河湾に浮かぶ孤島の館へと招かれる。そこで彼らを待っていたのは謎めいた童歌になぞらえるように一人また一人と殺害されていく連続殺人劇だった。

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posted at 16:28:21

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20年12月11日

本能寺の変と「そして誰もいなくなった」の融合というまさかの試みを成立させてしまった時代ミステリの怪作。といっても序盤は本能寺の変から明智光秀が討たれるまでをシリアスに描いているのでそんな印象は一切受けないかもしれないがそこから一転、謎の童歌と孤島へ行く急すぎる展開には唖然の一言。

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posted at 16:28:47

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月11日

そして孤島に着いてからは四人の武将に加え、様々な歴史上の有名人が登場するのである意味戦国時代オールスターズの趣があり、更にそこで起こる連続殺人劇は不可能犯罪の様相を示しているのだから堪らない。もっとも個々のトリックに関しては、それほど意外性はないかもしれない。

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posted at 16:29:21

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月11日

だが本作の一番の見所はドラマや映画にもなった某作を彷彿とさせるある趣向であり、見方によっては本作が時代ミステリレーベルから出たことが最大のトリックと言えるだろう。しかも一見無茶な趣向にも拘わらず、その後の史実と何故か(?)符合してしまうのが面白い。

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posted at 16:29:29

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月11日

人によっては怒るかもしれないが、自分のような変な物が好き、かつ寛大な心の持ち主にこそ読んでもらいたい作品である。

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posted at 16:29:58

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月11日

原浩「火喰鳥を、喰う」読了。信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。一つは久喜家代々の墓石が何者かによって破壊されたこと。もう一つは太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・貞市の日記が届いたことだった。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。

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posted at 16:30:29

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20年12月11日

第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞≪大賞≫受賞作。本作はジャンルとしてはホラーに属する作品ながら主人公の身の回りで起きた二つの謎――何者かによる墓石の破壊と日記に突如出現した「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」という奇妙な一文を巧く絡めミステリとホラーの両輪で物語を引っ張ってみせる。

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posted at 16:30:57

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月11日

しかしながら、やがて明かされる真相は見方によってはSF的でもあり、徐々に錯綜していく展開は幻想小説のような趣がある。個人的にはこの真相でいくのであればもう少しある人物の背景を描いてほしかったところだが、それを差し引いても本作は読ませる作品であり、充分秀作と言っていいだろう。

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posted at 16:31:14

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月11日

靖子靖史「そよかぜキャットナップ」読了。長谷川弘忠の友人・小野啓太の家で飼っている愛猫マコトが行方不明になった。弘忠、啓太に玉井香織を加えた三人は「里山田園愛好会そよかぜ」を結成し事件を追うが、ただの猫探しは次第に開かずの社堂やジェイソン(?)に纏わる噂など謎を増やしていく。

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posted at 21:29:02

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月11日

第10回講談社BOX新人賞Talents受賞作。「ゆるミス」と銘打たれた本作はいわゆる日常の謎を扱った作品であり、とぼけたキャラたちが繰り広げるただの猫探しのはずが、開かずの社堂やジェイソン(?)に纏わる噂など不可解な謎を幾つも絡ませることで事件に深みを持たせているのがいい。

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posted at 21:29:31

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月11日

尤も事件の真相だけ取り出せば他愛のないものながら本作が秀逸なのはあくまで猫探しという小さい事件の特徴を徹頭徹尾活かした点であり、そこを起点に様々な謎を用意しただけでなく、それらを伏線として回収することである人間ドラマを浮き彫りにしてみせたところに作者のミステリセンスが感じられる。

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posted at 21:29:46

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年12月11日

時折挿入される謎めいたモノローグの意味も物語のいいアクセントになっており、「ゆるミス」という売り文句とは裏腹にしっかりと作り込まれた青春ミステリの快作である。

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posted at 21:30:11

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