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麻里邑圭人

@mysteryEQ

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  • 現在地 涅槃
  • 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
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2020年07月17日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月17日

だがそれ以上に秀逸なのがタイトルが意味するある逆転の真相で、これには思わず唸らされてしまった。前作に比べるとやや小粒感が否めないものの、それでも充分佳作と言っていい出来の作品である。

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posted at 22:08:17

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月17日

そんな本作の一番の見所は五年前に起きた三つの殺人・傷害致死事件と事件の関係者である女流作家の書いた推理小説との関係性であり、そこから見出だされる無意識の人間心理に基づく犯人特定のロジックをきっかけに一風変わった事件の構図を暴き出していく過程がまず秀逸。

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posted at 22:08:01

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月17日

「潮首岬に郭公の鳴く」に続く函館を舞台にしたシリーズの二作目。前作が横溝正史「獄門島」の本歌取りミステリだったのに対し、本作は差し詰め鮎川哲也や夏樹静子の作品(特に後者)を思わせるリアリズム本格リスペクト作品であり、それは作中に出てくる女流作家のエッセイによく表れている。

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posted at 22:07:37

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月17日

平石貴樹「立待岬の鴎が見ていた」読了。五年前に函館で起きた連続殺人・傷害致死事件。美貌の推理作家として注目され始めた柚木しおりは、その一連の事件の関係者だった。彼女の作品を読んだことをきっかけに舟見警部補は以前事件を解決に導いた青年・ジャン・ピエールに再び捜査協力を依頼する。

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posted at 22:07:21

2020年07月14日(火)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月14日

個人的にはメインの事件よりも途中で語られる墓泥棒のエピソードの方にミステリとしての意外性を感じてしまったが、それを差し引いても本作が完成度の高い作品であるのは間違いない。

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posted at 23:44:12

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月14日

中でも目を惹くのが模擬法廷の後に殺人事件が起こり実際の法廷が始まるという破格の構成であり、それが被害者の人物像と法律上の問題を描く上で十二分に活かされているのがいい。尤もミステリとしてみた場合、途中で着地点が見えてしまうのが難だが青春ミステリとしての苦みがそれをフォローしている。

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posted at 23:43:56

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月14日

第62回メフィスト賞受賞作。しかしながら一方で本作は尖った作品の多いメフィスト賞には珍しい(?)実に端正な法廷ミステリであり、プロットやキャラ、文体がいずれも良い意味で新人離れしている。

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posted at 23:43:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月14日

五十嵐律人「法廷遊戯」読了。久我清義、織本美鈴、結城馨の三人が通う法都大ロースクールでは時折、無辜ゲームと呼ばれる模擬法廷が開かれていた。そんな中、続発する不可解な事件の数々。やがて三人のうち、一人は弁護士になり、一人は被告人になり、一人は命を失った──謎だけを残して。

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posted at 23:43:14

2020年07月12日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月12日

更にトドメとばかりに最後に用意された趣向はミステリのあるテーマにも通じる物がある。正直序盤の展開からミステリだと思って読んだ人はまさかのオチにぽかんとするかもしれないが、個人的にはこのごった煮の状況を纏めあげてしまった豪腕ぶりこそ評価したい作品である。

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posted at 14:02:37

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月12日

しかしながら本作はそこに異世界転生とループ物の要素まで取り込み物語はますます混沌と化していく。尤もこの何でもありのごった煮感はライトノベルでは比較的よく見られるものだが本作が凄いのはただ流行りの要素をぶちこんだだけでなくそれらの要素なくしては成立しない物語に仕上げている点だろう。

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posted at 14:02:18

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月12日

魔王を討つ勇者の仲間《栄光の戦士》選抜最終試験候補者の中に偽者が紛れている。そんな疑惑の中、候補者の一人が何者かに襲われて――という本作の序盤の展開だけ聞くと、ファンタジー設定で人狼ゲームを試みた「六花の勇者」みたいな話かと思うかもしれない。

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posted at 14:01:43

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月12日

近江泉美「死に戻り勇者は魔王を倒せない~セーブポイントのご利用は計画的に~」読了。魔王を討つ勇者の仲間《栄光の戦士》選抜最終試験のダンジョンで目覚めたウィルはそこで共に試験を受ける四人の最終候補と出会う。だがそれは本来存在しない五人目を巡るデスゲームとループ地獄の幕開けだった。

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posted at 14:01:15

2020年07月11日(土)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月11日

特に「彼方の甲虫」と「サブサハラの蠅」における事件の構図と決着の付け方が絶妙な対比となって救いのある読後感に繋がっている点が素晴らしく、前作以上に高い満足度が得られる作品集と言っていいだろう。

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posted at 17:58:13

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月11日

そしてその分物語としての深みがグッと増しているのもさることながら、連作としてみても前作よりきっちり纏まっているのがいい。またミステリ的にも探偵役がホワットダニットを解き明かすことで人間ドラマを際立たせる構成に更に磨きがかかっているのが好印象。

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posted at 17:57:50

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月11日

「サーチライトと誘蛾灯」に引き続き、昆虫好きのとぼけた青年・魞沢が探偵役を務める連作ミステリシリーズの二作目。収録された五編のうち前半の二編は前作の延長線上という印象であるのに対し、書き下ろしの後半三編は一転して探偵役である魞沢のキャラを掘り下げる内容となっている。

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posted at 17:57:20

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月11日

櫻田智也「蟬かえる」読了。十六年前、災害ボランティアの青年が目撃したのは、行方不明の少女の幽霊だったのか? 昆虫好きの青年・魞沢が意外な真相を語る表題作の他、交差点での交通事故と団地で起きた負傷事件の繋がりを解き明かす「コマチグモ」など五編を収録。

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posted at 17:56:46

2020年07月10日(金)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月10日

とはいえ見立ての理由は目新しさこそないもののよく練られているし、細やかな伏線とある証拠品に纏わるシンプルなロジックも悪くない。何より探偵役の事件に対する独特なスタンスが印象的な作品である。

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posted at 23:02:39

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月10日

ミステリ読みであれば本格ミステリにおける内的独白の難易度の高さが容易に察しがつくと思うが、それを作者がどうクリアするのかも本作の見所の一つである。とはいえ、それが仕掛けとして活かされているわけではなく、あくまで作者が自分に課したハードルにしか過ぎないのがやや難か。

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posted at 23:02:12

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月10日

サロメとオフィリアに見立てられた殺人事件が目を惹く長編ミステリ。なぜ犯人は事件をサロメとオフィリアに見立てたのかという謎も魅力的だが、もう一つ本作の特徴として挙げられるのは全編登場人物たちが見聞きしたり心に思ったりしたことをそのまま記す「内的独白」が用いられている点だろう。

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posted at 23:01:53

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月10日

平石貴樹「サロメの夢は血の夢」読了。その日の朝、運転手が迎えに行くと社長は首だけになっていた。 凄惨な現場の壁にはビアズレーのサロメの絵。それから間もなく社長の娘が悲運のオフィリアとなって軽井沢の川に……。世紀末の日本を震撼させる連続殺人事件に美貌の車椅子弁護士・山崎千鶴が挑む。

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posted at 23:01:30

2020年07月09日(木)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月9日

加えて個々の短編としてみても不可能犯罪に隠された犯人の工作をロジックで突き止める技巧が冴え渡っており、とりわけ「文芸部長と『音楽室の殺人』」と「文芸部長と『狙われた送球部員』」が秀逸だった(その一方で解決編の後にダメ出しが必ず入る点がいかにもアマチュア創作っぽくて◯)。

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posted at 13:16:26

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月9日

本作がユニークなのは全編水崎アンナの手による創作ミステリを読むという設定の作中作物である点であり、それが最終的に連作らしい仕掛けとして活きてくるのもさることながら何よりどうしてそんな仕掛けを用意したのかという動機にこれまでの東川作品には見られなかった甘酸っぱさがあるのが興味深い。

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posted at 13:16:11

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月9日

「探偵部への挑戦状」以来、久々の鯉ケ窪学園シリーズ連作。鯉ケ窪学園シリーズというと個人的には烏賊川市シリーズと並ぶ、作者の作品の中でも高いクオリティーを維持した鉄板シリーズという印象があるが、それは本作もまた例外ではない。

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posted at 13:15:37

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月9日

東川篤哉「君に読ませたいミステリがあるんだ」読了。鯉ケ窪学園に入学したばかりの僕は第二文芸部の部室に迷いこんでしまったのをきっかけに部長・水崎アンナが書いたミステリ短編集を強引に読まされる羽目になる。全五編のミステリに仕掛けられた謎を、果たして僕は見抜けるだろうか?

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posted at 13:12:56

2020年07月06日(月)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月6日

また動機にしても儀式に隠された真相と絡めることで巧く悲劇として演出しているし、所々伏線の妙が感じられるのも◯。全体的にみれば消化不良な要素もなくはないが、これまでのシリーズの中では最も作者の意気込みのほどが伝わってくる力作である。

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posted at 23:33:54

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20年7月6日

尤も「古書屋敷殺人事件」の時は詰め込まれたガジェットを巧く使いこなせているとは言い難かったが本作では一転、横溝ガジェットをきちんとトリックと結び付けているのは好印象。但しトリックそのものは国内作家Mの某作を彷彿とさせるが伝奇的設定を加えることでギリギリ別物としてアレンジしている。

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posted at 23:33:33

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月6日

人気ボーカロイド曲・女学生探偵シリーズのボカロP自身の手によるノベライズ第四弾。本作はノベライズ第二弾の「古書屋敷殺人事件」以来の長編二作目であり、これでもかと詰め込まれた横溝ガジェットが魅力的な反面、怪盗の登場がやや浮いている気がするが、そこはご愛嬌。

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posted at 23:33:04

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月6日

てにをは「能面島神隠し事件」読了。能面島と呼ばれる絶海の孤島で六年に一度行われる秘祭の最中、“神様”が密室状態の社で惨殺死体となって発見された。小説執筆のため取材に訪れていた推理作家の久堂蓮真とその助手ひばりは島に隠された秘宝を狙う怪盗大鴉と対決しつつ、事件の真相に迫っていく。

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posted at 23:32:44

2020年07月05日(日)

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月5日

手掛かりの出し方が丁寧すぎるために犯人の見当がすぐついてしまうきらいがあるものの、舞台の特性を活かしたトリックと動機、更にそれを踏まえてのオチは決して悪くない。またサイドストーリー二編のうち「推理作家は夜走る」で出てきたある設定は四作目で回収されるらしいので、そちらに期待したい。

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posted at 13:38:51

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月5日

人気ボカロ曲を元にしたミステリシリーズの三作目。構成としては一作目と同様、全三話収録の連作形式ではあるが表題作以外はサイドストーリーの趣が強い。唯一ミステリと呼べる表題作はこれまで読んできたシリーズ作の中では最も破綻が少なく、物語としても手堅く纏まっていると言っていいだろう。

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posted at 13:38:24

麻里邑圭人 @mysteryEQ

20年7月5日

てにをは「アルラウネの独白」読了。明尾高演劇部が今度の文化発表会で行う舞台「アルラウネの独白」はかつて出演者に様々な不幸を齎した曰く付きの演目だった。そして本番が近付くにつれ、劇中で起こる悲劇をなぞるように不可解な事件が続発する――。表題作の他、二編を収録。

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posted at 13:38:05

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