麻里邑圭人
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- 現在地 涅槃
- 自己紹介 ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。 【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩 【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」 【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
2022年07月25日(月)
何も考えずに読む分にはもしかしたら楽しめるのかもしれないが、少なくとも本格ミステリに何かしらの拘りがある人間が読んで手放しで褒められる作品ではないだろう。
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posted at 23:16:03
本格ミステリの王道を逆手に取った作品というのが本作の売り文句だがそもそも設定の時点で無理がありそれに目を瞑ったとしても楽しくないドタバタ劇、名前だけが先行する魅力が全く感じられないミステリ作家とその館、そして本格ミステリの美学を謳う割にショボいトリックはさすがに如何ともしがたい。
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posted at 23:15:49
片岡翔「その殺人、本格ミステリに仕立てます。」読了。音更風゛は「館」シリーズ全十作で知られるミステリ作家の一家にメイドとして就職したが一族は不仲で殺人計画さえ持ち上がる始末。これを止めるべく風゛は計画を請け負った豺と「フェイク殺人計画」を練るが予想外の人物が殺されてしまい……。
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posted at 23:15:33
一方「シャム双子」はフーダニットのロジックで魅せつつも、オリジナルと同じ設定をスリリングな展開とホワイダニット――「なぜこの状況で事件を起こしたのか?」に纏わる奇想に活かしている点が素晴らしい。二編とも甲乙付けがたい秀作であると同時にロジックと奇想で二度美味しい贅沢な作品集である。
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posted at 23:15:02
第二の射撃事件とある人物の失踪事件の裏で何が起きていたか? も実に巧みだが、何よりも凄いのは第二の射撃事件の真相であり、作者らしい奇想が炸裂したその奇跡の構図はミステリファン必読と言っていいだろう。
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posted at 23:14:34
柄刀版国名シリーズの三作目はタイトルからも分かる通り「アメリカ銃」と「シャム双子」をテーマにした二編を収録した中編集。「アメリカ銃」はオリジナル同様どこから撃たれたのか分からない射撃の謎を扱っているが、探偵役が事件に関わってからのリアルタイムで進行するサスペンス劇がまず秀逸。
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posted at 23:13:42
柄刀一「或るアメリカ銃の謎」読了。南美希風とエリザベス・キッドリッジが巻き込まれた二つの事件。愛知県のアメリカ領事私邸で起きた不可思議な連続射殺事件の謎を扱った表題作の他、山火事でクローズド・サークルと化した湖畔の別荘で発生した二ヶ所同時の殺人事件「或るシャム双子の謎」を収録。
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posted at 23:13:25
2022年07月23日(土)
「劇場版『Gのレコンギスタ Ⅳ』「激闘に叫ぶ愛」」観了。前作からだいぶ間があいた劇場版四作目の一番の見所は何と言ってもベルリvs.マスクの気合の入ったMS戦だろう(でもやっぱりマックナイフはダサい)。そしてその後、今カノそっちのけで元カノといちゃつくマスクの節操のなさに笑ったw
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posted at 21:49:46
そしてそこを何とか堪え忍んで読んだとしても最後に語られる真相も真相で、失敗した作者の某作を読まされたような居心地の悪さを覚えてしまう。しかも個人的には直近で同じネタのもっと見せ方が巧い作品を読んでいたため余計にそう思ってしまった。正直ファン以外にはお勧めできない作品である。
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posted at 21:05:08
謎の自殺の連鎖と死者の体に残される「暃」の字の関連性を探る長編ミステリ。本作は事件の捜査にあたる二人の刑事と自殺の連鎖に巻き込まれた被害者達の視点で交互に物語が進んでいくがその大半が想像の域を出ない「暃」の字の解釈に費やされている為そこに興味がないと全く面白いとは思えないだろう。
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posted at 21:04:52
詠坂雄二「5A73」読了。関連性不明の自殺の連鎖の共通項は身体に残された「暃」の字。それは、存在しないにも拘わらず、パソコン等では表示されるJISコード「5A73」の文字、幽霊文字だった。刑事たちが事件の手掛かりを探る中、新たな死者が……。この文字は一体何なんだ?
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posted at 21:04:40
2022年07月22日(金)
面白いといえばもう一つ、本作には事件のきっかけである遺産相続の権利を放棄した景子の夫・俊彦を始めとした登場人物たちの曲者ぶりにだいぶ筆が割かれており、それがブラックユーモア色が強い人間ドラマとして面白いのもさることながら、最終的にXの正体と真意に絶妙な説得力を与えているのが○。
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posted at 22:01:56
そして以降は事件を起こしてしまった犯人・景子の視点――いわゆる倒叙形式で物語が進んでいくのだが、更に興味深いのは景子に何らかの事情で手を貸す謎の人物Xが存在していることであり、次第にそのXの正体と真意を犯人自らが探っていく変則フーダニットの趣向が浮かび上がってくるのが実に面白い。
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posted at 22:01:20
「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの作者による、遺産相続を巡るノンシリーズ物の長編ミステリ。遺産相続を扱ったミステリというと基本的には遺産を相続する権利があったばかりに事件に巻き込まれるパターンが多いが、本作は逆にその権利を放棄したことで事件が起こってしまうのがまず興味深い。
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posted at 22:00:36
木元哉多「遺産相続を放棄します」読了。名家・榊原家の当主が亡くなり孫の俊彦に多額の遺産が相続される筈だった。しかし俊彦はその権利を放棄。妻の景子は何とか夫を翻意させようとするもある事情から義姉を死なせてしまう。ところが放置した死体が忽然と消失。一体誰が何のために死体を隠したのか。
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posted at 22:00:20
2022年07月21日(木)
欲をいえばもう少しこの世界で使うことのできる魔術に関する言及があっても良かったような気がするが、あまり言及し過ぎても真相に気付かれてしまうので難しいところではあるだろう。とはいえ手掛かりはだいぶ出しているし、物語としても探偵役の成長と恋(?)の行方がますます気になる佳作である。
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posted at 22:20:32
その一方で事件の見せ方にも工夫が凝らされており、前作よりも謎が明快で分かりやすく、それでいて物語が進んでも解決に近付くどころか謎ばかりが増えて混迷の一途を辿っていく展開がいい。そして、それをファンタジー設定ならではの一発技に近いシンプルな真相で一気に説明付けてみせる点も○。
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posted at 22:20:15
物見の聖女・ヴィクトリアが探偵役を務めるファンタジーミステリシリーズの二作目。前作を読んだ時にミステリとして評価しつつも「探偵役の霊が視える能力がほとんど活かされていない」ところを不満点に挙げたが今回は一転してその能力を事件の謎を解く手掛かりとしてきちんと活かしているのが嬉しい。
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posted at 22:19:35
春間タツキ「聖女ヴィクトリアの逡巡」読了。帝国の皇帝が次期皇帝の候補者たちの前で自害を遂げた。すぐさま新たな皇帝を決める継承選が行われるもある候補者の策略により膠着状態に陥ってしまう。しかも事態を打開するためには皇帝の謎めいた自害の真相を明らかにしなければいけないようで……。
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posted at 22:19:17
2022年07月20日(水)
一部強引な展開が気になるものの、長かった『蛇』との戦いにようやく決着がついたことに関してはやはり感無量と言わざるを得ない。前作並みとまでは言わないまでも一定の面白さは保証されている佳作である。
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posted at 19:15:04
尤も今回のサブタイトルから、ある程度展開に察しがついてしまうところもあるが、作者の方もそれを見越していたのだろう。前述した二つの謎を有機的に絡めたどんでん返しを盛り込むことで、作中の登場人物である『白蜘蛛』と共に読者を煙に巻いてみせる点が心憎い。
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posted at 19:14:43
機関『灯』の活躍を描く長編シリーズの八作目。ガルガド帝国の諜報機関『蛇』との戦いも佳境に入り、いよいよ宿敵『白蜘蛛』と直接対決へ。その一方で「壊滅した筈のスパイチーム『鳳』が蘇ったという噂は本当なのか?」「『灯』の新メンバー『炯眼』とは何者なのか?」という二つの謎が物語を彩る。
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posted at 19:13:52
竹町「スパイ教室08 《草原》のサラ」読了。CIM内の裏切者を暴き出した『灯』だがその代償は大きくチームは半壊、モニカも安否不明に。そんな中、全ての元凶である宿敵『白蜘蛛』を捕えるためリリィ・ジビアと共に奔走するサラの元に壊滅した筈のスパイチーム『鳳』が蘇ったという情報が齎されて……。
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posted at 19:13:31
2022年07月19日(火)
朝倉亮介「四季崎姉妹はあばかれたい」2巻読了。1巻に引き続き「主人公の推理 vs. 美人三姉妹のオッパイ」という前代未聞の対立構造(?)が楽しめるのもさることながら、ここにきて新キャラの幼馴染み投入&姉弟物ラブコメのお約束展開へ。あと転生前の記憶を活かしたギャップ萌えもベタだが○。
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posted at 09:51:34
「デモンズ2」観了。映画館が舞台だった前作から一転、今度は高級マンションでデモンズが大暴れする話。前作から外連味こそ減ったが代わりにデモンズがより凶悪&緊迫感がマシマシに。あとデモンズの発生源が映画からテレビになったことでだいぶ貞子っぽかったのが印象的(但しラストのアレは謎)。
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posted at 00:59:51
「デモンズ」再観了。何度観ても日本刀とバイクが最強装備であることに笑ってしまう(というか何で映画館にそんなものがあるのか謎だが)。基本的には死霊のはらわた+ゾンビだがそれと作中作を組み合わせたアイディアは今観ても面白い。あと監督こそ違えどアルジェント色が大分強かったことを再認識。
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posted at 00:47:55
2022年07月14日(木)
花林ソラ/伏見航介「ウェルベルム ―言葉の戦争―」1巻読了。「動詞の力」を駆使して戦う異色の異能バトル漫画。しかしながら遺体に無数の小銭が突き刺さっている連続変死事件の現場の状況から犯人の能力――「動詞」を絞り込む過程は正にミステリであり、その能力が分かって以降の駆け引きも熱くて○。
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posted at 21:37:00
一方「他人の生活」は作者が度々取り上げる「人は見たいものしか見ない」というテーマを地で行く内容で、数々の疑惑を探偵役の燈馬がどう晴らしていくかもさることながら読了後にタイトルの意味がじわじわと沁みてくる快作である。
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posted at 09:43:25
「盗難、収賄そして殺人」は扱っているテーマから真相がだいたい読めてしまうものの、序盤の何気ないやり取りがその後に齎す影響や、終盤のある人物の問いかけに対する燈馬のロジカルな反論など細部の作り込みにこそ見るべきものがある。
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posted at 09:42:49
加藤元浩「Q.E.D.iff ―証明終了―」22巻読了。他人を疑うことを知らない刑事が担当した、現職の噂国会議員が容疑者の宝石盗難事件が思わぬ展開を見せる「盗難、収賄そして殺人」、亡き歯科医師の遺品整理中に発見された鑑定額500万以上の古伊万里の器が忽然と姿を消す「他人の生活」の二編収録。
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posted at 09:42:01
次点は「レミングの群れ」で社会派テーマで読ませつつ不意打ちの仕掛けで一気にブラックユーモアへと転じる読後感が心憎い。またトリを飾る表題作は前半のミステリ趣向から一転じっくり小説として読ませる内容になっており、全体的にシリアステイストながらバラエティー豊かな物語が揃った良作である。
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posted at 00:11:20
特に前半の作品に顕著なのは人一人殺したら死刑になるという設定が真相やミステリ的仕掛けの絶妙な隠れ蓑になっている点で「籠の中の鳥たち」は論理的に考えると犯人がいないことになってしまう状況のユニークさもさることながら一筋縄ではいかないフーダニットと設定を逆手に取った動機の異常性が○。
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posted at 00:10:59
人を一人殺したら死刑になる架空の日本を舞台にした全五編の連作ミステリ。面白いのは収録作五編の方向性が見事にバラバラである点である時は猟奇サスペンス、ある時はクローズド・サークルの本格ミステリ、またある時は倒叙――といった具合に作者の引き出しの多さを楽しめるようになっているのがいい。
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posted at 00:10:41
貫井徳郎「紙の梟 ハーシュソサエティ」読了。デザイナーが目と指と舌を奪われた理由、論理的に考えると犯人がいないことになってしまうクローズド・サークル状況下の殺人、いじめの加害者が次々と襲われる事件を巡る様々な思惑――。これは、人一人を殺したら死刑になる世界の物語。
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posted at 00:10:20